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震度8はなぜない?震度7が最大の理由を防災士が解説【全10段階】

震度8はなぜない?震度7が最大の理由を防災士が解説【全10段階】

「震度7より上、震度8はないの?」「もっと強い揺れが来たらどう表すの?」地震のニュースを見て、そんな疑問を持ったことはありませんか。結論から言うと、日本の震度に震度8以上は存在せず、震度7が最大です。この記事では、なぜ震度7が上限なのか、その理由を「観測の事実」と「防災上の意味」という2つの角度からはっきりお伝えします。あわせて、震度とは何か、マグニチュードとの違い、震度0から7までの全10段階の目安まで、防災の現場感覚を交えてわかりやすく解説します。読み終えるころには、地震速報で流れる震度の数字を、これまでより一段深く受け止められるようになるはずです。

この記事は、防災士であり「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」(株式会社ヒカリネット)代表の後藤秀和が執筆しています。後藤は2011年3月11日の東日本大震災を福島市で経験し、その実体験をもとに防災の情報発信を続けています。

  • 震度8以上がない理由が「観測」と「防災」の両面でわかる
  • 震度とマグニチュードの違いを正しく説明できるようになる
  • 震度0から7までの揺れと被害の目安を把握できる
  • 震度6強と震度7で被害がどれほど変わるかを理解できる

震度とは、ある特定の場所で地震の揺れがどれくらい強かったかを表す指標です。日本では気象庁が定めた0から7までの10段階(震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7)が使われ、震度7が最大値となっています。

目次

震度8がない理由は「観測例」と「防災上の意味」の2つ

震度8がない理由を考えるイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

日本の震度に震度8以上がないのには、大きく2つの理由があります。1つは、震度7を大きく超えるような揺れが、これまで観測されたことがないという事実。もう1つは、震度7の時点ですでに「想定しうる最悪の被害」が示されており、それより上の区分を作っても防災行動が変わらないからです。まずはこの結論を押さえたうえで、それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • 震度8以上がない理由①観測例がない
  • 震度8以上がない理由②防災上の意味
  • 震度6と7で被害は何倍も違うのか
  • 海外には震度8や、もっと上の階級があるのか

震度8以上がない理由①観測例がない

震度8がない1つ目の理由は、震度7の基準値を大きく超える揺れが、いまだ観測されたことがないからです。さらに重要なのは、震度7には上限が設定されていないという点です。つまり、どれほど激しい揺れでも、すべて「震度7」として発表される仕組みになっています。

現在の震度は、計測震度計という機器が揺れの加速度などをもとに算出する「計測震度」という客観的な数値(0.0〜7.0の範囲)に基づいて、次のように決められています。

  • 計測震度6.0以上 6.5未満 → 震度6強
  • 計測震度6.5以上 → 震度7

この定義からわかるように、震度7の上限は決められていません。仮に計測震度が7.0や、理論上8.0という数値が出たとしても、気象庁が発表する震度はすべて「震度7」になります。だからこそ、新たに「震度8」という枠を設けなくても、どんなに大きな揺れにも対応できるのです。

計測震度計による観測が始まってから、日本では2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震などで震度7が観測されていますが、これらはいずれも計測震度6.5をわずかに上回る程度でした。もし今後、過去に例のない巨大な揺れが起きたとしても、それは「観測史上最大級の揺れを記録した震度7」として記録されることになります。

震度8以上がない理由②防災上の意味

震度8がない2つ目の、そしてより本質的な理由は、震度7より上の区分を作っても防災対策が変わらないからです。震度7の時点で、すでに「考えうる最悪の被害状況」が示されており、国も自治体も最大級の体制を発動します。それ以上の段階を細かく分ける実質的な意味がないのです。

そもそも気象庁が定める震度階級は、単なる揺れの強さのランク分けではありません。その揺れでどんな被害が起きるかを具体的に示し、国や自治体、そして私たち一人ひとりが、その情報をもとに迅速で適切な防災行動をとるための指標です。

ここで少し想像してみてください。震度7の時点で、すでに「耐震性の高い建物ですら倒壊する恐れがあり、ライフラインは寸断され、道路網も破壊されて救助活動も極めて困難になる」という、想定しうる最悪の状況が示されています。これは、国や自治体が持てる力のすべてを投入する最大級の災害対応(非常災害対策本部の設置など)が求められるレベルです。

仮にこの状況を超える「震度8」を新設したとしても、防災計画や対策の中身が変わるわけではありません。なぜなら、震度7の時点で、すでにあらゆる人的・物的リソースを総動員する体制が動き出すからです。つまり震度7は、「これ以上の被害は現実的に想定しきれない」という、日本の防災対策における最終段階を示す階級だと言えます。

震度6と7で被害は何倍も違うのか

震度6強と震度7の被害の違いのイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

震度6強と震度7は、被害の規模でいえば「数倍」では済まないほどの決定的な差があります。どちらも「はわないと動けない」激しい揺れで、人が体感で区別するのはほぼ不可能ですが、建物やインフラが受けるダメージはまったく別物です。その境目をつくるのが、計測震度のわずか「0.5」の差です。

震度6強の被害

震度6強の揺れに襲われると、1981年以前の旧耐震基準で建てられた耐震性の低い木造住宅は、傾いたり倒壊するものが多くなります。新耐震基準で建てられた耐震性の高い建物でも、壁に大きなひび割れが入るなど、無視できない被害が見られることがあります。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れるなど、屋外も極めて危険な状態になります。

震度7の被害

これが震度7になると、被害の様相はさらに深刻化し、質的に変わります。最大のポイントは、新耐震基準を満たした耐震性の高い木造住宅や、頑丈なはずの鉄筋コンクリート造の建物でさえ、傾いたり倒壊したりするものが出てくる点です。これまで「安全」とされてきた比較的新しい建物ですら、甚大な被害を受ける可能性が現実になります。

地盤にも大きな地割れが生じ、大規模な山崩れや地すべりが多発します。道路や鉄道、ライフラインといった社会インフラにも壊滅的な被害が及び、地域の社会機能が完全に麻痺してしまうほどの破局的な揺れと言えるでしょう。

この違いは、計測震度の数値に明確に表れます。震度6強は計測震度6.0以上6.5未満、震度7は計測震度6.5以上と定義されています。この「6.5」というわずかな差が、建物の損壊率を一気に引き上げ、被害を非連続的に増大させる致命的な境目になるのです。なお、震度6弱が実際にどれくらいの揺れなのかは、福島で震度6弱を3度経験した体験を交えて震度6弱どれくらい?3回経験した防災士がわかりやすく解説で詳しく紹介しています。

海外には震度8や、もっと上の階級があるのか

「日本に震度8がないのはわかったけれど、海外ならもっと上の段階があるのでは?」と気になる方もいるでしょう。結論として、震度のように揺れの強さを段階分けする指標は国ごとに異なり、日本より多い段階数を採用している地域もあります。ただし、それは日本の震度階級を単純に延長したものではありません。

たとえば、各国で使われている「震度(地震動の強さ)」を表す階級には、段階の数や決め方にそれぞれ違いがあります。日本の気象庁震度階級は10段階ですが、海外には12段階で表す方式を採用している地域もあります。ただし、これらは数値の意味づけや測定方法が日本の震度とは異なるため、「日本の震度8・震度9に相当する」と単純に置き換えられるものではありません。あくまで、日本の防災情報として私たちが避難や備えの判断に使うのは、気象庁が発表する0〜7の震度です。

なお、地震の「規模」を表すマグニチュードには、震度のような決まった段階区分はなく、数値が無数に存在します。震度とマグニチュードの違いについては、次の章でくわしく解説します。

震度とは何か|マグニチュードとの違いと全10段階

地震の揺れの中での恐怖を表すイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

  • そもそも震度とは何を指す指標か
  • 震度とマグニチュードの違いを解説
  • 人の体感でわかる震度階級表
  • 建物の被害でわかる震度階級表
  • 具体的に震度3はどれくらいの揺れか
  • 震度の基準はいつから変わったのか

そもそも震度とは何を指す指標か

震度とは、ある特定の場所が地震によってどのくらい強く揺れたかを数値で表した指標です。地震そのもののエネルギーの大きさを示すマグニチュードとは根本的に異なり、「その場所のリアルな揺れの強さ」を表します。

日本では、気象庁が定めた10段階の「気象庁震度階級」が用いられています。具体的には、震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階です。かつては気象庁の職員が体感や被害状況から判断していましたが、1996年4月以降は、気象庁・地方公共団体・防災科学技術研究所が設置した「計測震度計」という精密な機器によって、揺れが自動的に観測・算出されるようになりました。これらの震度観測点は全国に多数あり、気象庁の資料によると合計でおよそ4,300〜4,400地点に上ります(2024年時点の公表値より)。

同じ地震でも場所によって震度が変わる理由

震度は、地震のエネルギーだけでなく、震源からの距離、震源の深さ、観測点の地盤の固さなど、さまざまな要因によって大きく変わります。そのため、同じ一つの地震でも、観測する場所が違えば震度は変わってきます。たとえば、震源に近くても地盤が固い場所より、震源から少し離れていても地盤が軟弱な場所のほうが、震度が大きくなることがあります。

つまり震度は、私たちが生活しているまさにその場所での揺れの強さを客観的な数値で示したものであり、避難の判断や防災行動を始めるうえで、最も重要で直接的な情報になるのです。

震度とマグニチュードの違いを解説

震度とマグニチュードの最大の違いは、マグニチュードが地震そのもののエネルギー(規模)を表す「ただ一つの数値」であるのに対し、震度は各地域で観測された「場所ごとに異なる揺れの強さ」を示す点です。ニュースでセットで報じられるため混同されがちですが、意味はまったく異なります。

この関係は、光の明るさに例えるとわかりやすくなります。非常に強力なサーチライト(マグニチュードが大きい)でも、はるか遠くから見れば光は弱く感じます(震度は小さい)。逆に、小さな懐中電灯(マグニチュードが小さい)でも、目の前で照らされれば非常に眩しく感じます(震度は大きい)。これが、地震のエネルギーと体感する揺れの強さの関係です。

そのため、マグニチュードが巨大な地震でも、震源が遠かったり何百kmも深い場所だったりすれば、地表での揺れは小さくなり、震度も小さく観測されます。一方で、マグニチュードの数値自体はそれほど大きくなくても、都市の直下など浅い場所で起きる「直下型地震」では、震源に近いエリアで局地的に非常に大きな震度が観測され、甚大な被害を引き起こすことがあります。

豆知識:マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍に

マグニチュードの数値は、1増えるごとに地震のエネルギーが約32倍になります。つまり、2増えると32×32でエネルギーは約1000倍にもなります。2011年に発生し、マグニチュード9.0を記録した「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」が、いかに巨大なエネルギーを放出したかがわかります(参照:気象庁)。マグニチュードの段階や震度との関係をさらに詳しく知りたい方は、マグニチュードとは簡単に何?震度との違いを防災士が解説もあわせてご覧ください。

人の体感でわかる震度階級表

震度ごとの人の体感を表すイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

震度階級は、観測された数値だけでなく、それぞれの段階で「人がどう揺れを感じ、どう行動するか」という具体的な目安が示されています。これにより、発表された震度の数値を直感的に理解できます。以下に、人の体感や行動、屋内の状況をまとめた表をご紹介します。

震度階級人の体感・行動屋内の状況
震度0人は揺れを感じないが、地震計には記録される。
震度1屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。
震度2屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
震度3屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人の大半が、目を覚ます。棚にある食器類が音を立てることがある。
震度4ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。
震度5弱大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。固定していない家具が移動することがある。
震度5強大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。固定していない家具が倒れることがある。
震度6弱立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。
震度6強はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。
震度7揺れにほんろうされ、自分の意志で動くことができない。固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。

(参照:気象庁震度階級関連解説表

この表からわかるように、震度5弱あたりから多くの人がはっきりとした恐怖を感じ、具体的な被害が出始めます。ご自身の自宅や職場、よく訪れる場所でどの程度の揺れが想定されているか、ハザードマップなどで一度確認しておくことが、防災の第一歩として非常に重要です。各段階の違いをもっと細かく知りたい方は、震度は何段階?10段階の階級と7が最大な理由を防災士が解説でさらに詳しくまとめています。

建物の被害でわかる震度階級表

震度ごとの建物被害を表すイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

震度は、人の体感だけでなく、建物にどの程度の物理的な影響を及ぼすかの目安にもなります。特に、建物の構造や建てられた年代、すなわち耐震性の高さによって、同じ震度でも被害の状況は大きく異なります。ここでは、木造建物と鉄筋コンクリート造建物の被害状況の目安を、耐震性の違いに注目して表にまとめました。

震度階級木造建物(耐震性が低い)木造建物(耐震性が高い)鉄筋コンクリート造建物(耐震性が低い)
震度5弱壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。
震度5強壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。壁、梁、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が入ることがある。
震度6弱瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。壁などに軽微なひび割れ・亀裂がみられることがある。壁、梁、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。
震度6強傾くものや、倒れるものが多くなる。壁などにひび割れ・亀裂がみられることがある。1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。
震度7傾くものや、倒れるものがさらに多くなる。壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。まれに傾くことがある。1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものが多くなる。

(参照:気象庁震度階級関連解説表

耐震性の目安と「新耐震基準」について

建物の耐震性を分ける大きな節目として、1981年(昭和56年)6月1日に導入された建築基準法の「新耐震基準」があります。一般的に、これ以降に建築確認を受けた建物は「震度6強から7程度の揺れでも倒壊・崩壊しない」ことを基準として設計されており、耐震性が高いとされています。ただし、これはあくまで一つの目安であり、実際の耐震性は個々の建物の設計や施工、その後のメンテナンス状況によって異なります。ご自宅の正確な耐震性を知るためには、専門家による耐震診断を受けることが推奨されます。

具体的に震度3はどれくらいの揺れか

震度3は、多くの人が「あっ、地震だ」とはっきり揺れを感じる段階で、建物の損傷や家具の転倒といった直接的な被害はほとんど出ないレベルです。とはいえ、日頃の備えを見直すきっかけにするには、ちょうどよい目安となる震度です。

気象庁が公表している「気象庁震度階級関連解説表」によると、震度3は次のような状況とされています。

  • 人の体感:屋内にいる人のほとんどが揺れを感じます。歩いている人の中にも揺れを感じる人がいます。また、眠っている人の大半が目を覚まします。
  • 屋内の状況:棚に置かれている食器類が、お互いにぶつかり合ってカタカタと音を立てることがあります。
  • 屋外の状況:電線が少し揺れるのが見て取れます。

この段階では直接的な被害はほとんどありませんが、多くの人が「地震だ」と明確に認識し、少し不安を感じ始めるレベルの揺れと言えます。特に、高層マンションの上層階などでは、地表よりも揺れがゆっくり大きく感じられる「長周期地震動」の影響で、体感としてはさらに強く感じられることもあります。

震度3で物が落ちてくることは稀ですが、これがより大きな地震の前触れ(前震)である可能性も常に頭の片隅に置いておきたいものです。この程度の揺れを経験したときに、「うちの家具は固定してあるかな」「非常持ち出し袋の中身は大丈夫かな」と、日頃の基本的な防災対策を見直す。その小さな積み重ねが、いざという時の身の安全につながります。

震度の基準はいつから変わったのか

現在の震度0から7までの10段階になったのは、1996年(平成8年)4月1日からです。それ以前は0から7までの8段階(震度5と6に弱・強の区別なし)で運用されていましたが、阪神・淡路大震災の教訓を受けて改定されました。

その背景には、1995年に発生した阪神・淡路大震災での深刻な問題がありました。同じ「震度6」や「震度5」と判定された地域でも、被害の程度に看過できないほど大きな差があることが浮かび上がったのです。そこで、より正確に被害の実態を伝えるため、次の2点が変更されました。

1996年の主な変更点

  • 震度階級の細分化:被害の差が大きかった震度5と震度6が、それぞれ「弱」と「強」に分けられ、現在の10段階となった。
  • 観測方法の機械化:それまでの職員の体感による観測を廃止し、客観的な揺れのデータに基づき震度を算出する「計測震度計」による観測に全面的に移行した。

この改定によって、より詳細で客観的な防災対応が可能になりました。そして、計測震度計の全国的な整備は、より迅速で信頼性の高い地震情報の発表体制の礎となっています。なぜ震度5と6だけが「弱」「強」に分かれているのか、その細かな経緯は震度は何段階?10段階の階級と7が最大な理由を防災士が解説でさらにくわしく解説しています。

震度の正しい理解を、日頃の備えにつなげよう

震度の知識を防災に役立てるイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

ここまで、震度8がない理由を中心に、震度の基本から全10段階の目安までを解説してきました。震度7が最大である理由を知ると、地震速報で「震度7」という数字を見たときの受け止め方が変わってくるはずです。最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 日本の震度は0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の全10段階で、震度7が最大
  • 震度8以上がないのは、震度7を大きく超える観測例がないことと、防災上それ以上の区分を設ける意味がないため
  • 震度7には上限がなく、どれほど大きな揺れもすべて「震度7」として発表される
  • 震度6強(計測震度6.0〜6.5未満)と震度7(6.5以上)の境目で、建物被害は非連続的に跳ね上がる
  • 震度は特定の場所の「揺れの強さ」、マグニチュードは地震そのものの「エネルギーの大きさ」を示す別の指標
  • 現在の10段階に改定されたのは1996年4月で、阪神・淡路大震災の教訓から震度5と6が「弱」「強」に細分化された
  • 震度3は多くの人が揺れを感じるが被害はほとんどなく、備えを見直す良い目安となる

震度の数字をどう受け止めるかは、日頃の備えがあるかどうかで大きく変わります。私自身、福島で繰り返し強い揺れを経験して痛感したのは、いざ揺れが来てからでは、考える余裕も動く余裕もほとんどないということでした。だからこそ、家具の固定や非常持ち出し袋の準備といった「今できること」を、揺れを感じた今このタイミングで一つでも見直していただけたらと思います。震度6弱が実際どれくらいの揺れなのかを体験ベースで知りたい方は、震度6弱どれくらい?3回経験した防災士がわかりやすく解説もぜひあわせてお読みください。

よくある質問(FAQ)

震度8はなぜないのですか?

理由は2つあります。1つは、震度7の基準(計測震度6.5以上)を大きく超える揺れが観測されたことがないこと。もう1つは、震度7の時点で想定しうる最悪の被害が示されており、それ以上の区分を作っても防災行動が変わらないことです。震度7には上限がないため、どれほど大きな揺れもすべて震度7として発表されます。

震度7の上はあるのですか?

ありません。震度7が日本の震度階級の最大値です。計測震度が理論上7.0や8.0という数値になったとしても、発表される震度は「震度7」となります。今後さらに大きな揺れが起きても、「観測史上最大級の震度7」として記録されます。

震度とマグニチュードはどう違うのですか?

震度は「ある場所での揺れの強さ」、マグニチュードは「地震そのもののエネルギーの大きさ」を示します。マグニチュードは地震ごとに1つの数値ですが、震度は場所によって異なります。マグニチュードが大きくても震源が遠ければ震度は小さく、逆に小さくても直下で起きれば大きな震度になります。

震度6強と震度7はどれくらい被害が違うのですか?

計測震度ではわずか0.5の差ですが、被害は数倍以上に跳ね上がります。震度7では、新耐震基準を満たした建物や鉄筋コンクリート造の建物でさえ倒壊する恐れが出てきます。人の体感ではほぼ区別できませんが、建物やインフラへのダメージは質的に異なります。

日本で震度7が観測されたことはありますか?

あります。1995年の阪神・淡路大震災で初めて適用され、その後も2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2024年の能登半島地震などで震度7が観測されています。いずれも計測震度6.5をわずかに上回る程度でした。

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この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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