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台風の備え完全ガイド|今すぐ揃える7つの必需品と対策

台風の備えとして防災リュックや水、ライト、携帯トイレなどの必需品を準備した様子

台風の備え完全ガイド|今すぐ揃える7つの必需品と対策

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

「台風が近づいてきたけど、結局なにを準備すればいいんだろう?」——毎年シーズンになると、そんな声をよく耳にします。いざ進路予報を見ると不安になるのに、何から手をつけていいか分からず、結局スーパーで水とパンを買って終わり……という方も多いのではないでしょうか。

でも、台風は数ある災害のなかでも「事前に備える時間がある」めずらしいタイプの災害です。だからこそ、ちょっとした準備の差が、その後の安心に大きく効いてくるんですね。この記事では、台風の備えとして本当に必要なものや家でできる対策を、防災士の視点でわかりやすく整理してお伝えします。最後まで読めば、今日から何をすればいいかがはっきり分かるかなと思います。

目次

台風の備えとは何かと必要性

台風の備えとして用意する基本的な防災用品
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風の備えとは、強風・大雨・停電・断水といった台風による被害に備えて、必要な物資をそろえ、家や避難の準備を事前に整えておくことです。地震と違って接近を予測できるため、近づく前の行動が安全を大きく左右します。

気象庁の統計(1991〜2020年の平年値)によると、日本には年間で平均25.1個の台風が発生し、平均11.7個が日本に接近、3.0個が上陸しています。台風がまったく発生しなかった年は、統計開始以降ありません。(出典:気象庁『台風の平年値』)。私の住む福島を含む東北地方にも、年平均2.7個の台風が接近しています。「うちの地域は大丈夫」と思っていても、台風は毎年どこかに必ずやってくる、と考えておいたほうが安心ですね。

台風と地震の備えの違い

海上で発達する台風の仕組みを図式的に表したイラスト
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風の備えを考えるうえで、まず知っておいてほしいのが地震との決定的な違いです。少しだけ「防災理科」のお話をしますね。

台風は、暖かい海の上で大量の水蒸気がエネルギー源となって発達する巨大な渦巻きです。中心の気圧が低いほど強い風が吹き込み、大雨をもたらします。ここで大事なのは、台風が数日かけてゆっくり近づいてくるという点です。気象庁の進路予報の精度は年々向上していて、私たちは数日前から「来るぞ」と分かる状態で待ち構えることができます。

突然襲ってくる地震とは、ここが根本的に違います。台風は「予測できる災害」だからこそ、備えの差がそのまま被害の差になるんですね。逆に言えば、準備の時間があるのに何もしないのが一番もったいない。2011年の東日本大震災を福島で経験した私としては、「備える時間がある災害」がいかに恵まれているか、しみじみ感じます。

台風で備えておくものリスト

台風で備えておくものをカテゴリ別にまとめた様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

では、具体的に何をそろえればいいのか。台風で備えておくものを、用途別にまとめました。

カテゴリ備えておくものポイント
情報・電源モバイルバッテリー、乾電池式ラジオ、懐中電灯・ヘッドライト停電時の情報と明かりの確保が最優先
水・食料飲料水、すぐ食べられる食品、カセットコンロ・ボンベ火やお湯が使えない前提で選ぶ
衛生携帯トイレ、ウェットティッシュ、常備薬断水時はトイレが最初に困る
住居対策養生テープ、ガムテープ、ブルーシート、土のう・水のう浸水・飛散の応急対応用

「持ち出し袋に何を入れるか」までしっかり詰めたい方は、非常用持ち出し袋の中身 最低限リストでカテゴリ別に解説していますので、あわせて読んでみてください。台風の場合は避難だけでなく「自宅で数日しのぐ」備えも重要になるので、持ち出し用と在宅用の両方を意識しておくといいかなと思います。

食料や水など備える食べ物

ローリングストックで備える台風用の食料と水
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風で停電や断水が起きると、調理にもかなり制約が出ます。冷蔵庫が止まり、お湯も沸かしにくくなる。だからこそ、そのまま食べられる・水やお湯が少なくて済む食料を中心にそろえておくのがコツです。

備蓄の目安として、内閣府や農林水産省は最低3日分、できれば1週間分を推奨しています。飲料水は1人1日3リットルが目安で、飲用だけでなく調理にも使う量を含みます。3人家族で3日分なら、3リットル×3人×3日=27リットルが計算上の目安ですね。

具体的には、レトルトご飯やパックのおかゆ、缶詰(魚・肉・果物)、レトルトカレー、栄養補助食品、ビスケットやようかんなどの菓子類が便利です。お湯を注ぐだけで食べられるアルファ化米やカップ麺も役立ちますが、これらは水やお湯が必要なので、カセットコンロとガスボンベもセットで用意しておくと安心ですね。小さなお子さんや高齢のご家族、持病のある方がいる場合は、それぞれに合った食品(粉ミルク・離乳食・やわらかい食事・常備薬)も忘れずに加えておきましょう。

ローリングストックがおすすめ
特別な非常食を一気に買い込むより、レトルトご飯・缶詰・乾麺など普段から食べる保存食を少し多めに買い、食べたら買い足す「ローリングストック」が無理なく続きます。賞味期限切れの山を作らずに済むのが利点です。

停電と断水への備え

停電と断水に備えて浴槽に水をためた様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風被害でとくに見落とされがちなのが、停電とそれに伴う断水です。強風で電柱や送電線が倒れると、広い範囲で長時間の停電が起こることがあります。

意外に思われるかもしれませんが、停電が断水を引き起こすケースがあります。マンションや3階以上の建物の多くは、ポンプで屋上のタンクへ水をくみ上げてから各戸に給水しています。停電するとこのポンプが止まり、電気が復旧してタンクに水がたまるまで蛇口から水が出なくなるんですね。これは「防災理科」的にもぜひ知っておいてほしいポイントです。

停電・断水に備えて、台風が来る前に浴槽へ水をためておくことを強くおすすめします。トイレを流す、手や顔を洗うといった生活用水として大活躍します。携帯トイレも数を確認しておきましょう。電気が戻っても水がすぐ出ないことがある、と覚えておくだけで初動がまったく変わります。

家でできる窓やベランダ対策

台風前にベランダの物を片づけ窓を保護した家の対策
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

家でできる台風対策のなかで、いちばん効果が高いのに見落とされやすいのが「外にあるものを片づける」ことです。

窓ガラスは建築基準に基づいて風圧に耐えるよう設計されていて、風そのものだけで割れることは基本的に多くありません。ガラスが割れる主な原因は、強風で飛んできた物がぶつかることです。つまり、ベランダの植木鉢・物干し竿・サンダル・ゴミ箱などを室内に取り込んでおくだけで、窓が割れるリスクをぐっと減らせるわけですね。室外機も固定されているか確認しておきましょう。

「窓に養生テープを米の字に貼れば割れない」と思っている方が多いのですが、これは少し誤解があります。養生テープは割れたときの破片の飛散を抑える効果が中心で、ガラスそのものの強度を上げるものではありません。貼る場合は室内側に貼り、まずは飛来物対策を優先するのが正解です。

今日から始める台風への備え

ここからは、実際に台風が近づいてきたときの行動を時系列で見ていきましょう。やることを順番に押さえておけば、慌てずに動けますよ。

台風接近前に必ずやること

台風接近前に確認しておく情報と準備の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風が予報円に入ったら、まずは正確な情報をつかむことから始めます。台風がいつ最接近するのか、雨や風がいつから強まるのかを知っておくと、買い出しや家の対策のタイミングが決められます。接近時の空模様の変化については台風が近づくと天気はどうなるのかで詳しく解説していますので参考にしてください。

避難の判断で軸になるのが、5段階の警戒レベルです。市町村が出す避難情報で、レベル3「高齢者等避難」では避難に時間のかかる方が、レベル4「避難指示」では危険な場所にいる全員が避難します。レベル5「緊急安全確保」はすでに災害が起きている段階なので、レベル4までに避難を終えるのが鉄則です。防災気象情報の見方は、公式パンフレットがいちばん分かりやすくまとまっています(出典:気象庁『大雨や台風に備えて』)。

接近前チェック
・スマホとモバイルバッテリーを満充電に
・浴槽に水をためる/飲料水を確保
・ベランダ・庭の物を室内へ
・ハザードマップで自宅周辺のリスクと避難場所を確認
・家族で連絡手段と集合場所を話し合う

上陸中と通過後の注意点

台風の上陸中は屋内で安全に過ごす様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風が最接近している間は、外に出ないのが大原則です。風で飛ばされた物や倒木、増水した側溝など、危険がそこら中にあります。屋根や雨どいの様子が気になっても、暴風雨のなかで点検に出るのは絶対に避けてください。

気をつけたいのが、台風が通り過ぎたあとの「吹き返しの風」です。中心が通過して一時的に風が弱まると外に出たくなりますが、その直後に今度は逆向きの強い風が吹くことがあります。「もう大丈夫」と思った瞬間が危ない、というわけですね。この仕組みについては台風の目に入るとどうなるのかで解説しています。川や用水路の見回りも、水位が下がるまで控えましょう。

日頃からの備えを習慣にする

台風の備えは、シーズン直前にあわてて整えるよりも、日頃から少しずつ準備しておくほうがずっとラクです。直前になると養生テープや乾電池が品切れになることも珍しくありません。

私は防災士として、これまで300社以上の法人の備蓄づくりをお手伝いしてきました。その経験から断言できるのは、「いざというときに使えるかどうか」は普段の点検で決まる、ということです。年に一度、防災の日(9月1日)などのタイミングで、備蓄の賞味期限・電池の残量・持ち出し袋の中身を見直す習慣をつけておくと安心ですね。

沖縄に学ぶ台風対策の工夫

台風に強い鉄筋コンクリート造住宅の工夫
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

台風の備えで参考になるのが、毎年いくつもの台風が接近する沖縄の知恵です。沖縄では年平均7.7個もの台風が接近していて、暮らしのなかに対策が根づいています。

たとえば住宅は、強風に耐える鉄筋コンクリート(RC)造や、本州より高い耐風圧性能のサッシが標準的に使われています。そして生活面では、台風前に浴槽へ水をためるのが当たり前の習慣になっています。これはまさに、先ほどお話しした停電による断水への備えそのものですね。室外機をコンクリート台や金具でしっかり固定するのも、台風常襲地ならではの工夫です。こうした「当たり前」を取り入れるだけで、備えの質はぐっと上がります。

台風の備えを今日から始めよう

今日から始める台風の備えと玄関に用意した防災リュック
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

ここまで、台風の備えとして必要なものから、家でできる対策、接近時の行動までお伝えしてきました。あらためて要点を整理しますね。

・台風は「予測できる災害」。近づく前の行動が安全を左右する
・備蓄は最低3日、できれば1週間分。水は1人1日3リットルが目安
・停電は断水を招くことがある。浴槽の水と携帯トイレを忘れずに
・窓は飛来物で割れる。外の物を片づけるのが最優先
・避難は警戒レベル4までに。レベル5を待たない

令和元年の台風19号では、私の親戚のアパート周辺も床上浸水の被害を受けました。水の力の恐ろしさと、事前の備えの大切さを、身近なところで痛感した出来事でした。台風の備えは、特別な道具をそろえることよりも、「来ると分かっているうちに動く」というシンプルな行動の積み重ねです。今日できることから、ひとつずつ始めていきましょう。大切な人を守るために、まずは浴槽に水をためるところからでもいいんです。

数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

よくある質問

Q1. 台風の備えは何日分そろえればよいですか?

内閣府や農林水産省は、水・食料を最低3日分、できれば1週間分備えることを推奨しています。飲料水は1人1日3リットルが目安です。家族の人数分をローリングストックで管理すると、無理なく続けられます。

Q2. 台風の備えで窓に養生テープを貼るのは効果がありますか?

養生テープは割れたガラスの飛散を抑える効果が中心で、ガラスの強度を上げるものではありません。貼る場合は室内側に貼ります。それよりも、飛来物で割れるのを防ぐため、ベランダや庭の物を室内に取り込むことが最優先です。

Q3. 台風で停電すると断水することがあるのはなぜですか?

マンションや3階以上の建物の多くは、ポンプで屋上タンクへ水をくみ上げて給水しています。停電するとポンプが止まり、電気が復旧してタンクに水がたまるまで断水することがあります。台風前に浴槽へ水をためておくと安心です。

Q4. 台風が近づいたら、いつ避難すればよいですか?

5段階の警戒レベルが目安です。レベル3「高齢者等避難」で避難に時間のかかる方が、レベル4「避難指示」で全員が避難します。レベル5「緊急安全確保」はすでに災害が発生している段階なので、レベル4までに避難を終えることが大切です。

🛡️ 防災士監修記事

後藤 秀和(ごとう ひでかず)

防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役

2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得しHIH(Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。

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この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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