あると便利な防災グッズ4選|防災士が選ぶ弱点別の備え【保存版】

あると便利な防災グッズ4選|防災士が選ぶ弱点別の備え【保存版】
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
水も食料も携帯トイレも揃えた。防災リュックも玄関に置いた。それでも「これで本当に大丈夫かな」と、どこか落ち着かない。そんな方は少なくないのではないでしょうか。
あると便利な防災グッズとは、水・食料・トイレなど命を守る基本の備えを揃えたうえで、基本セットだけでは手薄になりやすい場面を補うために追加する道具のことです。
結論から言うと、足すべきものは「人気順」ではなく、揺れ・停電・電池の保管・避難先での睡眠という4つの弱点から選ぶのが近道です。
この記事でわかること
・あると便利な防災グッズと「本当に必要なもの」の違い
・基本セットで手薄になりやすい4つの場面と、その理科的な理由
・場面ごとに必要な機能を整理した比較表
・4つの弱点を埋めるHIHの防災グッズと、選ぶときの注意点
2011年3月11日、私は福島で東日本大震災を経験しました。その後、防災士の資格を取得し、これまで防災セットを20万個以上お届けし、300社以上の法人備蓄をお手伝いしてきました。その経験をもとに、「セットの次に何を足すか」を整理してお伝えしますね。
なお、後半では私たちHIHの自社商品もご紹介します。まずは選ぶ基準からお話しして、その基準を満たす例として商品を挙げる順番にしています。他社製品を選ぶ場合も、同じ基準で比べてみてください。
あると便利な防災グッズの考え方と選ぶ基準
防災グッズのおすすめは弱点から考える

「防災グッズ おすすめ」で検索すると、ランキングやまとめ記事がたくさん出てきます。参考にはなるのですが、ランキングの上位を上から順に買っていくと、すでに持っているものと似た道具が増えるだけということが起こりがちなんですよね。
私がおすすめしているのは、逆の順番です。まず「災害が起きたら、どの場面で困るか」を思い浮かべて、今の備えでは対応できない場面、つまり弱点を見つける。その弱点を埋める道具だけを足していく。この考え方だと、無駄な買い物が減りますし、リュックも重くなりすぎません。
防災の備えは、時間の流れで考えると整理しやすくなります。
- 発災の瞬間:揺れと落下物から身を守る
- 発災から数日:停電の中で連絡手段と情報を保つ
- 備えの保管中:充電した機器を安全にしまっておく
- 避難生活:寒い床の上でも体を休める
一般的な防災セットは、水・食料・照明・衛生用品など「数日を生き延びる」ことを中心に組まれています。それ自体はとても大切なのですが、上の4つの場面のうち、特に発災の瞬間と避難生活の夜は、セットの中身だけでは手薄になりやすいところです。
本当に必要なものとの違い

ここで、はっきり線を引いておきます。この記事でお話しする「あると便利」は、基本の備えが揃っていることが前提です。
水・食料・携帯トイレ・照明・情報収集・モバイルバッテリー・救急用品。この7つは「なければ命に関わる」レベルの備えで、何よりも先に揃えてほしいものです。まだ揃っていない方は、先に防災グッズで本当に必要な7つと備蓄量の目安を確認してから、この記事に戻ってきてください。
| 区分 | 役割 | 揃える順番 |
|---|---|---|
| 本当に必要なもの | 数日間、命と健康を守る土台 | 最優先で最初に揃える |
| あると便利な防災グッズ | 土台では守りきれない場面を補う | 土台が揃ってから足す |
「便利」という言葉から、なくても困らないおまけのように感じるかもしれません。でも実際には、特定の場面で「あるか、ないか」が大きな差になる道具ばかりです。優先順位は後ろでも、軽く見てよいものではない、という位置づけですね。
落下物と停電が命を脅かす理科
ここからは少し「防災理科」のお話です。なぜその場面で困るのか、仕組みがわかると、足すべき道具の理由もすっきり見えてきます。
落ちてくる物は、なぜ危ないのか

東京消防庁の調査では、近年の地震で負傷した方の3〜5割が、屋内での家具類の転倒・落下・移動によるものとされています(出典:東京消防庁『地震から命を守る家具転倒対策』)。
高い場所にある物は、その高さの分だけエネルギーを持っています。揺れで落ちると、そのエネルギーが落ちるほど速さに変わり、ぶつかった一瞬に小さな面積へ大きな力として集中します。棚の上の小物でも、頭に当たれば深刻なけがにつながるのはこのためです。
ヘルメットのような保護具は、硬い外側で力を広い面積に分散させ、内側のクッションで衝撃が伝わる時間を少しでも引き延ばす、という二つの働きで頭を守ります。そして大事なのは、直下型の地震などでは揺れ始めてから危なくなるまでが数秒しかないこともあるということです。どれだけ性能が高くても、押し入れの奥にあっては間に合いません。
停電が長引くと、電源は「減る一方」になる
もう一つは電気です。大きな地震や台風では、広い範囲で停電が起きることがあります。東日本大震災、北海道胆振東部地震、令和元年房総半島台風など、停電が長期化した事例は少なくありません。
ここで押さえておきたいのが、モバイルバッテリーは「ためた電気を使うだけ」の道具だということです。使えば使うほど減り、停電中は補充ができません。一方でソーラーパネルは、光のエネルギーを電気に変える「つくる」側の道具です。
豆知識:「ためる」と「つくる」はセットで考える
ソーラーパネルは日中しか発電できず、曇りや雨の日は発電量が下がります。そこで、晴れた時間に発電した電気をモバイルバッテリーにためておき、夜に使うという組み合わせが現実的です。どちらか一方ではなく、両方そろって初めて「停電が長引いても電源を保てる」状態になります。
電池の発熱と床の冷えの理科

リチウムイオン電池は、保管中もリスクを持っている
停電に備えてモバイルバッテリーや充電式ラジオを増やすほど、実はもう一つ気をつけたいことが増えます。それがリチウムイオン電池の発火です。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2020年から2024年の5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件で、そのうち約85%が火災事故に発展したとされています。製品別ではモバイルバッテリーが最も多く、気温が上がる6〜8月に事故が増える傾向も報告されています。さらに、NITEが2026年6月に公表した2025年度の事故情報収集報告書では、充電器(主にモバイルバッテリー)の事故が製品群別で最も多くなったとされています。
リチウムイオン電池の中には、燃えやすい電解液が入っています。落下や強い圧力で内部がショートすると、そこで発熱が起き、その熱がさらに化学反応を進めて、また熱を生む。この連鎖は「熱暴走」と呼ばれ、いったん始まると止めにくいのが特徴です。
注意
防災用品として電池を持つこと自体は大切です。ただ、紙類や布製品のすぐそば、直射日光の当たる場所、高温になる車内などでの保管は避けましょう。膨らんでいる、変形している、異臭がするといった異常がある電池は、使用をやめて自治体の案内に従って処分してください。
電池の発火に備えた保管方法や、耐火バッグの仕組みについてはモバイルバッテリーの発火に備える耐火バッグの選び方で詳しく解説しています。
体温は、冷たい床に「吸い取られる」
最後は避難生活の夜です。体の熱の逃げ方には、主に伝導・対流・放射の3つがあります。
- 伝導:触れているものへ直接熱が移る(冷たい床に寝ると、背中から熱が奪われる)
- 対流:周りの空気が動いて熱を運び去る(すきま風)
- 放射:体から熱が光のように出ていく(冷えた壁や天井に向かって熱が逃げる)
体育館のような避難所では、硬くて冷たい床の上に直接横になることになりがちです。床は体よりずっと冷たいので、寝ている間ずっと熱が伝導で逃げ続けます。
これを防ぐ鍵が空気の層です。空気は熱を伝えにくいので、体と床の間に動かない空気の層をつくると、熱の逃げ道がぐっと細くなります。段ボールベッドや寝袋の中綿が暖かいのは、この空気の層のおかげなんですね。内閣府の避難所に関する取組指針(2024年12月改定)でも、床に長く横たわることによる健康面の懸念から、簡易ベッドの設置が望ましいとされています。
防災グッズのおすすめランキングより大切な基準

ここまでの話を、場面ごとの「弱点」と「必要な機能」に整理しました。ランキングで選ぶ前に、ご自宅の備えと見比べてみてください。
| 場面 | 基本セットの弱点 | 必要な機能 | 足したい道具 |
|---|---|---|---|
| 発災の瞬間 | 頭を守る道具がない、あっても取り出せない | 見える場所に置けて、すぐ被れる | すぐ被れる頭部保護具 |
| 停電が長引く | バッテリーを使い切ると充電できない | 電気を「つくれる」こと | ソーラーパネル |
| 備えの保管中 | 増えた充電式機器の置き場所が無防備 | 周囲への延焼リスクを抑えて保管 | 耐火収納バッグ |
| 避難生活の夜 | 床の冷えから体を守るものが少ない | 持ち出せる大きさで、空気の層をつくれる | コンパクトな寝袋 |
ポイントは、どの道具も「持っているだけ」では機能しないということです。頭部保護具はすぐ手が届く場所に、ソーラーパネルは使い方を一度試しておく、耐火バッグは保管の定位置を決める、寝袋は防災リュックに収まるか確かめる。備えは、使える状態にして初めて備えになります。
防災用品を一つずつ揃えるのが難しい方へ。HIHでは、福島の被災経験と防災士の視点をもとに考えた防災リュックを楽天市場で販売しています。
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あると便利な防災グッズおすすめ4選
ここからは、上の比較表の「必要な機能」を満たす例として、HIHの自社商品を4つご紹介します。どれも、基本セットだけでは手薄になりやすい場面を補う目的で、私たちがお届けしている商品です。
地震の防災グッズにおすすめのボウメット

発災の瞬間の弱点を埋めるのが、帽子型の簡易ヘルメット「ボウメット」です。
防災ヘルメットのよくある悩みは、「かさばるので押し入れにしまってしまう」「折りたたみ式は、慌てていると組み立てに手間取る」という2つです。ボウメットは見た目がキャップのような帽子型で、折りたたみや組み立てがいりません。玄関や寝室の枕元に出しておいても生活感が出にくいので、「すぐ手が届く場所に置き続けられる」ことが一番の強みです。本体は約160gと軽く、家族の人数分を並べて置いても邪魔になりにくいですね。
選ぶときの注意
ボウメットは帽子型の「簡易ヘルメット」で、国家検定に合格した保護帽とは位置づけが異なります。また頭囲に合うサイズの目安は中高生〜大人で、小さなお子さまには向きません。自転車用ヘルメットの代わりにもならないので、用途に合わせて使い分けてください。国家検定品の折りたたみ式と帽子型の違いは、オサメットとボウメットを比べた防災ヘルメットの比較記事で整理しています。
「しまい込んで結局使えない」を防ぎたい方は、帽子型ヘルメットのボウメットと、ボウメット付き防災セットの詳細をご覧ください。
防災グッズのバッテリーならソーラー付き

停電が長引く場面の弱点を埋めるのが、防災用ソーラーパネルです。
HIHのソーラーパネルは薄型で、防災リュックにすっと収まる形にしています。晴れた日中に広げて光に当てるだけで発電できるので、燃料も騒音もありません。発電機と違って排気が出ないので、避難所の近くでも周りに気を使わず扱いやすいのも利点です。
先ほどお話ししたとおり、ソーラーは「つくる」、モバイルバッテリーは「ためる」役割です。日中に発電した電気をバッテリーにため、夜はそのバッテリーでスマホやライトを使う。この組み合わせで、停電が何日か続いても、連絡手段と情報を保ちやすくなります。
ポイント
ソーラーパネルは、いざという時に初めて広げると、置く角度や日の当て方に迷いがちです。届いたら一度、晴れた日にベランダや庭で試してみてください。「どれくらいで充電が進むか」を体で覚えておくと、本番で落ち着いて使えます。
すでに防災セットを持っている方はパネルだけを追加することもできますし、これから揃える方はセットでまとめて準備することもできます。停電への備えを固めたい方は、ソーラーパネル単体とソーラーパネル付き防災セットのラインナップを確認してみてください。
防災グッズの電池は耐火バッグで保管

ソーラーやモバイルバッテリーで電源を増やしたら、次に考えたいのがその保管方法です。ここを埋めるのが「HIH耐火収納バッグ」です。
ガラス繊維布を含む多層構造で、国内の第三者検査機関でJIS L 1091 A-2法に基づく燃焼性試験を行い、区分3の評価を確認しています。モバイルバッテリーや充電式ラジオを入れておくことで、万一の発煙・発火のとき、周りの可燃物へ燃え広がるリスクを抑えることを目的にした保管用品です。薄型で底にマチがないので、引き出しや本棚、防災リュックの中にも収まります。
できないことも正直に
耐火収納バッグは、電池の発火そのものを防ぐ商品ではありません。あらゆる火災から中身を完全に守ることを保証するものでもありません。また、バッグに入れたままの充電はせず、充電するときは必ず取り出してください。膨らんだ電池など異常があるものは、入れる前に使用をやめましょう。
充電式機器が増えてきた方は、「置き場所を決める」ところから始めてみてください。モバイルバッテリーの保管に使えるHIH耐火収納バッグの仕様と使い方をまとめています。
防災グッズの寝袋は床の冷えで選ぶ

避難生活の夜の弱点を埋めるのが、「HIH コンパクトシュラフ」です。
キャンプ用の寝袋は暖かい反面、かさばって防災リュックに入らないことがよくあります。避難のときに荷物が増えすぎると、移動そのものが難しくなってしまいます。HIHのシュラフは防災リュックに収まるコンパクトさを優先して設計した防災専用の寝袋です。
春から秋はシュラフ単体で使い、冬は付属のアルミ寝袋を重ねて使う二重構造にしています。シュラフの中綿がつくる空気の層で伝導による冷えを和らげ、アルミの面で体から出ていく放射熱を内側へ返す。先ほどの防災理科の話が、そのまま形になっているイメージですね。避難所だけでなく、車中泊での備えにも使えます。
補足:寝袋の下にもひと工夫
寝袋だけでも冷えはかなり和らぎますが、床からの冷えは想像以上に強いものです。段ボールやマットを1枚下に敷くと、空気の層がもう一段増えて、さらに暖かく眠りやすくなります。
季節を問わず持ち出せる寝袋を探している方は、防災用コンパクトシュラフの特徴とセット内容をご覧ください。
あると便利な防災グッズで備えを仕上げる

あると便利な防災グッズは、数を増やすことが目的ではありません。基本の備えを土台にして、自分の家の弱点をひとつずつ埋めていくための道具です。
揺れの瞬間には、すぐ被れる頭部保護。停電が長引いたら、電気をつくるソーラー。増えた電池は、耐火バッグで安全に保管。避難先の夜は、床の冷えから体を守る寝袋。この4つの場面を思い浮かべて、今の備えで足りないところから足していけば十分です。
あの日を経験したからこそ思うのは、備えは「完璧になってから」ではなく「気づいたところから」でいい、ということです。ひとつ足すたびに、いざという時の迷いがひとつ減ります。その積み重ねが、大切な人を守る力になると私は信じています。
あなたの備えチェック
□ 水・食料・携帯トイレなど、基本の7つが揃っている
□ 家族の人数分の頭部保護具が、すぐ手の届く場所にある
□ 停電中でも電気を「つくる」手段を持っている
□ モバイルバッテリーや充電式機器の保管場所が決まっている
□ 避難先の床の冷えに備える寝具が、持ち出せる形で用意されている
数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
よくある質問
Q. あると便利な防災グッズは、何から揃えればいいですか?
A. まず水・食料・携帯トイレ・照明など基本の7つが揃っているかを確認してください。そのうえで、揺れ・停電・電池の保管・避難先の睡眠の4つの場面のうち、今の備えで対応できないところから足していくのがおすすめです。
Q. あると便利な防災グッズと、本当に必要な防災グッズの違いは何ですか?
A. 本当に必要な防災グッズは、数日間の命と健康を守る土台となる備えです。あると便利な防災グッズは、その土台では手薄になりやすい特定の場面を補うための道具です。揃える順番は、必ず土台が先になります。
Q. 防災セットを持っていても、あると便利な防災グッズは必要ですか?
A. 多くの防災セットは、数日を乗り切るための水や食料、照明などが中心です。発災の瞬間の頭部保護や、長引く停電、避難所の床の冷えへの備えは手薄になりやすいので、家族構成や住まいに合わせて足すことをおすすめします。
Q. 耐火バッグに入れておけば、モバイルバッテリーの発火は防げますか?
A. いいえ、耐火バッグは発火そのものを防ぐものではありません。万一発煙・発火したときに、周りへ燃え広がるリスクを抑えるための保管用品です。バッグに入れたまま充電せず、膨らみなど異常のある電池は使用をやめてください。
🛡️ 防災士監修記事
後藤 秀和(ごとう ひでかず)
防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役
2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得しHIH(Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。
