スーパーエルニーニョ2026|猛暑と備えを防災士が解説

スーパーエルニーニョ2026|猛暑と備えを防災士が解説
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
2026年に入ってから、ニュースやSNSで「スーパーエルニーニョ」という言葉を本当によく見かけるようになりましたね。「今年の夏は猛暑になるの?」「冷夏じゃないの?」「結局、自分の暮らしにどう関係するの?」——そんな疑問を持って、この記事にたどり着いた方が多いのではないかなと思います。
私自身、2011年3月11日に福島で東日本大震災を経験し、防災士として活動するなかで「正しい情報が、正しいタイミングで届くこと」がいかに大切かを痛感してきました。気象の話は、不安をあおる材料にもなりますが、本来は「先に備えるための材料」です。この記事では、2026年6月時点でわかっている最新情報を、公的機関の発表をもとに、できるだけ落ち着いてお伝えしていきますね。
スーパーエルニーニョとは、気象学の正式な専門用語ではなく、エルニーニョ現象のなかでも海面水温が平年より約2℃以上高くなる「非常に強い」事例を指す通称です。科学的に決まった数値の定義はなく、報道や気象予報士のあいだで慣習的に使われている呼び名です。
結論から言うと、2026年はスーパーエルニーニョ級になる可能性が指摘されており、しかも従来の「エルニーニョ=冷夏」の常識が当てはまらず、猛暑・大雨に警戒が必要な年になりそうです。エルニーニョそのものの基本的な仕組みについては、エルニーニョ現象とは?日本への5つの影響を防災士がわかりやすく解説の記事で詳しくまとめていますので、あわせて読んでみてください。この記事では「スーパー」という言葉に絞って、2026年の今、何が起きていて何に備えればいいのかを掘り下げます。
スーパーエルニーニョとは何か2026年最新情報

まずは「スーパーエルニーニョ」という言葉の正体と、2026年の現在地を整理しておきましょう。ここを押さえておくと、ニュースの見え方がぐっと変わってきます。
スーパーエルニーニョの意味と通常との違い

もう一度、定義からおさえます。スーパーエルニーニョとは、エルニーニョ現象のなかでも海面水温の上昇が特に大きい、規模の大きな事例を指す通称です。先ほども触れたとおり、これは気象庁やアメリカ海洋大気局(NOAA)、世界気象機関(WMO)が使う公式な分類名ではありません。
では、何をもって「スーパー」と呼んでいるのか。多くの場合、太平洋赤道域の海面水温が平年よりおおむね2℃以上高くなった状態を目安にしています。NOAAでいうところの「Very Strong El Niño(非常に強いエルニーニョ)」がこれに近く、メディアがわかりやすく言い換える形で「スーパーエルニーニョ」と呼んでいる、というのが実態に近いですね。
通常のエルニーニョとの違いを、ざっくり整理するとこうなります。
| 項目 | 通常のエルニーニョ | スーパーエルニーニョ(通称) |
|---|---|---|
| 海面水温の偏差の目安 | 平年より+0.5℃以上 | 平年より+2℃前後以上 |
| 影響の範囲 | 地域的な雨量変化が中心 | 世界規模の異常気象(テレコネクション) |
| 用語の位置づけ | 気象庁の定義あり | 正式定義なし・通称 |
| 発生頻度 | 2〜7年に一度程度 | 数十年に数回程度とされる |
ポイントは、「スーパー」かどうかは程度の問題であって、はっきりした境界線があるわけではないということ。だから報道によって「スーパーになる」「ならないかもしれない」と表現がぶれることがあります。これは情報が不正確なのではなく、もともと曖昧な言葉だからなんですね。ここを知っておくだけで、不安に振り回されにくくなります。
気象庁が2026年に発表した最新の見通し

では、公的機関は2026年についてどう言っているのか。ここがこの記事の一番大事なところです。
気象庁は2026年6月10日に発表したエルニーニョ監視速報(No.405)のなかで、「2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる」と表明しました。記録的な猛暑となった2023年以来、約3年ぶりの発生です。さらに、今後秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込みを100%としています。5月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値より+1.2℃高い値でした。
海外に目を向けると、アメリカのNOAAも北半球でエルニーニョが発生しているとし、2026年から27年の冬にかけてさらに強まる可能性が高い(冬まで続く可能性は96%)という見方を示しています。複数の機関が、そろって「発生はほぼ確実、しかも強まる方向」と見ているわけです。
気象庁の正式な定義では、監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上の状態が6か月以上続いた場合にエルニーニョ現象の発生と判断します。監視速報では速報性を重視して、「6か月以上続くと見込まれる場合」に発生と表現しています。最新の数値は(出典:気象庁『エルニーニョ監視速報』)で毎月確認できますので、気になる方はブックマークしておくと安心です。
過去のスーパーエルニーニョと発生の歴史

「数十年に数回」と言われても、ピンと来づらいですよね。過去に「スーパー級」とされた事例を並べてみます。なお、何回を「スーパー」と数えるかは出典によって差があるため、ここでは代表的に語られる事例を挙げます。
| 発生時期 | 位置づけ | 世界での主な影響 |
|---|---|---|
| 1972〜73年 | 大規模事例の一つ | 水産資源の不漁、穀物価格の高騰など |
| 1982〜83年 | 初めて世界的に注目 | 南米の豪雨・洪水、豪州などの干ばつとされる |
| 1997〜98年 | 20世紀最強とされる | 偏差が最大+2.8℃に達したとされ、広範囲に被害 |
| 2015〜16年 | 21世紀最強とされる | 南米の洪水、東南アジアの森林火災、サンゴ白化など |
| 2023〜24年 | 強いエルニーニョ | 世界の年平均気温が過去最高を更新 |
こうして並べると、1997〜98年と2015〜16年が特に大きな事例として語られることが多いとわかります。2026年がこれらに匹敵、あるいは超える規模になるのではないか、という予測が出ているからこそ、これだけ話題になっているわけですね。数値は調査や機関によってばらつきがあるため、あくまで「とされている」目安として受け取っていただければと思います。
なぜ今これほど話題になっているのか

2026年のスーパーエルニーニョがここまで注目される理由は、大きく3つあると私は見ています。
1つ目は、発生確率がほぼ確実なところまで上がったこと。「かもしれない」ではなく「発生しているとみられる」と気象庁が明言した重みは大きいです。
2つ目は、地球温暖化との組み合わせです。前回2023〜24年のエルニーニョでは、温暖化による気温の底上げが重なり、2024年・2023年の年平均気温偏差が観測史上最大を記録しました。つまり、同じ規模のエルニーニョでも、昔より「暑さの天井」が高くなっているんですね。
3つ目は、「冷夏になるはず」という常識が崩れていること。次の章で詳しく触れますが、本来エルニーニョの年は日本では冷夏傾向とされてきました。それが近年は当てはまらなくなってきた。この「予想とのズレ」が、多くの人の関心と不安を集めているのだと思います。
スーパーになるかは秋に判明する理由

ここで冷静にお伝えしておきたいのは、2026年が本当に「スーパー」級になるかどうかは、まだ確定していないということです。
NOAAの4月時点の予測では、海面水温が平年より2℃以上高くなる「非常に強い」エルニーニョになる確率は25%、1.5℃を超える「強い」エルニーニョ以上になる確率は約50%と見込まれていました。その後の報告では、強いまたは非常に強いレベルに達する確率が3分の2程度まで上がっています。確率は刻々と更新されていて、本当に非常に強い規模になるかどうかは、秋の始めごろに判明するとされています。
気をつけたいのは、「スーパーエルニーニョ=必ず大災害」ではない、という点です。現象が強くても、その影響が日本でどう出るかは別の話で、まだ不確実な部分が多くあります。煽る情報に飛びつくのではなく、公式の最新発表を淡々と確認する姿勢が、いちばん心を守ってくれます。これは震災を経験した私が、心からそう感じていることです。
スーパーエルニーニョの日本への影響と備え
ここからは、私たちの暮らしに直結する話です。2026年のスーパーエルニーニョは、日本にどんな影響をもたらしうるのか。そして、今日から何をしておけばいいのか。順番に見ていきましょう。
2026年の夏はどうなるのか猛暑の可能性

「エルニーニョの年は冷夏」——長くそう言われてきました。気象のメカニズムとしても、エルニーニョが発生すると西太平洋熱帯域の海面水温が下がって積乱雲の活動が不活発になり、日本付近では夏に太平洋高気圧の張り出しが弱まって気温が低めになる傾向があるとされています。これは気象庁も整理している、いわば教科書的な説明です。
ところが、2026年の夏は平年より気温が高くなる予想が出ています。気象予報士の解説でも、今回は単純に冷夏へ向かう気圧配置ではなさそうだ、と指摘されています。なぜこんなことが起きるのか。理由は「気候変動が自然変動を上書きしている」からだと考えられています。
少しだけ理科の話をさせてください。エルニーニョという自然のゆらぎが「気温を下げる方向」に働いても、その下げ幅より、地球温暖化による「底上げ」のほうが大きくなってきている。だから差し引きすると、結果的に暑くなる。海面水温が高いと大気中の水蒸気量も増えるので、集中豪雨や熱波がより激しくなりやすいという側面もあります。つまり2026年は、「エルニーニョだから涼しい」という油断がいちばん危ない年と言えそうです。
梅雨や豪雨災害で警戒したいこと

夏の暑さと並んで警戒したいのが、大雨です。過去のエルニーニョ発生年の梅雨は、記録的な大雨や遅い梅雨明けなど、天候不順になった年がありました。海面水温が高い状態は大気に大量の水蒸気を供給するため、線状降水帯のような激しい雨を降らせるエネルギー源になり得ます。
さらに2026年については、台風が日本に近づきやすい気圧配置になるのではないかという見方も出ています。海面水温の高い範囲が東へ広がると台風の発生地点も東寄りになり、長い時間をかけて発達した台風が太平洋高気圧の縁をなぞるように日本へ接近しやすくなる、とされています。あくまで予想の一つですが、夏から秋にかけては台風情報にもこまめに目を向けておきたいですね。
2018年の西日本豪雨のときも、私はテレビの前で言葉を失いました。あの濁流の映像は、福島で被災した自分にとって他人事には思えませんでした。だからこそ言いたいのは、豪雨災害は「来てから動く」では間に合わないということです。雨が降り始める前、できれば梅雨入り前の今のうちに、避難経路とハザードマップを家族で確認しておいてほしいんです。台風や豪雨に向けた具体的な持ち物は、台風の備え完全ガイド|今すぐ揃える7つの必需品と対策でまとめていますので、チェックリスト代わりに使ってください。
秋から冬にかけて続く影響と暖冬傾向

エルニーニョの影響は夏で終わりません。気象庁もNOAAも、2026年の秋から冬、そして2027年初めにかけて現象が続くと見ています。一回のエルニーニョは一般に9〜12か月続くとされ、今回も長丁場になりそうです。
気象のメカニズムとしては、エルニーニョの年の冬は西高東低の気圧配置が弱まり、全国的に暖冬傾向になりやすいとされています。「暖冬なら楽でいいな」と思うかもしれませんが、油断は禁物です。暖冬の年でも、一時的な寒波で局地的なドカ雪が降ることはありますし、暖冬と冷夏・猛暑がセットで議論されるエルニーニョの動向は、年をまたいで生活に影響します。ちなみに、エルニーニョと反対の現象であるラニーニャとの違いや、それぞれの季節の備えについては、ラニーニャ現象とは簡単に?仕組み・原因・日本への影響を防災士が解説で対比して解説していますので、合わせて読むと全体像がつかめます。
家庭で今すぐ見直したい防災の備え

では、具体的に何をすればいいのか。2026年のスーパーエルニーニョを見据えて、家庭で今すぐ見直したい備えを、5つのリスク別に整理しました。
| 想定リスク | 重点的に備えること | 具体的な行動 |
|---|---|---|
| 夏の猛暑・熱中症 | 室温管理と水分・塩分 | エアコンの試運転、経口補水液・塩分タブレットの常備 |
| 豪雨・台風 | 避難情報と持ち出し | ハザードマップ確認、非常持ち出し袋の点検 |
| 停電 | 電源と情報手段 | モバイルバッテリー充電、ポータブル電源、携帯ラジオ |
| 断水 | 水と衛生 | 飲料水のローリングストック、携帯トイレの数の確認 |
| 秋冬への持続 | 長期化への備え | 暖房器具の点検、季節をまたぐ備蓄の見直し |
特に2026年で意識したいのは、「猛暑」と「停電」が重なるリスクです。豪雨や台風で停電し、エアコンが止まったまま猛暑にさらされると、室内でも熱中症は命に関わります。防災士として300社以上の法人備蓄を支援し、また震災で停電の暗闇を経験した立場から言うと、「暑さ・寒さ対策」と「電源確保」はセットで考えるのが鉄則です。停電が長引いたときの具体的な過ごし方は、地震で停電の夜どうする?暗闇の恐怖を消す防災士の生存対策でもお伝えしています。
防災グッズをそろえることそのものが目的ではありません。備えがあると、いざというときに「落ち着いて判断する心の余裕」が生まれます。その余裕こそが、家族を守る行動につながる——これが私たちHIHの一番伝えたい考え方です。
まとめスーパーエルニーニョに備える防災行動
最後に、2026年のスーパーエルニーニョについて要点を整理します。
スーパーエルニーニョとは、海面水温が平年より約2℃以上高くなる規模の大きなエルニーニョの通称で、正式な定義はありません。気象庁は2026年春からのエルニーニョ発生を発表し、秋にかけて続く見込みを100%としています。スーパー級になるかは秋に判明予定で、まだ確率には幅があります。そして2026年は、温暖化の底上げにより「冷夏」の常識が当てはまらず、猛暑・豪雨に警戒すべき年になりそうです。
大切なのは、不安をあおられて立ちすくむことではなく、「正しく恐れて、淡々と備える」ことだと思います。スーパーエルニーニョという言葉に振り回されず、今日できる小さな備えから始めていきましょう。あなたとあなたの大切な人が、来る夏も冬も穏やかに過ごせることを願っています。
数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
よくある質問
Q. スーパーエルニーニョとは普通のエルニーニョと何が違うのですか?
A. スーパーエルニーニョは、海面水温が平年より約2℃以上高くなる規模の大きなエルニーニョを指す通称です。気象庁やNOAAの正式な分類名ではなく、影響が地域的にとどまる通常のエルニーニョに対し、世界規模の異常気象につながりやすい点が違いとされています。
Q. 2026年は本当にスーパーエルニーニョになるのですか?
A. 気象庁は2026年春からのエルニーニョ発生を発表し、秋にかけて続く見込みを100%としています。ただし「スーパー」級に達するかどうかは確率に幅があり、本当に非常に強い規模になるかは秋の始めごろに判明するとされています。
Q. スーパーエルニーニョの年は冷夏になりますか?
A. 従来エルニーニョの年は冷夏傾向とされてきましたが、2026年の夏は平年より高温の予想が出ています。地球温暖化による底上げが自然変動を上回るためと考えられ、近年は冷夏の常識が当てはまりにくくなっています。
Q. スーパーエルニーニョに備えて家庭で何をすればよいですか?
A. 猛暑・豪雨・停電・断水を想定した備えが有効です。エアコンの試運転と熱中症対策、ハザードマップと避難経路の確認、モバイルバッテリーや携帯トイレの点検を進めておきましょう。特に猛暑と停電が重なるリスクに注意が必要です。
過去のスーパーエルニーニョが教えてくれた備え
1997〜98年や2015〜16年のスーパーエルニーニョから私たちが学べることは、「知識と行動」が暮らしを左右するという事実です。
あなたの備えを今すぐ確認してください。
あなたの防災度チェック
- エアコンを試運転し、熱中症対策グッズを用意している
- ハザードマップで自宅周辺の浸水・土砂リスクを確認している
- モバイルバッテリーやポータブル電源で停電に備えている
- 持ち出し袋が玄関にすぐ持って出られる状態にある
- 家族全員で避難場所・連絡方法を確認している
スーパーエルニーニョの教訓は「備える準備は、異常気象が来る前に整える」ことを示しています。HIHの防災リュック・防災セットは、その「準備」をすぐ始められるように中身を整理しています。
👉 HIH防災リュック・セットを見る
→ https://bosai-hih.jp/[PRODUCT_PATH]/
🛡️ 防災士監修記事
後藤 秀和(ごとう ひでかず)
防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役
2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得しHIH(Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。





