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防災訓練の種類とやり方完全ガイド|家庭でできる3ステップ

防災訓練の種類とやり方を防災士が解説する完全ガイドのアイキャッチ

防災訓練の種類とやり方完全ガイド|家庭でできる3ステップ

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

「防災訓練って、正直めんどくさい」「参加しても意味あるの?」——そんな声、よく耳にします。実は内閣府の調査でも、防災訓練に参加したことがある人は約4割にとどまっています。でも、あの日を経験した私からすると、訓練の有無は本当に大きいんですね。

結論からお伝えすると、防災訓練の目的は「考えなくても体が動く状態」をつくることで、家庭でも今日から始められます。

【この記事でわかること】
・防災訓練とは何か、避難訓練との違い
・防災訓練の種類と法律上の義務
・家庭・自治会・会社それぞれの訓練のやり方
・マンネリを防ぐ訓練アイデア

目次

防災訓練とは?目的と内容の基礎知識

防災訓練で使う基本的な用品と避難経路図のイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

防災訓練とは、地震や火災などの災害を想定し、避難・消火・通報・救護などの行動を事前に練習しておく取り組みのことです。学校や会社の行事というイメージが強いかもしれませんが、本来は「災害時に命を守る行動を、体に覚えさせる」ための大切な機会なんですね。

防災訓練と避難訓練の違い

防災訓練の中に避難訓練が含まれる関係を表す概念図
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「防災訓練」と「避難訓練」、なんとなく同じ意味で使っていませんか?実は関係性としては、防災訓練が全体の大きな枠組みで、避難訓練はその中の一つという位置づけです。

防災訓練には、避難訓練のほかにも消火訓練・通報訓練・救出救護訓練・炊き出し訓練・安否確認訓練など、さまざまなメニューが含まれます。避難訓練は「安全な場所まで移動する練習」に特化したもの。つまり避難訓練だけやって満足していると、初期消火や通報、けが人の対応といった「避難以外の行動」が抜け落ちてしまうかなと思います。

防災訓練の種類と主な内容

消火・通報・救護など防災訓練の種類を表すアイコン
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

防災訓練は、大きく分けると次のような種類があります。

  • 避難訓練:安全な経路で避難場所まで移動する
  • 消火訓練:消火器や屋内消火栓の使い方を練習する
  • 通報訓練:119番通報の手順を確認する
  • 救出・救護訓練:応急手当やAEDの使い方を学ぶ
  • 安否確認訓練:家族や従業員の無事を確認する手順を試す
  • 体験型訓練:煙体験ハウス・起震車・シェイクアウト訓練など

これらを組み合わせて一連の流れで行うものは「総合訓練」と呼ばれます。地域の防災訓練では、消防署の協力による煙体験や起震車体験が組み込まれることも多いですね。

防災訓練は義務?法律上の位置づけ

消防法による防災訓練の義務を象徴する天秤と消火器
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「防災訓練って義務なの?」という疑問もよく聞かれます。答えは、建物や立場によっては法律上の義務になる、です。

消防法では、防火管理者を選任している建物は、消防計画に基づいて消火・通報・避難の訓練を実施することが求められています。特に飲食店・物販店・ホテル・病院・保育所など、不特定多数の人が出入りする「特定用途防火対象物」では、消火訓練と避難訓練を年2回以上実施することが義務付けられています。事務所や工場などの非特定用途でも、年1回以上を消防計画に定めて実施する運用が一般的です。

また国レベルでも、毎年度「総合防災訓練大綱」が定められ、9月1日の防災の日を中心に、国・自治体・地域が連携した訓練が全国で行われています(出典:内閣府『総合防災訓練大綱(防災情報のページ)』)。

訓練を実施した記録は一定期間の保管が求められる地域もあります(東京都では3年間)。法人の防災担当の方は、実施だけでなく記録まで含めて運用するのがポイントです。

訓練が形骸化しやすい理由

参加率が課題となっている防災訓練の会場イメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

内閣府の「防災に関する世論調査」(令和7年8月調査)によると、防災訓練に「参加したことがある」人は40.4%。一方で、訓練が行われていること自体を「知らなかった」人が14.5%おり、この割合は18〜29歳から40歳代の若い世代で高くなっています。

さらに、参加や見学をしたことがない理由の1位は「具体的な日時・場所、申し込み方法がわからないから」(38.3%・令和4年調査)。つまり、「意識が低いから参加しない」のではなく、「情報が届いていないから参加できない」という側面が大きいんですね。

そしてもう一つの問題が、参加しても「毎年同じ内容で緊張感がない」というマンネリ化です。決められた時間に、決められた経路を、みんなで歩くだけ。これでは「訓練のための訓練」になってしまいます。

体が覚えていないと動けない理由

正常性バイアスと訓練による行動の違いを表す図解
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

ここで少し「防災理科」の話をさせてください。人間には正常性バイアスという心理メカニズムが備わっています。危険が迫っている情報に接しても、「まだ大丈夫」「自分は関係ない」と、異常を正常の範囲内として処理してしまう傾向のことです。さらに、周囲が動かないと自分も動けなくなる同調性バイアスも働きます。災害時の逃げ遅れは、パニックよりもむしろこうした心理が原因になるケースが指摘されています。

2011年3月11日、私は福島市で被災しました。家族の安否を確かめようと車で自宅へ向かいましたが、普段10分の道が渋滞で40分。その途中、高架下で余震に遭ったときの、頭が真っ白になる感覚は今でも忘れられません。「いざとなれば冷静に動ける」は、幻想です。あの状況で頼れるのは、考えて出す答えではなく、体に染み込んだ行動だけなんですね。

訓練の本当の目的は、知識を増やすことではなく、「考えて動く」を「考えなくても動ける」に変えること。頭が働かなくなる前提で、体に手順を覚えさせておく。これが防災訓練の科学的な意味です。

防災訓練のやり方とアイデア実践編

ここからは、家庭・自治会・会社それぞれの訓練のやり方を具体的に見ていきます。まずは全体像を表で整理しますね。

実施場所主な内容頻度の目安ポイント
家庭避難経路確認・持ち出し袋を背負う・安否確認ルール年2回(防災の日・3月11日など)ゲーム感覚で子どもも巻き込む
自治会・マンション安否確認・避難誘導・炊き出し・資機材の点検年1回以上要支援者の把握と役割分担
会社消火・通報・避難・安否確認・帰宅困難対応特定用途は年2回以上(義務)マニュアルと訓練をセットで更新

家庭でできる防災訓練のやり方

家庭の防災訓練で確認する防災リュックの中身
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家庭の防災訓練は、特別な準備がなくても今日からできます。おすすめは次の3ステップです。

  1. シェイクアウト(安全確保):「地震!」の掛け声で、姿勢を低く・頭を守り・動かない。まずはこの基本動作を家族全員でやってみる
  2. 持ち出し袋を背負って歩く:防災リュックを実際に背負い、避難場所まで家族で歩いてみる。重すぎないか、夜道はどうかを体感する
  3. 連絡ルールの確認:災害用伝言ダイヤル(171)の体験利用や、集合場所の取り決めを話し合う

お子さんがいるご家庭なら、クイズ形式で防災知識を確認してから訓練に入ると、ぐっと楽しくなります。小学生向けの防災クイズ全15問も用意しているので、訓練前のウォーミングアップにぜひ使ってみてください。

防災用品を一つずつ揃えるのが難しい方へ。HIHでは、福島の被災経験と防災士の視点をもとに考えた防災リュックを楽天市場で販売しています。
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自治会・マンションの訓練内容

自治会の防災訓練で点検する防災倉庫と資機材
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

自治会や町内会、マンションの防災訓練では、「共助」の要素が加わります。主な内容は、安否確認訓練(黄色いタオルを玄関に出す方式など)、避難誘導、初期消火、炊き出し、防災資機材の点検あたりですね。

防災士として地域の訓練に関わる中で感じるのは、訓練は防災倉庫の点検と絶好のセットだということです。発電機は動くか、水や食料の期限は切れていないか。訓練の日にみんなで確認すれば、備蓄の穴も見つかります。倉庫に何を備えるべきかは自治会の防災倉庫の中身リストで詳しく解説しているので、訓練の企画と合わせて確認してみてください。

会社で行う防災訓練とマニュアル

会社の防災訓練とマニュアル整備を表すオフィス
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会社の防災訓練は、前述の通り法律上の義務が絡みます。特定用途の建物なら年2回以上の消火・避難訓練が必須ですし、事務所ビルでも消防計画に基づく訓練が求められます。

ただ、義務だから仕方なくやる訓練と、本気の訓練では、効果がまったく違うんですね。私はこれまで300社以上の法人備蓄をお手伝いしてきましたが、訓練が機能している会社に共通するのは、マニュアルと訓練を毎年セットで見直していることです。訓練でうまくいかなかった点をマニュアルに反映し、翌年また試す。このサイクルが回っている会社は、帰宅困難対応や安否確認もスムーズです。

マニュアルを作って満足してしまうのが一番危険です。書類上は完璧でも、従業員が消火器の場所を知らなければ意味がありません。「マニュアルは訓練で検証して初めて完成する」と考えてください。

マンネリを防ぐ防災訓練のアイデア

「毎年同じでつまらない」を打破するアイデアをいくつか紹介します。

  • 抜き打ち・時間変更型:日時を予告せず、または夜間・雨天に実施してみる
  • ブラインド型:「階段が使えない」「けが人発生」などの想定を当日発表する
  • ゲーム型:防災クイズ大会、避難所運営ゲーム(HUG)、まち歩きで危険箇所探し
  • 体験型:煙体験ハウス、起震車、非常食の試食会
  • 持ち出し袋レース:家族やチームで、制限時間内に必要なものを詰めて背負うタイムトライアル

ポイントは、「正解をなぞる訓練」から「考えて判断する訓練」へ少しずつ負荷を上げていくことかなと思います。想定外の条件を一つ混ぜるだけで、訓練の質は大きく変わります。

そしてもう一つ大事なのが、訓練後の振り返りです。「どこで迷ったか」「何が足りなかったか」を参加者で5分話し合うだけで、次の訓練と日頃の備えの両方が改善されます。訓練は「やって終わり」ではなく、課題を見つけるための道具なんですね。うまくいかない箇所が見つかったら、それは失敗ではなく収穫です。

まとめ:防災訓練を今日の備えに

防災訓練をきっかけに玄関に備えた防災リュック
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防災訓練とは、災害時に「考えなくても体が動く状態」をつくるための練習です。最後に要点を整理します。

  • 防災訓練は避難訓練を含む大きな枠組みで、消火・通報・救護なども含まれる
  • 特定用途の建物では年2回以上の消火・避難訓練が法律上の義務
  • 参加経験者は約4割。若い世代ほど訓練の情報が届いていない
  • 正常性バイアスがある以上、知識だけでは動けない。体で覚えることが本質
  • 家庭なら「安全確保→持ち出し袋を背負って歩く→連絡ルール確認」の3ステップから

訓練で持ち出し袋を実際に背負ってみると、「重すぎて歩けない」「中身が古い」といった課題が必ず見つかります。そのときは防災リュックの中身リストと選び方を参考に、家族構成に合わせて中身を見直してみてください。

また、企業の防災担当の方で「訓練はやっているが備蓄が手つかず」という場合は、帰宅困難対策も含めた法人向け防災セット・BCP備蓄の詳細を整理していますので、訓練の見直しと合わせてご覧ください。

災害は、訓練した通りにはやってきません。でも、訓練した人から順に、心の余裕を取り戻せます。まずは今度の週末、ご家族で「地震!」の掛け声から始めてみてくださいね。

数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

よくある質問

Q. 防災訓練と避難訓練の違いは何ですか?

A. 避難訓練は「安全な場所へ移動する練習」に特化した訓練で、防災訓練はそれを含む大きな枠組みです。防災訓練には消火・通報・救出救護・安否確認・炊き出しなど、避難以外のメニューも含まれます。

Q. 防災訓練は法律で義務付けられていますか?

A. 防火管理者を選任している建物では、消防計画に基づく訓練の実施が求められます。特に飲食店・病院・ホテルなど不特定多数が出入りする特定用途防火対象物では、消火訓練と避難訓練を年2回以上行うことが消防法上の義務です。

Q. 家庭でできる防災訓練には何がありますか?

A. 「地震!」の掛け声で身を守るシェイクアウト、防災リュックを背負って避難場所まで歩く訓練、災害用伝言ダイヤル(171)の体験利用などがあります。特別な道具がなくても、今日から始められます。

Q. 防災訓練がマンネリ化しない工夫はありますか?

A. 日時を予告しない抜き打ち型、当日に想定条件を発表するブラインド型、防災クイズや避難所運営ゲームなどのゲーム型が効果的です。想定外の条件を一つ混ぜるだけで、考えて判断する訓練に変わります。


🛡️ 防災士監修記事

後藤 秀和(ごとう ひでかず)

防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役

2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得し、防災ブランド HIH(エイチアイエイチ/Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。

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この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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