防災アプリおすすめ5タイプ|防災士が選び方を解説

防災アプリおすすめ5タイプ|防災士が選び方を解説
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
「防災アプリって、結局どれを入れればいいんだろう?」——スマホを開いてアプリストアで検索すると、無料のものから自治体公式まで山ほど出てきて、かえって手が止まってしまう。そんな経験、ありませんか。
私自身、2011年3月11日に福島で東日本大震災を経験しました。あのとき痛感したのは、情報がないと人はこんなにも不安になるのか、ということです。今はスマホひとつで地震速報も避難情報も手に入る、本当にいい時代になりました。ただ、たくさんあるアプリを前に「どれが自分に合うのか分からない」という声もよく聞きます。
この記事では、防災アプリの選び方を防災士の視点でタイプ別に整理し、後半では「アプリだけでは足りない部分」をどう補うかまでお話しします。最後まで読めば、あなたに必要なアプリと備えの全体像が見えてくるはずです。
この記事でわかること
- 防災アプリの5つのタイプと、自分に合う選び方
- 無料アプリでどこまで備えられるか、複数の組み合わせ方
- 停電や通信規制でアプリが使えなくなる理由と、現物の備えでの補い方
防災アプリのおすすめと選び方の基本

防災アプリとは、地震・気象・避難などの災害情報をスマホにプッシュ通知で届けたり、ハザードマップや安否確認の機能を提供したりするアプリのことです。テレビやラジオを見ていない時間帯でも、危険をいち早く知らせてくれるのが最大の役割です。
まず押さえておきたいのが、防災アプリは「ひとつで全部こなす万能ツール」ではない、ということです。実は役割ごとに得意分野が分かれていて、自分の暮らしに合うものを選ぶ・組み合わせるのが正解なんですね。ここでは選び方の土台になる考え方を整理していきます。
防災アプリとは何かと種類を知る

防災アプリと一口に言っても、中身はかなり違います。防災アプリは、大きく次の5つのタイプに分けられます。この5タイプを知っておくと、ぐっと選びやすくなります。
| タイプ | 主な役割 | こんな人に |
|---|---|---|
| 情報収集・速報型 | 地震・気象・避難情報をプッシュ通知で受け取る | まず1つ入れたい人 |
| ニュース・放送型 | ニュースと防災情報をまとめて確認、ライブカメラなど | テレビ代わりにしたい人 |
| 強震モニタ型 | 全国の観測点の揺れデータをリアルタイム表示 | 揺れをいち早く知りたい人 |
| 自治体型 | 住む地域の避難所・ハザード情報に密着 | 地域情報を重視する人 |
| 安否確認・家族共有型 | 家族の安否や位置を共有する | 離れて暮らす家族がいる人 |
「防災アプリ おすすめ」と検索すると、よく名前が挙がるのはYahoo!防災速報、特務機関NERV防災、NHK ニュース・防災などです。これらはいずれも情報収集・速報型やニュース型に当たります。どれが優れているという話ではなく、自分がどのタイプを必要としているかを先に決めるのが、遠回りに見えて一番の近道です。
無料アプリでどこまで備えられるか

「無料の防災アプリで本当に大丈夫?」とよく聞かれます。結論から言うと、個人の基本的な備えなら無料アプリで十分カバーできます。地震速報、気象警報、避難情報のプッシュ通知といった「命に直結する情報」は、主要な無料アプリでしっかり受け取れるからです。
有料・課金が必要になるのは、より高度な機能(広告非表示、詳細な強震モニタ表示、法人向けの安否確認システムなど)を求める場合が中心です。まずは無料アプリから始めて、必要を感じたら追加を検討する、で問題ありません。
大切なのは「無料か有料か」よりも、通知がきちんと届く設定になっているかです。せっかく入れても通知をオフにしていては意味がありません。この点は後ほど詳しくお話しします。
情報収集型と安否確認型の違い

選ぶときに混同しやすいのが、情報収集型と安否確認型です。この2つは目的がまったく違います。
情報収集型は「災害が来るぞ」「避難しろ」という外から自分への情報を受け取るもの。一方、安否確認型は「私は無事」「今ここにいる」という自分と家族をつなぐ情報をやり取りするものです。
東日本大震災のとき、私が一番不安だったのは家族の安否でした。情報収集型だけでは、この「家族とつながる」部分は埋められません。離れて暮らす家族や、通学・通勤で日中バラバラになる家庭なら、情報収集型に加えて安否確認の手段も用意しておくと安心感がまるで違います。
オフラインでも使えるかを確認する

意外と見落とされがちなのが、オフライン対応です。災害時は通信が不安定になりますから、「電波がなくても使える機能があるか」は重要なチェックポイントになります。
たとえば、ハザードマップや避難所の場所をあらかじめ端末に保存(ダウンロード)しておけるアプリなら、圏外でも自宅周辺の危険箇所を確認できます。リアルタイムの速報は通信が必要ですが、「事前にためておける情報」と「その場で取りに行く情報」を分けて考えると、アプリの使い分けがクリアになります。
複数入れる時の組み合わせ方

「防災アプリはどれがいい?」という質問には、私はいつも「1つに絞らず、役割で組み合わせましょう」とお答えしています。おすすめの基本セットはこんな形です。
① 速報型を1つ(地震・気象の通知用)
② 自治体型を1つ(住む地域の避難所・ハザード情報用)
③ 安否確認の手段を1つ(家族構成に応じて)
この3本柱があれば、「危険を知る」「逃げ先を知る」「家族とつながる」がひととおりそろいます。あれもこれもと入れすぎると通知が多すぎて結局見なくなる、という本末転倒も起きがちなので、まずはこの3つから始めるのがちょうどいいバランスです。
防災アプリを活かす備えと家族の対策

ここからは、アプリを「入れただけ」で終わらせないための話です。2011年3月11日、私は福島の事務所であの揺れを経験しました。停電で情報が断たれ、暗闇のなかで子どもの顔がはっきり見えないだけで、こんなにも心の余裕が失われるのかと痛感したのを今も覚えています。そのとき強く感じたのが——どんなに優れたアプリも、電気と電波がなければただの板になるということでした。
防災アプリを本当に活かすには、アプリそのものの設定と、アプリが使えなくなった時の備え、その両方が必要です。順に見ていきましょう。
通知設定を見直し本当に鳴らす

アプリを入れても、肝心の通知が鳴らなければ意味がありません。特に見落としがちなのが、スマホ本体側の「緊急速報」設定と、マナーモード中の鳴動設定です。
iPhoneなら「設定」アプリから緊急速報をオンに、Androidならメーカーやキャリアごとの設定を確認しておきましょう。機種変更やOSアップデートのあとに設定がリセットされることもあるので、定期的なチェックが安心です。具体的な手順は緊急地震速報の仕組みとスマホ設定を防災士が解説した記事でくわしくまとめていますので、あわせて確認してみてください。
アプリだけに頼る危うさを知る

ここが、この記事で一番お伝えしたい「防災理科」のパートです。なぜ災害時に防災アプリが使えなくなることがあるのか。仕組みを知っておくと、備えの優先順位が変わります。理由は大きく3つあります。
1つ目は、スマホ自身の電源切れ。停電すると当然スマホは充電できません。しかも不安な時ほどSNSや動画で情報を追いがちで、バッテリーは驚くほど早く減っていきます。
2つ目は、基地局の電源切れ。電波を飛ばす基地局にも非常用電源がありますが、その多くは24時間程度が目安です。総務省によると、東日本大震災の時点で24時間耐えられる基地局は全国で約1,000局でしたが、現在は震災対策が進み、役所周辺を中心におおよそ1万局まで増えているとされています。とはいえ、それ以外の地域では数時間から24時間程度で電波が止まる可能性も残っています。
3つ目は、輻輳(ふくそう)という通信の渋滞です。災害時はアクセスが一気に集中し、システムを守るために通信規制がかかります。総務省『平成23年版 情報通信白書』によると、東日本大震災では携帯各社の音声通信で最大70〜95%もの規制が実施されたとされています。つまり「つながらない」のは故障ではなく、設計上そうなる場面があるのです。
だからこそ、アプリと並行してモバイルバッテリー・乾電池式ラジオ・紙のハザードマップといった「電波に依存しない備え」を持っておくことが欠かせません。アプリは平時から発災直後の情報インプットに絶大な力を発揮しますが、その先を支えるのは現物の備えです。
ちなみに、防災情報の入手先として防災アプリを今後活用したいと答えた人は32.7%にのぼります(出典:内閣府『防災に関する世論調査(令和7年8月調査)』)。アプリへの期待はこれからも高まっていくでしょう。だからこそ、その限界もセットで知っておくことが、本当の意味での「使いこなし」だと私は思っています。
防災クイズで知識を試してみる
アプリで情報を受け取れる環境が整ったら、次は「自分の防災知識は本当に大丈夫か」を確かめてみてください。情報を受け取る力と、いざという時に正しく動ける知識は別物だからです。
知識のチェックには、大人向けの防災クイズ全15問がおすすめです。「自分は分かっているつもり」だったことが、意外と曖昧だったと気づくはずです。大人のほうが間違えやすい問題もあるので、ご家族と一緒に挑戦してみると盛り上がりますよ。アプリが情報の入り口だとすれば、クイズは知識の総点検。両方そろって初めて、いざという時に体が動きます。

備蓄量はツールで具体的に把握
「知識」の次は「モノ」です。アプリで避難情報を受け取れても、肝心の水や食料が足りなければ数日をしのげません。とはいえ「うちは何をどれだけ用意すればいいの?」というのは、意外と分かりにくいものです。
そんなときは、人数と日数を入れるだけで必要量が分かる防災備蓄の計算ツールを使ってみてください。水・食料・簡易トイレなどの目安が自動で出るので、「なんとなく」だった備蓄が具体的な数字に変わります。家庭だけでなく企業や自治会にも対応しているので、職場の備えの見直しにも役立ちます。

防災アプリと現物の備えをそろえる

ここまで、防災アプリのおすすめの選び方から、その限界、そして補い方までお話ししてきました。最後にお伝えしたいのは、防災アプリと現物の備えは、どちらか一方ではなく両輪だということです。
アプリは、危険を知らせ、逃げ先を教え、家族とつなげてくれる優秀な「情報の道具」です。でも、電気と電波が止まればその力は届きません。そこを支えるのが、モバイルバッテリーやラジオ、水や食料といった現物の備えです。情報の備えと物の備え、この2つがそろって初めて、あなたと大切な人の安心が形になります。
私がいつもお伝えしている防災の本質は、「道具より心の余裕」です。アプリで正しい情報を受け取り、クイズで知識を確かめ、ツールで備蓄を整える。その積み重ねが、いざという時にあなたを落ち着かせ、正しい判断へと導いてくれます。今日できることから、ひとつずつ始めていきましょう。
数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
防災アプリが教えてくれた備え
防災アプリの活用から私たちが学べることは、「情報を持つこと」と「行動できる備えを持つこと」は、両方そろって初めて命を守るという事実です。
あなたの備えを、今この場で確認してみてください。
あなたの防災度チェック
- 速報型・自治体型の防災アプリを入れ、通知設定をオンにしている
- 家族の安否を確認する手段を決めている
- モバイルバッテリーやラジオなど電波に頼らない備えがある
- 持ち出し袋が玄関にすぐ持って出られる状態にある
- 家族全員で避難場所・連絡方法を確認している
防災アプリは「逃げる準備の入り口」を教えてくれます。そして、その準備をすぐに形にできるのが、現物の防災リュック・防災セットです。HIHでは、被災した防災士の視点から本当に必要なものを整理しています。
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よくある質問
Q. 防災アプリは無料と有料どちらがおすすめですか?
個人の基本的な備えなら無料アプリで十分です。地震速報・気象警報・避難情報といった命に関わる通知は、主要な無料アプリでしっかり受け取れます。広告非表示や法人向けの安否確認など高度な機能が必要になったときに、有料を検討すれば十分です。
Q. 防災アプリは何個入れておけばいいですか?
役割の異なる3つを基本にすると過不足がありません。地震・気象を知らせる速報型、地域の避難所情報に強い自治体型、家族とつながる安否確認の手段の3本柱です。入れすぎると通知が多くなり結局見なくなるため、まずはこの3つから始めるのがおすすめです。
Q. 防災アプリがあれば防災グッズは要りませんか?
いいえ、両方必要です。アプリは情報を届ける道具ですが、停電や基地局の電源切れ、通信規制でつながらなくなる場面があります。モバイルバッテリー・ラジオ・水・食料など、電波に頼らない現物の備えと組み合わせて初めて、本当の意味で安心が形になります。
Q. 防災アプリの通知が鳴らないことがあるのはなぜですか?
スマホ本体側の緊急速報設定がオフになっていたり、マナーモード中の鳴動設定が無効になっていることが主な原因です。機種変更やOSアップデート後にリセットされることもあるため、半年に一度など定期的に設定を確認しておくと安心です。
🛡️ 防災士監修記事
後藤 秀和(ごとう ひでかず)
防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役
2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得しHIH(Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。





