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ハザードマップの見方・使い方を防災士が解説|一晩中鳴り続けた警報が教えてくれたこと

夜の住宅街で大雨により増水した河川を窓から見つめるハザードマップ解説用バナー画像
ハザードマップの見方・使い方を防災士が解説|一晩中鳴り続けた警報が教えてくれたこと

ハザードマップの見方・使い方を防災士が解説
――一晩中鳴り続けた警報が教えてくれたこと

後藤
防災士
後藤 秀和(ごとう ひでかず)
防災士資格保有 / 株式会社ヒカリネット 代表取締役
2011年東日本大震災を福島で経験。防災セット累計出荷20万セット以上。
「ハザードマップ」という言葉は知っている。でも、自分の家のページを開いたことはない――そういう方が、実はほとんどではないでしょうか。

令和元年台風19号(2019年10月)の夜、私の親戚が住む福島市内のアパート周辺が床上浸水しました。一晩中、携帯に防災警報が鳴り続け、生きた心地がしなかったことを今でも鮮明に覚えています。

「あの地域にそんなリスクがあるとは思っていなかった」。それが正直な気持ちでした。ハザードマップを事前に確認していれば、もっと早く動けたはずです。

防災士として、そして自分自身の体験をもとに、このページではハザードマップの正しい見方・使い方をわかりやすく解説します。最後には、あなたの地域のリスクをすぐ確認できるツールも設置していますので、ぜひ実際に使ってみてください。
目次

ハザードマップとは何か?知っているようで知らない本当の意味

「見たことある」と「使える」は別物

ハザードマップとは、自然災害が発生した場合に予想される被害の範囲や程度を地図上に示したものです。国土交通省や各市区町村が作成・公開しており、誰でも無料で確認できます。

ところが「見たことはあるけど、自分の家がどのゾーンにあるかは確認していない」という方が非常に多いのが実情です。ハザードマップは「存在を知っている」だけでは意味がありません。自分の住む地域の具体的なリスクを把握して、はじめて役立つものです。

台風19号のとき、私が強く感じたのもまさにこの点でした。身近な場所で実際に浸水被害が起きて初めて「ちゃんと確認しておけばよかった」と思うのでは遅すぎます。

ハザードマップで確認できる4つのリスク

ハザードマップには主に以下の4種類のリスクが示されています。

洪水リスク

河川の氾濫・堤防の決壊による浸水の深さと範囲を示す。台風・大雨で最も発生頻度が高い。

土砂災害リスク

急傾斜地の崩壊・土石流・地すべりの危険区域を示す。山や丘の近くに住む方は必須確認。

高潮リスク

台風による海面上昇で沿岸部が浸水する危険区域を示す。海抜が低い地域では特に重要。

津波リスク

地震による津波の到達高さと浸水範囲を示す。太平洋沿岸・日本海沿岸ともに要確認。

この4つのうち、あなたの地域でどのリスクが高いかを把握することが備えの第一歩です。

令和元年台風19号の夜、福島で何が起きたか

一晩中鳴り響いた警報

2019年10月12日夜、台風19号が東北に上陸しました。その夜、私の携帯は何度も何度も緊急アラートで鳴り続けました。「大雨特別警報」「避難指示」「土砂災害警戒情報」――画面を見るたびに新しい警報が届く。一晩中、眠れませんでした。

「生きた心地がしない」というのは、大げさな表現ではありません。窓の外の雨音と、鳴り止まない警報音の中で、「これは本当にまずいかもしれない」という恐怖が体中を覆っていました。

親戚のアパート周辺が床上浸水した現実

翌朝、親戚から連絡が入りました。「アパートの周辺が水没した。1階の部屋が床上浸水している」と。

令和元年台風19号では、福島県内で床上浸水が8,000棟以上に及び、阿武隈川をはじめ複数の河川で堤防が決壊しました。親戚のいた地域も、その被害エリアのひとつでした。

幸い、親戚は高台への避難が間に合い、命に別状はありませんでした。しかし部屋の家財の多くが水に浸かり、後片付けには何週間もかかりました。

「あの地域にそんなリスクがあるとは思っていなかった」

被害が落ち着いた後、あらためてその地域のハザードマップを確認しました。地図には明確に「洪水浸水想定区域」として色が塗られており、浸水深は「0.5〜3m」の区域にあたっていました。

情報は存在していた。でも誰も確認していなかった。

これが現実です。ハザードマップは役所に行かなくてもスマートフォンで確認できる時代になっています。知っているか知らないかだけで、取れる行動は大きく変わります。

📌 防災士・後藤からの一言
  • 「うちは大丈夫」という根拠のない安心感が、一番危険です
  • ハザードマップは「怖いから見たくない」ではなく「知っているから動ける」ためのツールです
  • 家族全員が自分の地域のリスクを知っておくことが、最初の備えです

📍 あなたの地域のハザードを今すぐ確認する

GPS取得または郵便番号入力で、洪水・土砂・高潮・津波のリスクを地図上で確認できます。

※ 位置情報の取得にはブラウザの許可が必要です。取得した位置情報はサーバーに送信されません。

ハザードマップの正しい見方|4つのリスク別に解説

洪水リスク:色の意味と浸水深の読み方

洪水ハザードマップで最も重要なのは色による浸水深の表示です。薄い色ほど浸水が浅く、濃い色ほど深くなります。

洪水浸水想定区域の色の見方(一般的な表示)
0〜0.5m未満
膝下程度。歩行困難になる場合あり
0.5〜1m未満
床上浸水。1階の家財が水没するレベル
1〜3m未満
1階全体が浸水。2階への避難が必要
3〜5m未満
2階まで浸水。水平避難(近くの高台)が必須
5m以上
建物ごと流される危険。早急な広域避難が必要

台風19号で親戚の地域が該当した「0.5〜3m」の浸水深は、1階の家財がすべて水没し、場合によっては2階まで水が上がるレベルです。「少し水が入る程度」ではありません。この色が自分の家に当たっていた場合は、避難を最優先で考える必要があります。

土砂災害リスク:警戒区域と特別警戒区域の違い

土砂災害ハザードマップには、2種類の危険区域が設定されています。この違いを正しく理解することが重要です。

⚠ 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)

土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域。早めの避難が推奨される。

🚨 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)

建築物に損壊が生じ、住民の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域。建物ごと流される危険があり、在宅避難は不可

レッドゾーンに自宅が入っている場合、「家にいれば安心」という判断は命取りになります。必ず早めの避難を判断してください。

高潮・津波リスク:沿岸部の人が必ず確認すること

高潮と津波は、どちらも海からの水による災害ですが、発生原因が異なります。

種類 発生原因 特徴
高潮 台風・低気圧による気圧低下・風 台風接近とともに数時間かけて上昇。予測が比較的しやすい
津波 海底地震・海底地すべり 地震発生から数分〜数十分で到達。速度が非常に速い

沿岸部や河川の下流域に住んでいる方は、洪水ハザードマップに加えて高潮・津波のハザードマップも必ず確認してください。海抜(標高)の低い地域は複数のリスクが重なることがあります。

ハザードマップを確認した後に必ずやるべきこと

リスクに合わせた備えの選び方

ハザードマップで自分の地域のリスクがわかったら、次のステップはそのリスクに対応した備えを整えることです。リスクの種類によって、優先すべき備えが異なります。

あなたの地域のリスク 特に優先すべき備え
洪水(浸水1m以上) 防水対策・早めの避難判断・2〜3日分の水と食料・防災リュックの事前準備
土砂災害(レッドゾーン) いち早い避難が最優先。夜間就寝中でも動けるよう寝室にリュックを常備
高潮・津波 垂直避難ルートの確認・すぐ持ち出せる防災袋・ラジオ(電波が届かない場合に備え)
複数リスクが重なる地域 避難先・避難ルートを複数確保。家族で事前に話し合いをしておくことが最も重要

「何を買えばいい?」と迷ったとき、ハザードマップで確認したリスクを基準に考えると判断が整理されます。

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まとめ:ハザードマップは「見るもの」ではなく「使うもの」

  • ハザードマップは洪水・土砂・高潮・津波の4つのリスクを確認できる
  • 令和元年台風19号では、福島県で8,000棟以上が床上浸水。事前の確認が避難判断を左右した
  • 洪水は色の濃さで浸水深を確認。0.5m以上は家財が水没するレベル
  • 土砂災害はイエロー・レッドの2段階。レッドゾーンは在宅避難不可
  • 確認したリスクに合わせて、備えの優先順位を決める
  • まず自分の地域を確認することが、すべての防災行動の出発点

※ 本記事のハザード情報は国土交通省・国土地理院の公開データに基づいています。最新・詳細情報はハザードマップポータルサイト(国土地理院)でご確認ください。
※ 浸水深の色表示は市区町村によって異なる場合があります。

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この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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