印旛沼の決壊はなぜ起きた?水が引かない3つの理由

印旛沼の決壊はなぜ起きた?水が引かない3つの理由
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
2026年9月22日、台風25号の記録的な大雨で、千葉県北部の印旛沼(いんばぬま)の堤防が決壊しました。水資源機構が1968年に印旛沼の管理を始めてから、堤防が決壊したのは今回が初めてと報じられています。被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
2011年3月11日、私は福島で東日本大震災を経験しました。あの日を経験したからこそ、災害は「起きた瞬間」だけで終わらず、そのあとに続く暮らしのほうがずっと長く、重いものだと感じています。今回の印旛沼の決壊は、まさに「水が何日も引かない」「そのあとが長い」タイプの水害です。
印旛沼の決壊は、観測史上最高の水位と、低い干拓地という地形が重なって起きた「浸水が長引く水害」で、早めの避難と長期戦の備えが最大の教訓です。
この記事でわかること
- 印旛沼は今どうなっているのか(2026年9月29日時点)
- 印旛沼の堤防はなぜ決壊したのか(わかっていること・調査中のこと)
- 印旛沼の水がなかなか引かない3つの理由
- 田沼意次の時代から続く、印旛沼と水害の歴史
- 沼や湖のそばに住む人が今日から見直したい備え
印旛沼の決壊で何が起きたのか原因と仕組み
印旛沼とは、千葉県北部にある利根川水系の浅い沼で、戦後の干拓で北印旛沼と西印旛沼に分かれ、洪水の調節や水道・農業用水の水源として使われている湖沼です。
まずは印旛沼の基本データを整理しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 千葉県北部(成田市・佐倉市・印西市・八千代市・栄町) |
| 面積 | 約11.55km²(北印旛沼 約6.26km²/西印旛沼 約5.29km²) |
| 水深 | 平均約1.7m、最も深いところで約2.5mとされています |
| 流域面積 | 約494km²。千葉県の面積のおよそ1割にあたり、県内で最大です |
| 管理 | 水資源機構(1968年に管理開始)。堤防の一部は千葉県が管理 |
印旛沼の今の状況と被害のまとめ

これまでに報道や行政から発表されている内容をまとめます。状況は日々変わるため、最新の情報は千葉県やお住まいの市町の発表を必ず確認してください。
| 項目 | 内容(2026年9月29日時点) |
|---|---|
| 原因となった気象 | 台風25号に伴う記録的な大雨。流域では総雨量300ミリを超えたとされています |
| 決壊の確認 | 9月22日早朝。北印旛沼の堤防(成田市船形干拓)が約100mにわたって決壊し、沼に流れ込む農業排水路・角川(成田市下方)の堤防も一部決壊。その後、決壊箇所は3地区4カ所と報じられています |
| 水位 | 22日午前4時30分、佐倉市の水位計で基準点から5.04m。1968年の管理開始以来の最高 |
| 浸水被害 | 北印旛沼と長門川の周辺(成田市・栄町など)で田んぼ・道路・住宅が浸水。沼に流れ込む高崎川が氾濫した佐倉市では約300棟が床上浸水 |
| 避難 | 決壊当日、周辺の避難所に90〜100人近くが避難 |
| 農業・漁業 | 収穫前の稲、ウナギやコイの養殖などに大きな被害 |
| 復旧 | 国・千葉県・水資源機構による「チーム印旛沼」が排水と堤防の応急復旧を進め、9月28日から決壊箇所に石や土砂を入れて仮の堤防を作る工事が始まっています |
国土交通省は排水ポンプを最大限動かして沼の水位を下げ、あわせて浸水した地域に派遣する排水ポンプ車を増やす方針を示しています。一方で、決壊から1週間たっても、住宅や田んぼ、道路の一部では水が残り、片付けが続いている様子が伝えられています(出典:国土交通省関東地方整備局『台風第25号の接近に伴う体制』)。
次の雨にも十分注意してください
仮の堤防は、本来の堤防より弱いことが多く、周辺の土地もまだ水を含んでいます。9月29日時点で、今週後半には台風26号の接近が見込まれると報じられています。印旛沼の周辺では、いつもより早めの避難を心がけてください。
観測史上最高の水位と決壊した場所

決壊の直接のきっかけは、台風25号の大雨で沼に大量の水が流れ込み、水位が一気に上がったことです。
印旛沼には、鹿島川や高崎川など周りの台地から多くの川が流れ込んでいます。流域の面積は千葉県のおよそ1割。つまり、千葉県の1割ほどの範囲に降った雨が、最終的に1つの沼に集まってくる仕組みです。佐倉市で高崎川が氾濫したのも、沼の水位が高く、川の水が沼に流れ込みにくくなっていたことが影響したと考えられています。
その結果、印旛沼の水位は22日未明に5.04mに達しました。国土交通大臣の会見では、平常時の水位はおよそ2.3mとされています。平常時の2倍を超える高さまで水位が上がり、同じ日の早朝に堤防の決壊が確認されました。
水資源機構の担当者は「計画の想定を超える雨量だった」と説明しています。沼の水をポンプで外へ出す能力を、流れ込む水の量が上回ってしまったということです。
越水と浸透破堤という堤防が壊れる仕組み

ここからは「防災理科」の視点で、堤防がどうやって壊れるのかを見ていきます。
日本の堤防の多くは、土を盛り固めて作られています。土の堤防が壊れる仕組みは、大きく分けて次の3つです。実際の決壊では、これらが重なって起きることも多いとされています。
| 仕組み | 何が起きるか | 見た目の特徴 |
|---|---|---|
| 越水(えっすい) | 水が堤防の上を越えて流れ、外側(住宅側)の斜面を削って崩す | 堤防の上を水が流れる |
| 浸透(しんとう) | 高い水位が長く続き、堤防の中や下に水がしみ込んで、内側から弱くなって崩れる | 堤防の外側から水がにじみ出る |
| 侵食・洗掘(せんくつ) | 強い流れが、水側の斜面や足元を削り取る | 流れの速い川で起きやすい |
今回の印旛沼については、山梨大学の河川工学の専門家が報道機関とともに現地を調べ、上空からは大きく水が乗り越えた跡が見られないことや、堤防から水がにじみ出た跡が複数あることから、堤防に水がしみ込んで崩れる「浸透破堤(しんとうはてい)」の可能性を指摘しています。
浸透破堤の仕組みを、もう少し詳しく説明します。沼の水位が高い状態が何時間も続くと、その水圧で土の粒と粒のすき間に水が押し込まれていきます。やがて堤防の中に細い「水の通り道」ができ、流れ出る水が土の粒を少しずつ運び出します。通り道はだんだん太くなり、最後は堤防が支えきれずに崩れてしまいます。この現象は「パイピング」とも呼ばれます。
過去の堤防決壊の多くは越水によるもので、浸透による決壊は珍しいとされています。もし浸透が原因なら、「水が堤防を越えていないから大丈夫」とは言えないことになります。私たち住民にとって、とても大事なポイントです。
原因はまだ確定していません
ここで紹介したのは、報道で示された専門家の見立てです。正式な原因は、今後の国や県の調査で明らかになります。
越水・決壊・溢水といった言葉の違いは、内水氾濫と外水氾濫の違いと越水・決壊の意味で詳しく解説しています。
印旛沼の水が引かない理由は干拓地

今回、多くの方が驚いたのは「何日たっても水が引かない」ことだと思います。これには印旛沼ならではの理由があり、大きく3つに整理できます。
印旛沼の水が引かない3つの理由
- 周りの田んぼは、もともと沼の底だった:干拓でできた低い土地なので、あふれた水がたまりやすい
- 水は自然には流れ出ず、ポンプで出している:排水できる量に限りがある
- 出口の利根川も増水していた:沼の水を思うように流せない
理由1:周りの田んぼは、もともと沼の底だった
昭和30年代までの印旛沼は、面積が約25.8km²もあるW字型の大きな沼でした。1969年に完成した干拓事業で中央部が田んぼに変わり、沼の面積は約半分になりました。つまり、周りの土地の多くは「かつての沼の底」を堤防で囲って陸地にした場所です。一度堤防が切れると、水は低い土地に流れ込み、そこにたまってしまいます。
理由2:水は自然には流れ出ず、ポンプで出している
印旛沼の水は、北側の利根川と、南側の東京湾(印旛放水路を通じて)の2方向に出ていきます。大雨のときは、どちらも排水機場(ポンプ場)で水をくみ出す仕組みです。ポンプの能力には上限があるため、流れ込む量が上回ると水位は下がりません。
理由3:出口の利根川も増水していた
大雨のときは、出口にあたる利根川の水位も上がっています。沼の水を川へ出したくても、行き先の水位が高ければ思うように流せません。沼の水位を下げ、決壊箇所をふさぎ、さらに浸水した土地の水をくみ出す。この順番でしか水は減らないため、どうしても時間がかかるのです。
川の氾濫と沼・湖の氾濫の違いを、表にまとめました。
| 比べる点 | 川の氾濫 | 沼・湖の氾濫 |
|---|---|---|
| 水の流れ | 勢いよく流れ込み、家が流されることもある | 比較的ゆっくり広がる |
| 水が引くまで | 川の水位が下がれば、比較的早く引くことが多い | 低い土地にたまり、数日〜長期間引かないことがある |
| 被害の特徴 | 建物の倒壊・流失 | 長期間の浸水、停電・断水、孤立、農業被害 |
| 備えのポイント | 早めの立ち退き避難 | 早めの避難+長引く避難生活への備え |
低い土地に水がたまって長く引かなかった例としては、1959年の伊勢湾台風もよく知られています。伊勢湾台風の被害が大きかった理由と高潮・地形の教訓もあわせてご覧ください。
田沼意次の干拓はなぜ完成しなかったか

印旛沼の周りは、昔から水害と向き合ってきた地域です。今回の決壊を理解するうえで、この歴史は欠かせません。
江戸時代の初め、幕府は江戸を水害から守るため、利根川の流れを東の銚子方面へ移す「利根川東遷(とねがわとうせん)」という大工事を行いました。その結果、印旛沼は利根川の下流とつながる形になり、利根川が増水すると水が沼へ逆流して、周りの村が水につかるようになりました。
そこで、沼の水を江戸湾(今の東京湾)へ流す水路を掘り、同時に新しい田んぼを開く計画が何度も立てられました。代表的なものが次の3つです。
| 時期 | 中心となった人物 | その後 |
|---|---|---|
| 享保期(1724年ごろ) | 平戸村の名主・染谷源右衛門 | 資金が続かず中断 |
| 天明期(1782年〜) | 老中・田沼意次 | 工事の3分の2ほどまで進んだとされるが、1786年の大洪水で施設が大きな被害を受け、田沼が老中を退いたことで中止 |
| 天保期(1843年) | 老中・水野忠邦 | 水野が老中を退いたことで中止 |
特に知られているのが、田沼意次の工事です。1783年の浅間山の大噴火で大量の火山灰や土砂が川に流れ込み、その後の利根川では洪水が起きやすくなったとされています。そして1786年7月の大洪水で、せっかく掘った水路や逆流を防ぐ設備が大きな被害を受けました。
「印旛沼の干拓はなぜ完成しなかったのか」を一言でいえば、利根川の洪水という自然の力に、当時の技術では太刀打ちできなかったということだと思います。
本格的に形になったのは戦後です。1946年に国の干拓事業が始まり、1963年に水資源開発公団(今の水資源機構)へ引き継がれ、1969年に印旛沼開発事業が完成しました。沼は北印旛沼と西印旛沼に分かれ、印旛捷水路(しょうすいろ)という水路で結ばれる今の形になり、洪水の被害は大きく減りました。
江戸時代から数えれば、印旛沼の治水には300年近い歴史があります。1968年の管理開始から今回まで、堤防は一度も決壊していなかったとされています。だからこそ、多くの住民にとって「沼の堤防が切れる」のは想定外だったはずです。実際に、防災無線があまり聞こえなかったという住民の声も報じられています。
長く大きな災害がなかった場所ほど、「うちは大丈夫」という思い込みが生まれやすくなります。これは印旛沼に限らず、全国の沼や湖、ため池の近くに住むすべての人に言えることです。
印旛沼の決壊から学ぶ沼のそばの備え
ここからは、今回の印旛沼の決壊から、沼や湖のそばで暮らす人が今日から見直したい備えを整理します。印旛沼の周辺だけでなく、干拓地や埋め立て地、ため池の近くにお住まいの方にも共通する内容です。
印旛沼の水位と避難情報の確認方法

印旛沼の周辺にお住まいの方や、通勤・通学で近くを通る方は、次の情報をスマホのブックマークに入れておくと安心です。
- 国土交通省「川の防災情報」:全国の河川や湖沼の水位、ライブカメラの映像を確認できます
- 千葉県防災ポータル・ちば防災メール:県内の避難情報や気象情報がまとめて届きます
- お住まいの市町のホームページ・防災アプリ:避難指示や避難所の開設情報が最も早く出ます
- 気象庁「キキクル(危険度分布)」:洪水や浸水の危険度を地図で確認できます
水位を見るときは、今の数字だけでなく、「氾濫危険水位」などの基準にどれくらい近づいているか、そして上がり続けているかどうかを確認するのがポイントです。
防災無線は「聞こえないもの」と考える
大雨のときは、雨音や窓を閉めていることで、屋外の防災無線はほとんど聞こえません。スマホの防災アプリ、緊急速報メール、テレビのデータ放送など、情報を受け取る手段を必ず2つ以上用意しておきましょう。
ハザードマップで浸水継続時間を見る

ハザードマップでは、浸水の深さだけでなく、「浸水継続時間」(水が引くまでのおおよその時間)が示されていることがあります。沼や湖、干拓地の周りでは、この時間が長くなりやすいのが特徴です。
確認するときは、次の3点をセットで見てください。
- 自宅や職場は浸水想定区域に入っているか
- 想定される浸水の深さは、1階の床より上か
- 浸水継続時間は、何時間・何日と想定されているか
ただし、ハザードマップは「ここまでなら安全」という線ではありません。今年8月の千葉県の豪雨でも、想定区域の外で浸水した住宅が多くありました。詳しくは令和8年8月千葉豪雨と想定区域外の浸水の教訓で解説しています。
早めの避難と長く戻れない前提の準備

沼の氾濫は、川の氾濫に比べて水の広がり方がゆっくりなこともあり、「まだ大丈夫」と判断してしまいがちです。しかし、周りの道路が冠水すると車での避難はできなくなり、家に取り残されるおそれがあります。
避難するときは、数日〜1週間以上、自宅に戻れないことを前提に持ち物を考えておきましょう。着替え、常備薬、スマホの充電手段、現金、身分証のコピーなどは、ふだんから1つのリュックにまとめておくと、いざというときに迷わずに済みます。
車・農機・大事な書類は高い場所へ
今回の決壊では、コンバインや車など高額な機械が水につかる被害が相次ぎました。大雨の予報が出たら、次のような対策が有効です。
- 車や農機は、浸水想定区域の外や高台に早めに移しておく
- 通帳・保険証券・権利書などの大事な書類は、2階以上や防水の袋にまとめておく
- 家の中や外の様子をふだんのうちに写真で残しておく(被害を受けたときの比較や保険の請求に役立ちます)
持ち出し用の備えがまだの方は、このタイミングで一度見直してみてください。
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停電と断水が続く前提の備蓄

今回、水が引いた地域でも停電や断水が続き、片付けに苦労している様子が伝えられています。浸水が長引く地域では、電気や水道の復旧にも時間がかかります。自宅で過ごすための備蓄は、次のものを目安にしてください。
- 飲料水:1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分
- 食料:火や水を使わずに食べられるもの
- 明かりと電源:LEDライト、モバイルバッテリー、できればポータブル電源やソーラー充電器
- トイレ:携帯トイレ(断水すると水洗トイレが使えません)
- 衛生用品:ウェットティッシュ、消毒液、マスク、ゴム手袋
避難のときに持ち出すものと、自宅で過ごすための備蓄は、分けて考えると準備しやすくなります。
水が引いたあとの片付けは記録と安全から
- 片付けを始める前に、被害の様子を写真で記録する(罹災証明の申請に使います)
- 長靴・ゴム手袋・マスクを着け、泥や汚れた水に素手で触れない
- 水につかった電気製品は、乾いたように見えても電源を入れない(漏電や火災のおそれ)
- 一人で抱え込まず、自治体や災害ボランティアセンターの支援を頼る
停電が何日も続くと、スマホの充電や夜の明かりが一番の困りごとになります。電気が来なくても自分で電気をつくれる備えとして、ソーラーパネル付き防災セットの詳細も参考にしてみてください。
印旛沼の決壊の教訓と今日の備えのまとめ

- 2026年9月22日、台風25号の大雨で北印旛沼の堤防などが決壊。1968年の管理開始以来、初めての決壊とされています
- 水位は観測史上最高の5.04m。決壊の仕組みは調査中で、浸透破堤の可能性も指摘されています
- 周りが干拓でできた低い土地で、排水もポンプ頼みのため、水がなかなか引きません
- 印旛沼は江戸時代から水害と向き合ってきた場所で、田沼意次の工事も洪水で完成に至りませんでした
- 沼や湖のそばでは「早めの避難」と「長引く避難生活への備え」をセットで考えることが大切です
印旛沼の決壊は、「長く災害がなかった場所」でも堤防は切れることがあり、切れたあとの暮らしが長く続くことを教えてくれました。全国には、印旛沼のように干拓や埋め立てでできた低い土地がたくさんあります。
「うちは大丈夫」と思わずに、今日ハザードマップを開いて、ご家族と「うちの場合はどうするか」を一度話し合ってみてください。その小さな一歩が、大切な人を守る備えになります。
よくある質問
Q. 印旛沼の決壊は今回が初めてですか?
A. 報道によると、水資源機構が1968年に印旛沼の管理を始めてから、堤防が決壊したのは今回が初めてとされています。1969年に印旛沼開発事業が完成して以降、洪水の被害は大きく減っていました。
Q. 印旛沼の堤防はなぜ決壊したのですか?
A. 台風25号の記録的な大雨で、水位が管理開始以来最高の5.04mまで上がったことが直接のきっかけです。堤防が壊れた仕組みは調査中ですが、専門家からは堤防に水がしみ込んで崩れる「浸透破堤」の可能性が指摘されています。
Q. 印旛沼の決壊で水がなかなか引かないのはなぜですか?
A. 周りの土地の多くが干拓でできた低い土地で、あふれた水がたまりやすいためです。さらに沼の水はポンプで排水する仕組みで、出口の利根川も増水していたため、水を減らすのに時間がかかっています。
Q. 印旛沼の決壊と田沼意次の干拓には関係がありますか?
A. 直接の関係はありませんが、どちらも利根川の洪水と印旛沼の水をどう治めるかという同じ課題につながっています。田沼意次の工事は1786年の大洪水で大きな被害を受け、完成に至りませんでした。現在の沼の形は1969年に完成した戦後の開発事業によるものです。
Q. 印旛沼の決壊を受けて、沼の近くに住む人は何を備えればよいですか?
A. まずハザードマップで浸水の深さと浸水継続時間を確認し、国土交通省の「川の防災情報」などで水位を確認できるようにしておきましょう。そのうえで、早めに避難することと、数日以上戻れない前提の持ち出し品や、停電・断水に備えた備蓄をそろえておくことが大切です。
数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
本記事は、2026年9月29日時点の報道や国・県・水資源機構の公表情報をもとに作成しています。被害の数値や決壊の原因は、今後の調査で変わることがあります。最新の情報は各省庁・自治体の公式情報をご確認ください。また、本記事は特定の個人・団体を批判するものではなく、防災の教訓を共有することを目的としています。
参考にした情報:国土交通省関東地方整備局、千葉県、水資源機構の公表資料/千葉県「印旛沼に係る湖沼水質保全計画」/NHK、共同通信、読売新聞、東京新聞、千葉日報、日本テレビ、フジテレビ各社の報道
🛡️ 防災士監修記事
後藤 秀和(ごとう ひでかず)
防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役
2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得し、防災ブランド HIH(エイチアイエイチ/Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。




