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新生活の防災グッズ完全ガイド|一人暮らしの最低限リストと選び方

新生活を始めた一人暮らしの女性が玄関近くに防災グッズを準備している様子

新生活の防災グッズ完全ガイド|一人暮らしの最低限リストと選び方

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

4月が近づくと、進学や就職、転勤で新生活をスタートする方が一気に増えますね。新しい部屋、新しい街、新しい生活。ワクワクする気持ちと同時に、「防災グッズってどうすればいいんだろう」と頭の片隅で気になっている方も多いんじゃないかなと思います。

私自身、2011年3月11日に福島で東日本大震災を経験しました。あのとき痛感したのは、「備えていなかった後悔」のつらさです。特に一人でいるときに大きな災害が来たら、頼れるのは自分だけ。だからこそ、新生活を始めるタイミングは防災グッズを揃える絶好のチャンスだと、私は強く思っています。

この記事では、新生活で防災グッズを揃えるにあたって「何が必要か」「どう選べばいいか」「予算はどのくらいか」まで、防災士の視点でわかりやすくお伝えします。これを読めば、迷わずにスタートできるはずですよ。

一人暮らしの新生活・最低限の防災チェックリスト:3日分の水・食料、携帯トイレ、置き場所、予算別の揃え方をまとめたインフォグラフィック

「結論から言うと、一人暮らしの新生活ではまず『3日分の生存』を最優先に、予算1〜2万円の防災セットか、100均を併用した自分なりの備えを整えるのがベストです」

目次

新生活に必要な防災グッズの基本を知ろう

新生活に必要な防災グッズの基本アイテムを並べたフラットレイ画像
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

一人暮らしで防災グッズが特に必要な理由

夜の一人暮らしの部屋で防災の不安を感じる若い日本人のイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

新生活で一人暮らしを始める方に、まずお伝えしたいことがあります。それは、一人暮らしは家族と同居する場合に比べて、災害時のリスクが格段に高いという現実です。

2024年に実施されたある調査では、防災グッズを準備している人の割合は全体で約40.2%にとどまり、特に20代では34.3%と最も低い水準でした。一人暮らしの方が備蓄に「0円」と答えた割合は36.2%で、家族同居者の20.3%と比べると実に16ポイント近い差があります。

なぜ一人暮らしにとって防災がより重要なのか。理由は大きく3つあるかなと思います。

一人暮らしが特にリスクが高い3つの理由
① 災害発生時に助けを求める家族が近くにいない
② 引越し直後は避難場所や経路を把握していないことが多い
③ 賃貸では家具の固定が難しく、転倒リスクが高い

地震で怪我をした人の約30〜50%は、家具の転倒・落下・移動が原因とされています。一人暮らしの賃貸物件では釘やネジが使えないことも多く、家具の固定対策がとりにくいのが現実です。引越したばかりで荷物も片付いていない状態のとき、大きな地震が来たら……そのリスクを想像してみてください。

また、「準備が面倒」「何から始めればいいかわからない」と感じている方が多いのも事実です。だからこそ、まず最低限の知識をインプットしておくことが大切なんですよね。

最低限そろえたい防災グッズのリスト

防災リュックに最低限必要なグッズを詰めた状態のイメージ画像
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「最低限」という言葉が大事です。新生活でいきなり完璧な備えをしようとすると、費用も手間もかかりすぎて続かなくなるかなと思います。まずは72時間(3日間)を自力で乗り切るための備えを目標にしましょう。

なぜ72時間なのか。大規模災害が発生すると、公的な支援物資が届くまでには約72時間かかるとされています。この3日間を自分の力で乗り越えることが、命を守るための最低ラインになります。

一人暮らし・新生活の最低限防災グッズリスト(3日分基準)
【水・食料】飲料水 9リットル(1日3L×3日)/非常食 9食分
【情報収集】防災ラジオまたはモバイルバッテリー
【明かり】懐中電灯またはLEDランタン/電池(予備含む)
【トイレ】携帯トイレ 15回分(1日5回×3日)
【応急手当】救急セット(絆創膏・包帯・消毒液)
【防寒・保護】アルミ製エマージェンシーシート/軍手
【衛生】ウェットティッシュ(アルコール含む)/マスク
【その他】ホイッスル/貴重品コピー(保険証・通帳等)

防災リュックに入れるべき中身の詳細なリストと優先順位はこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。

一点補足しておきたいのが、水の量についてです。「9リットルって多くない?」と感じるかもしれませんね。でも実は、飲料水だけで1日あたり最低1.5〜2リットルが必要で、調理や口をすすぐ用途を含めると1日3リットルが目安とされています(首相官邸・内閣府ガイドライン参照)。新生活を始める際には、ペットボトルの水を箱買いしておくことを強くおすすめします。

収納スペースが少なくても置ける選び方

一人暮らしの部屋のベッド下に防災グッズをコンパクトに収納している様子
【HIH】ヒカリネット・イメージ

新生活の部屋では収納スペースが限られていることが多いですよね。「防災グッズを揃えたいけど、どこに置けばいいかわからない」という声はよく聞きます。

ここで大事なのは、「たくさん揃える」より「すぐ取り出せる場所に置く」という考え方です。防災グッズがどんなに充実していても、いざというときに取り出せなければ意味がありません。

一人暮らしにおすすめの防災グッズ収納場所は「玄関付近」か「ベッドのそば」です。玄関は逃げるときに必ず通る場所。ベッドのそばなら、就寝中の被災にも対応できます。小さな部屋でも、ベッド下の収納スペースや玄関の棚を活用すれば、コンパクトにまとめられます。

防災グッズの選び方としては、できるだけ「多機能なもの」を選ぶのがポイントです。例えば、ラジオ・懐中電灯・モバイルバッテリーが一体になった多機能防災ラジオは、アイテム数を減らしながら必要な機能をカバーできます。携帯トイレも個包装でコンパクトなタイプを選べば、リュックの隙間に入れやすいですよ。

また、防災リュック自体もスペースをとりますが、普段から目につく場所に置いておくことで防災意識が自然と維持されるという効果もあります。インテリアに溶け込むデザインのものも増えてきているので、そういった商品を選ぶのもひとつの方法かなと思います。

100均でも揃う防災グッズと限界を知る

100円ショップで揃えられる防災グッズに使えるアイテムの一覧イメージ
【HIH】ヒカリネット・イメージ

「とにかくコストを抑えたい」という新生活スタートの時期、100円ショップで防災グッズを揃えようと思う方も多いでしょう。実際、100均でも使えるアイテムはあります。

100均で揃えてもOKなアイテム
・ウェットティッシュ・アルコール除菌シート
・絆創膏・包帯などの応急手当用品
・軍手・ポリ袋・ラップ
・ろうそく・マッチ
・筆記用具・メモ帳(緊急連絡先記入用)
・圧縮タオル

100均での購入は慎重にしたいアイテム
・懐中電灯(電池の持ちや光量に不安が残ることがある)
・モバイルバッテリー(容量・品質に大きなばらつきがある)
・携帯トイレ(凝固剤の品質・臭気対策の差が大きい)
・防災笛・ホイッスル(音量や耐久性が重要なため)

命に直結するアイテムほど、品質にこだわる必要があります。懐中電灯やモバイルバッテリーは、いざというときに「充電が切れていた」「暗くて使えなかった」では困りますよね。ウェットティッシュや軍手など、品質のばらつきが少ないものは100均を活用しつつ、重要アイテムはしっかりとした製品を選ぶ「メリハリ投資」がおすすめです。

新生活の防災グッズにかける予算の目安

防災グッズにかける予算と防災セットのイメージ画像
【HIH】ヒカリネット・イメージ

ある調査では防災グッズにかける予算として「5,000円〜1万円未満」と答えた方が最多という結果も出ています。ただ、一人暮らしを始めたばかりのタイミングでは、家具や生活用品への出費も多く、なかなか防災まで手が回らないのが正直なところではないでしょうか。

そこで私がおすすめしているのが、「最初にまとめて1万〜2万円で防災セットを揃える」という方法です。

一つひとつ揃えていくと、意外と時間もお金もかかりますし、「揃えたつもりが抜けがあった」というケースも少なくありません。あらかじめ必要なものがセットになっている防災セットなら、準備の手間を大幅に省けます。

揃え方目安予算メリットデメリット
防災セットを購入1万〜2万円すぐに備えられる・漏れがない中身のカスタマイズが限られる
自分で少しずつ揃える5,000円〜好みのものを選べる・分散購入できる時間がかかる・抜け漏れが出やすい
100均中心で揃える2,000〜3,000円初期コストが安い品質に不安が残るアイテムも

引越しや新生活の準備と一緒に防災セットの購入を検討してみてください。「入居したその日から備えが整っている」という安心感は、思っている以上に大きいですよ。

新生活の防災グッズ選びと準備のポイント

新生活の防災グッズ選びと準備を進める女性のイメージ
【HIH】ヒカリネット・イメージ

引越し直後にまずやるべき防災チェック

引越し直後にスマートフォンでハザードマップを確認している様子
【HIH】ヒカリネット・イメージ

新しい部屋に引越したら、荷ほどきと並行してやっておきたい防災チェックがあります。「落ち着いてから」と後回しにしがちですが、災害はいつ起きるかわかりません。引越し直後のバタバタした時期にこそ、先に確認しておくことが大切です。

引越し直後にやっておきたい防災チェック5項目
① ハザードマップで自宅周辺の災害リスクを確認する
② 最寄りの避難場所・避難所の場所を調べて実際に歩いてみる
③ 緊急連絡先(家族・職場)を紙に書いて財布に入れておく
④ 大きな家具・家電の転倒防止グッズを取り付ける
⑤ 防災グッズを置く場所を決める(玄関付近が理想)

ハザードマップは各市区町村のホームページや、国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認できます。新しい住所に引っ越した直後に確認しておくことで、「自分の部屋がどんなリスクのある場所なのか」を正確に把握できます。

また、大切なのが緊急連絡先を紙に書いておくこと。スマートフォンは停電や電波の混雑で使えなくなることがあります。あの日を経験した私たちは、「スマホが使えない状況」が本当に起こることを知っています。アナログな備えも侮れません。

女性の一人暮らしで追加したいアイテム

女性の一人暮らしに必要な防災グッズの追加アイテム一覧
【HIH】ヒカリネット・イメージ

女性が一人暮らしをする場合、一般的な防災グッズリストに加えて、女性特有のニーズに対応したアイテムも揃えておくことをおすすめします。

女性の一人暮らしで特に備えておきたいアイテム
・生理用品(最低2周期分):支援物資として届きにくいことが多い。止血パッドとしても活用できる
・目隠しポンチョ:着替えやトイレ使用時のプライバシー確保に。雨具としても使える
・防犯ブザー:避難所や夜間の移動時の安全確保に
・ウェットシート・洗顔シート:断水時の衛生管理に
・眼鏡(コンタクト使用者):夜中の被災に備えてベッドのそばに置く

東日本大震災の経験者の声の中に、「生理用品が支援物資として届くまでに時間がかかった」「避難所でプライバシーを確保するのがつらかった」という声が多くありました。女性にとって「尊厳を守る備え」も、命を守る備えと同じくらい重要です。

女性向けの防災グッズについては、女性が本当に必要な防災グッズについての詳しい解説記事も参考にしてみてください。

防災グッズのプレゼントに喜ばれる選び方

新生活のお祝いに防災グッズをプレゼントとして贈るイメージ
【HIH】ヒカリネット・イメージ

新生活を始める家族や友人へのプレゼントとして、防災グッズを贈るケースが近年増えているんですよね。「実用的で気が利いている」と喜ばれることも多いですし、防災という観点から見ても、贈られた側にとって本当に役立つプレゼントになります。

防災グッズをプレゼントする場合のポイントをまとめます。

防災グッズプレゼントの選び方ポイント
・すでに持っているものと被らないよう、相手の状況を確認する
・一人暮らし向けの1人用防災セットが最もシンプルで使いやすい
・おしゃれなデザインのものを選ぶと部屋に馴染みやすい
・ラッピング対応している商品だとギフトとして渡しやすい
・「防災について一緒に考えるきっかけ」として贈る気持ちで

防災セットをプレゼントする際は、「なぜこれを贈るのか」を一言添えると、受け取った人も防災への意識が高まります。「あなたのことが心配だから」という気持ちが伝わるプレゼントは、物以上の価値があるかなと思います。

防災セットか自分で揃えるかの判断基準

防災セットを購入するか自分でアイテムを揃えるかの比較イメージ
【HIH】ヒカリネット・イメージ

「防災セットをそのまま購入するか、自分でアイテムを選んで揃えるか」という選択に迷う方も多いです。どちらが正解ということはなく、自分の状況に合わせて選ぶのがベストかなと思います。

防災セットの購入をおすすめするケースは、「今すぐ備えを完成させたい」「何を揃えればいいかわからない」「防災について詳しくない」という方です。一方、自分で揃えることをおすすめするケースは、「特定のアレルギーや持病があって専用食品が必要」「すでに一部の防災グッズを持っている」「防災に詳しく自分なりのこだわりがある」という方です。

私が防災セットをおすすめする最大の理由は「すぐに備えが整うこと」です。一つずつ揃えていくつもりが、気づいたら半年経っていた、なんてことはよくある話です。まず防災セットで基本の備えを完成させてから、足りないものを少しずつ追加していく方法が、現実的で続けやすいかなと思います。

防災セットを選ぶ際のチェックポイントとしては、①内容物の点数と品質、②リュック自体の耐久性・防水性、③製造元の信頼性(被災経験や防災士監修があるか)、④アフターサポートの有無、などを確認するといいですよ。

容量選びに迷ったら、防災リュックの容量選びについて詳しく解説したこちらの記事も参考にしてください。

定期的な見直しとチェックリストの使い方

防災グッズの賞味期限をチェックリストで定期的に確認している様子
【HIH】ヒカリネット・イメージ

防災グッズは「一度揃えたら終わり」ではありません。定期的な見直しが大切です。非常食や飲料水には賞味期限がありますし、モバイルバッテリーも長期間使わないと自然放電してしまいます。

防災グッズの見直しタイミングとして覚えておきやすいのが「防災の日(9月1日)」と「防災とボランティアの日(1月17日)」の年2回です。この2つを「防災グッズ点検デー」として手帳やカレンダーに入れておくだけで、習慣として続けやすくなります。

年2回の防災グッズ見直しチェックリスト
□ 飲料水・非常食の賞味期限を確認し、期限が近いものは日常消費へ
□ 携帯トイレ・救急セットなどの消耗品の残量確認
□ モバイルバッテリー・懐中電灯の充電・動作確認
□ 緊急連絡先(紙)の内容が最新かどうか確認
□ 家族・知人との連絡方法・集合場所の確認
□ ハザードマップが最新版かどうか確認(自治体で更新されることがある)
□ 季節に合わせたアイテムの入れ替え(夏は熱中症対策、冬は防寒)

また、ローリングストック法の活用もおすすめです。非常食として備蓄している缶詰やレトルト食品を日常的に消費しながら、食べた分だけ補充していく方法です。賞味期限切れによる食品ロスを防ぎながら、常に新鮮な状態で備蓄を維持できます。一人暮らしの場合、備蓄量が少ないぶんローリングストックは取り入れやすいですよ。

新生活の防災グッズ準備まとめ

新生活の防災グッズ準備が整い安心している若い日本人のイメージ
【HIH】ヒカリネット・イメージ

最後に、新生活の防災グッズ準備のポイントをまとめます。

一人暮らしを始める方にとって、防災グッズは「あったらいいな」ではなく、「最初に揃えるべき生活必需品」だと私は考えています。家具や家電を揃えるのと同じ感覚で、入居日から備えを整えてほしいなと思います。

新生活 防災グッズ準備のまとめ
① 一人暮らしは災害時のリスクが高い。20代の備蓄率は約34%と低水準
② まずは72時間(3日間)を乗り切るための備えを目標にする
③ 水9L・非常食9食・携帯トイレ15回分が最低限の3日分基準
④ 収納スペースが少ない場合は多機能グッズを活用する
⑤ 100均は消耗品中心に活用し、命に直結するアイテムは品質重視で
⑥ 防災セットなら漏れなく即座に備えが整う
⑦ 引越し直後にハザードマップと避難場所を必ず確認する
⑧ 年2回(防災の日・1月17日)を目安に定期的に見直す

あの日を経験したからこそ、私には「備えていればよかった」という後悔をなくしたいという思いがあります。新しい生活を始めるこのタイミングに、ぜひ防災グッズの準備を一緒に進めてみてください。新生活の防災グッズを揃えることは、自分の命を守るための、最もシンプルで確実な行動です。

数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトでご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

(出典:首相官邸『災害が起きる前にできること』

🛡️ 防災士監修記事

後藤 秀和(ごとう ひでかず)

防災士/株式会社ヒカリネット 代表取締役

2011年3月11日、東日本大震災を福島で経験。「あのとき備えていたら」という後悔をなくすため、防災士資格を取得しHIH(Hope is Here)を設立。防災セット累計出荷20万個超、法人導入実績300社以上。

防災士の経験から生まれた、信頼できる備え。
経験が語るHIHの「本当に必要な防災セット」。

この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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