持ち歩く防災!おすすめの携帯非常食と選び方

持ち歩く防災!おすすめの携帯非常食と選び方

外出先で大きな災害に遭遇したら…と、不安に感じたことはありませんか?防災グッズを日常から持ち歩く意識は大切ですが、いざ準備しようとすると「どんな非常食がいいの?」「かさばらない非常食の選び方は?」といった疑問が浮かびますよね。持ち歩き防災ポーチに何を入れるか、防災グッズの持ち歩きに100均は使えるのか、そもそも非常食になるものとは何か、携帯食おすすめ品は?また、非常食にお菓子を持ち歩きしても大丈夫なのか、気になる点は多いでしょう。この記事では、そんなあなたの疑問を解決するため、防災士の視点から非常食の持ち歩きに関するおすすめの方法と、いざという時に本当に役立つアイテムを具体的に解説します。

  • 持ち歩きにおすすめの非常食がわかる
  • かさばらない非常食の選び方がわかる
  • 防災ポーチに入れるべきアイテムがわかる
  • 日常からできる防災対策がわかる
目次

なぜ必要?非常食持ち歩きのおすすめとは

ひかりBOSAI・イメージ
  • 防災グッズは日常から持ち歩く意識を
  • 身近にもある「非常食になるもの」
  • かさばらない非常食を選ぶポイント
  • 水なしで食べられる携帯食おすすめ
  • 非常食にお菓子を持ち歩きする利点
  • 災害時に役立つ食品の選び方

防災グッズは日常から持ち歩く意識を

災害は、時間や場所を選ばず突然やってきます。自宅に防災リュックを準備していても、外出中に被災してしまえば意味がありません。そのため、外出先で被災した直後から、安全な場所へ避難したり救助を待ったりするまでの時間を乗り切るための備え、通称「0次の備え」が非常に重要になります。

例えば、電車やエレベーターに閉じ込められたり、交通機関が麻痺して帰宅困難になったりするケースが考えられます。このような状況では、数時間から丸一日、手持ちの物だけで過ごさなければならない可能性も否定できません。防災グッズを日常的に持ち歩くことは、万が一の事態に自分自身の安全と心身の健康を守るための、最も手軽で効果的な対策なのです。

「防災」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、まずは「お守り」のような感覚で、小さなポーチに少しだけ備えを入れて持ち歩くことから始めてみませんか?その少しの備えが、いざという時に大きな安心感に繋がります。

この記事で紹介するアイテムを参考に、ご自身のライフスタイルに合った持ち歩き防災を始めてみましょう。

身近にもある「非常食になるもの」

ひかりBOSAI・イメージ

「非常食」と聞くと、乾パンやアルファ米など、特別なものを想像するかもしれません。しかし、実は私たちの身の回りにある多くの食品が、立派な「非常食になるもの」として活用できます。

災害時には、普段食べ慣れていないものを口にすることがストレスになることもあります。その点、日常的に食べている食品であれば、非常時でも安心して口にでき、精神的な落ち着きにも繋がるでしょう。大切なのは、「ローリングストック」という考え方です。

ローリングストックとは?

普段から食べている缶詰やレトルト食品、お菓子などを少し多めに買っておき、賞味期限の古いものから消費し、食べた分だけ新しく買い足していく備蓄方法です。これにより、常に一定量の食料を備蓄しながら、賞味期限切れを防ぐことができます。

例えば、以下のような食品はローリングストックに向いており、持ち歩き用の非常食としても優秀です。

  • 栄養補助食品(シリアルバーなど):小腹が空いた時に食べる習慣があれば、そのまま非常食になります。
  • ようかん:高カロリーで賞味期限が長く、和菓子が好きな方には最適です。
  • ドライフルーツやナッツ:ビタミンやミネラル、良質な脂質を手軽に補給できます。
  • チョコレートや飴:手軽な糖分補給になり、気分転換にも役立ちます。

このように、普段の食生活の中に少しだけ防災の視点を取り入れることで、無理なく非常時に備えることが可能です。

かさばらない非常食を選ぶポイント

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毎日防災グッズを持ち歩く上で、最も重要なポイントは「携帯性」です。いくら栄養価が高くても、重くてかさばるものでは長続きしません。そこで、かさばらない非常食を選ぶための3つのポイントを紹介します。

1. 軽量・コンパクトであること

言うまでもありませんが、軽くて小さいことは絶対条件です。ポーチの隙間にすっと入るような、バータイプスティックタイプのものがおすすめです。パッケージが薄いものや、平たい形状のものを選ぶと、さらにスペースを有効活用できます。

2. 個包装になっていること

一度に食べきれない場合や、誰かと分け合う場合を考えると、個包装になっていると非常に衛生的で便利です。また、ポーチの中で中身が散らばってしまう心配もありません。ビスケットやクッキーなども、数枚ずつ包装されているタイプを選ぶと良いでしょう。

3. 頑丈なパッケージであること

バッグの中で他の荷物に圧迫されて、中身が粉々になってしまっては意味がありません。ある程度強度のあるパッケージや、潰れにくい形状のものを選ぶことも大切です。紙箱に入っているものは、箱から出して中身だけをジップ付きの袋に入れるとコンパクトになります。

持ち歩きに「缶詰」は不向き

缶詰は長期保存が可能で優秀な備蓄食料ですが、重くてかさばるため、日常的な持ち歩きには適していません。持ち歩き用としては避け、自宅での備蓄(1次・2次の備え)として活用しましょう。

水なしで食べられる携帯食おすすめ

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災害時には、飲料水は生命維持のために非常に貴重なものとなります。調理に水を使うことは極力避けたい状況です。そのため、持ち歩く非常食は「水なしで、開封してすぐに食べられるもの」が大前提となります。

ここでは、水が不要で携帯性に優れたおすすめの食品をいくつかご紹介します。

ようかん

非常食の定番とも言える「ようかん」は、持ち歩きに最適な食品の一つです。井村屋の「えいようかん」は1本でご飯一杯分のカロリー(公式サイトによると171kcal)が摂れるとされており、5年以上の長期保存が可能です。コンパクトなスティックタイプで手を汚さずに食べられるのも大きなメリットです。(参照:井村屋公式サイト

栄養補助食品(バータイプ)

大塚製薬の「カロリーメイト ロングライフ」は、3年間の長期保存が可能な製品です。5大栄養素をバランス良く含んでおり、災害時の偏りがちな栄養をサポートしてくれます。チョコレート味で食べやすく、コンパクトな箱に入っているため携帯にも便利です。(参照:大塚製薬公式サイト

ゼリー飲料

森永製菓の「inゼリー エネルギー ロングライフ」は、3年間の長期保存が可能で、水分とエネルギーを同時に補給できる優れものです。食欲がない時でも摂取しやすく、キャップが付いているため一度に飲み干す必要がない点も便利です。体調が悪い時や、夏の暑い時期にも役立ちます。(参照:森永製菓公式サイト

アルファ米は持ち歩き向きではない?

お湯や水でご飯になるアルファ米は優れた非常食ですが、調理に水と時間(水で約60分)が必要です。貴重な水を消費するため、「0次の備え」としての持ち歩きには、より手軽に食べられる上記のような食品がおすすめです。

非常食にお菓子を持ち歩きする利点

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「非常食にお菓子なんて…」と思うかもしれませんが、実はお菓子は非常に有効な非常食です。主な利点は2つあります。

第一に、手軽なカロリー・糖分補給源になることです。災害時には体力を消耗し、頭も働かなくなります。そんな時にチョコレートや飴などで素早く糖分を補給することは、エネルギー回復に直結します。

第二に、精神的な安らぎを与えてくれる点です。不安やストレスが大きい非常時に、食べ慣れた甘いものを口にすることで、気分が落ち着き、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになることがあります。特に小さなお子さんがいる場合は、好きなお菓子がぐずり対策にもなり得ます。

持ち歩きにおすすめのお菓子

  • チョコレート:高カロリーで効率的なエネルギー源です。夏場でも溶けにくいようにコーティングされたタイプがおすすめです。
  • 飴(キャンディ):口の中に入れておくだけで唾液の分泌を促し、口の渇きを和らげます。長持ちするので空腹感を紛らわすのにも役立ちます。
  • ラムネ:主成分がブドウ糖であるものが多く、脳のエネルギー源を素早く補給するのに適しています。
  • ビスケット・クッキー:腹持ちが良く、満足感を得やすいです。長期保存可能な缶入りのものも多く販売されています。

塩分タブレットも忘れずに

特に夏場は、汗で失われる塩分を補給できる塩飴や塩分タブレットをポーチに加えておきましょう。災害時だけでなく、日常の熱中症対策としても役立ちます。

災害時に役立つ食品の選び方

ここまで紹介してきた内容を基に、災害時に本当に役立つ携帯非常食を選ぶためのポイントを表にまとめました。これらの基準を参考に、ご自身やご家族に合ったものを選んでみてください。

チェック項目選び方のポイント具体例
① 長期保存可能か最低でも1年以上、できれば3年〜5年の賞味期限があるものが望ましい。保存缶ビスケット、長期保存ようかん、レトルト食品
② 調理不要か水や火を使わず、開封してすぐに食べられることが絶対条件。栄養補助食品、ゼリー飲料、ドライフルーツ
③ 栄養価(カロリー)少量でも効率よくエネルギーを補給できる、高カロリーなものが適している。ようかん、チョコレート、ナッツ類
④ 携帯性軽量・コンパクトで、パッケージが頑丈なもの。個包装だとさらに良い。バータイプ食品、スティックようかん、個包装の飴
⑤ アレルギー対応アレルギーを持つ方は、特定原材料等28品目不使用などの表示を必ず確認する。アレルギー対応クッキー、アレルギー対応ゼリー

特にアレルギーをお持ちの方や、ご家族にアレルギー体質の方がいる場合は、パッケージのアレルギー表示を必ず確認する習慣をつけましょう。災害時はアレルギー対応食の入手が困難になる可能性が高いため、ご自身で確実に安全なものを備えておく必要があります。


すぐ実践!非常食持ち歩きのおすすめ方法

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  • 持ち歩きは防災ポーチにひとまとめ
  • 防災グッズ持ち歩きに100均も活用
  • ポーチに入れるべき非常食以外の物
  • 定期的なポーチの中身の見直し
  • 始めよう!防災のための非常食持ち歩きおすすめ

持ち歩きは防災ポーチにひとまとめ

準備した非常食や防災グッズは、専用の「防災ポーチ」にまとめておくことを強くおすすめします。その理由は、外出時に使うバッグを変えても、ポーチごと移し替えるだけで済むからです。これにより、入れ忘れを防ぎ、いつでも確実に防災グッズを携帯できます。

防災ポーチを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 軽さ:ポーチ自体の重さが負担にならないよう、軽量な素材のものを選びましょう。
  • 視認性:中身がどこにあるか一目でわかる、メッシュ素材や透明なビニール素材のものが便利です。
  • 防水性:突然の雨などで中身が濡れるのを防ぐため、防水・撥水素材だとさらに安心です。
  • サイズ感:普段使っているバッグに無理なく収まるサイズを選びましょう。

特別なポーチでなくても、普段使っている化粧ポーチや、ジップ付きの保存袋などでも十分代用できます。まずは手持ちのものですぐに始めてみることが大切です。

防災グッズ持ち歩きに100均も活用

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「防災グッズを揃えるのはお金がかかりそう…」と感じる方もいるかもしれませんが、心配は無用です。最近では、100円ショップでも質の高い防災グッズが数多く販売されています。コストを抑えながら、充実した防災ポーチを作ることが可能です。

100円ショップで揃えられる、おすすめのアイテムをいくつか紹介します。

  • ミニLEDライト:キーホルダータイプなど、非常にコンパクトなものが手に入ります。停電時に手元や足元を照らすのに必須です。
  • 携帯トイレ:断水時やトイレが使えない状況で非常に役立ちます。1〜2個は必ず入れておきましょう。
  • エマージェンシーシート:アルミ製の薄いシートで、体に巻きつけると体温を保持できます。非常に軽量でコンパクトなので、寒さ対策に最適です。
  • ウェットティッシュ・除菌シート:断水で手が洗えない時に重宝します。けがをした際の傷口周りの清拭にも使えます。
  • 絆創膏:様々なサイズのものを数枚入れておくと、靴擦れや小さな切り傷に対応できます。
  • 圧縮タオル:水で戻すとタオルになる優れもの。かさばらずに持ち運べます。
  • 小分け用の袋・ケース:薬や小銭などを整理して入れるのに便利です。

まずは100円ショップを覗いてみて、使えそうなものをいくつか揃えるところから始めてみるのが、手軽で続けやすい第一歩です。

ポーチに入れるべき非常食以外の物

防災ポーチには、非常食だけでなく、いざという時に自分や家族を守るための様々なアイテムを入れておく必要があります。ここでは、非常食以外に最低限入れておきたいアイテムをジャンル別に紹介します。

カテゴリアイテム名主な用途
衛生用品マスク感染症対策、粉塵吸引防止
携帯トイレ断水時、トイレが使えない状況での排泄
絆創膏・消毒シート軽度の切り傷、靴擦れの応急処置
常備薬持病の薬、鎮痛剤、胃腸薬など
情報・連絡モバイルバッテリースマートフォンの充電確保
現金(小銭含む)停電時の決済、公衆電話の使用
家族の連絡先メモスマホの充電切れに備え、紙に控えておく
その他ミニLEDライト停電時の明かり確保
ホイッスル(笛)助けを呼ぶ、自分の居場所を知らせる
エマージェンシーシート防寒、雨風よけ

これら全てを入れると重くなってしまう場合は、ご自身の生活圏や行動範囲、季節などを考慮して優先順位をつけ、カスタマイズすることが重要です。例えば、夏場は冷却シート、冬場はカイロを追加するなど、季節に応じた入れ替えも行いましょう。

定期的なポーチの中身の見直し

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防災ポーチは、一度作ったら終わりではありません。最低でも半年に一度は中身を点検し、見直す習慣をつけましょう。見直すべき主なポイントは以下の3つです。

1. 賞味期限・使用期限のチェック

ポーチに入れた非常食やお菓子、医薬品には必ず期限があります。期限が近づいているものは、普段の生活で消費し、新しいものと入れ替えましょう。これは前述の「ローリングストック」の実践にも繋がります。

2. 季節に応じた入れ替え

夏には塩分タブレットや冷却シート、冬には使い捨てカイロや保湿クリームなど、季節特有の ihtiyaç に合わせたアイテムの入れ替えを行いましょう。これにより、一年を通して最適な備えを維持できます。

3. ライフスタイルの変化に合わせる

家族構成の変化(子どもの成長など)や、勤務地の変更、健康状態の変化などに合わせて、ポーチの中身もアップデートしていく必要があります。例えば、子どもが大きくなれば、子ども用のお菓子から大人と同じ栄養補助食品に変えるなどの調整が必要です。

電池のチェックも忘れずに!

LEDライトなどに入れている電池も、定期的に点灯確認をしましょう。電池の液漏れが起きていないか、予備電池の使用推奨期限が切れていないかも合わせて確認することが大切です。長期間入れっぱなしにせず、定期的に新しいものと交換することをおすすめします。

始めよう!防災のための非常食持ち歩きおすすめ

  • 外出先での突然の災害に備えよう
  • 日常から防災グッズを持ち歩く「0次の備え」が重要
  • 持ち歩く非常食は軽量でコンパクトなものが基本
  • 水なしで開封後すぐに食べられるものが最適
  • 長期保存可能なようかんや栄養補助食品がおすすめ
  • お菓子は手軽なカロリー補給と心の支えになる
  • 溶けにくいチョコレートや飴、ラムネなどを活用しよう
  • ローリングストックで普段の食品も非常食として備蓄
  • アイテムは防災ポーチにまとめて管理すると便利
  • 100円ショップのグッズも賢く利用してコストを抑える
  • 非常食以外に衛生用品やミニライトも忘れずに入れる
  • スマートフォンのためのモバイルバッテリーは必須アイテム
  • 非常食の賞味期限や薬の使用期限は定期的にチェック
  • まずは自分ができそうなことから一つずつ始めてみよう
  • 自分と大切な家族に合ったオリジナルの防災ポーチを作ろう

防災士の経験から生まれた、信頼できる備え。
経験が語るHIHの「本当に必要な防災セット」。

この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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