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地震発生時やってはいけないこと10選!命を守るNG行動とは

子どもが笑顔で防災リュックやヘルメットに触れている様子は、防災を「怖いこと」ではなく、「自分や家族を守るための前向きな準備」

地震発生時やってはいけないこと10選!命を守るNG行動とは

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

大きな地震が発生したとき、私たちは恐怖で頭が真っ白になり、パニックになりがちです。とっさに「火を消さなきゃ」とキッチンへ走ったり、マンションの上層階から「早く逃げなきゃ」とエレベーターに乗ろうとしたりしていませんか。あるいは、車の運転中に急ブレーキを踏んでしまうかもしれません。実は、これらはすべて命を危険にさらすNG行動です。阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓から、私たちの防災常識は大きくアップデートされました。「家族を守るために良かれと思ってやったこと」が、かえって大切な人を傷つけてしまう前に、正しい知識を身につけておきましょう。この記事では、私自身の防災士としての知見をもとに、地震発生時に絶対に避けるべき行動とその理由を詳しく、わかりやすく解説します。

  • 地震発生直後の揺れている最中に取ってはいけない危険な行動
  • 通電火災やガス爆発などの二次災害を防ぐための重要な禁止事項
  • トイレやエレベーターなど生活インフラに関する意外な落とし穴
  • 避難移動や情報収集において命を守るための正しい判断基準

地震のとき最初にやること|揺れている間は動かない

地震発生時に机の下で身を守る行動を4コマ漫画で解説する防災キャラクター
目次

命を守るために地震発生時にやってはいけないこと

地震発生時に室内で身を守る行動を示す日本の家庭の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

地震の揺れを感じた瞬間、私たちは「闘争・逃走反応」という動物的な本能で「ここから逃げなきゃ」と体が勝手に動いてしまうことがあります。しかし、複雑化した現代の都市環境においては、その直感的な行動がかえって致命的な結果を招くことが多いのです。まずは、発災直後の数分間において、絶対にやってはいけない行動を具体的に見ていきましょう。

揺れを感じても外へすぐに飛び出さない

地震の揺れの中で屋外の落下物リスクを想像させる住宅周辺の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「建物が潰れるかもしれない」という恐怖から、揺れを感じてすぐに屋外へ飛び出すのは大変危険です。過去の震災統計を見ても、慌てて外に出たことで落下物の犠牲になったり、転倒して大怪我をしたりするケースが後を絶ちません。

なぜなら、一歩外に出ると、そこは「ガラスの雨」が降る危険地帯だからです。高層ビルや住宅の窓ガラスは、地震の大きな揺れによる歪みに耐えきれず、爆発的に割れ落ちることがあります。地上へ落下するガラス片は弾丸のような速度になり、避難者の頭上を襲います。また、経年劣化した看板、エアコンの室外機、外壁タイルなども凶器となって降り注いできます。

ブロック塀の倒壊にも細心の注意を

特に注意が必要なのがブロック塀です。見た目は頑丈そうでも、鉄筋が入っていなかったり老朽化していたりする塀は、大人の腰ほどの高さでも簡単に倒壊します。数百キログラムの石の塊の下敷きになれば、命に関わる重大な事故につながります。

家の中で身を守るのが基本
昭和の古い木造住宅で明らかに倒壊の危険がある場合を除き、現代の耐震基準を満たした建物であれば、屋内の丈夫な家具のそばや、物が落ちてこないスペースで揺れが収まるのを待つ方が、生存率は圧倒的に高くなります。

無理をしてキッチンへ火の始末に行かない

地震時のキッチンで起こりうる危険を示す家庭内の調理スペース
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

かつては防災標語として「グラッときたら火の始末」と言われていましたが、現在では推奨されていません。震度5以上の激しい揺れの中で、無理に火を消そうとキッチンに近づくことは、自殺行為に近いと言えます。

揺れている最中は、鍋の中の熱湯や高温の揚げ油が四方八方に飛び散り、全身に重篤な火傷を負うリスクがあります。さらに、冷蔵庫や重い食器棚が倒れてきたり、中の食器が飛び出してきたりして、挟まれる危険性も非常に高いのです。

マイコンメーターがあなたを守ります

「でも火事になったらどうするの?」と心配になるかもしれませんね。安心してください。現在のガスメーター(マイコンメーター)には感震遮断装置が標準装備されており、震度5相当以上の揺れを感知すると自動的にガス供給を遮断してくれます。

まずは机の下に潜るなどして自分の身の安全を確保(シェイクアウト)し、揺れが完全に収まってから、落ち着いて火の元を確認しに行くようにしましょう。

避難移動でエレベーターを使ってはいけない

地震時に階段での移動を連想させるマンション共用部の風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

マンションやオフィスビルで被災した場合、早く地上に降りたい一心でエレベーターを使おうとする方がいますが、これは絶対にNGです。

地震発生時には、広域停電や安全装置の作動により、エレベーターが階と階の間で緊急停止する「閉じ込め」が発生するリスクが極めて高いからです。密室に閉じ込められたまま余震が続けば、いつ救助が来るかわからない暗闇の中で、極限のストレスと恐怖に耐えなければなりません。

もし閉じ込められても無理な脱出は禁物

万が一、エレベーター内に閉じ込められた場合、パニックになって天井の脱出口(救出口)から自力で脱出しようとするのはやめてください。映画のアクションシーンとは違い、素人が扱うのは不可能に近い上、転落や感電、あるいは突然エレベーターが再稼働した際の挟まれ事故など、死に直結する危険があります。すべての階のボタンを押して停止可能な階で降りる努力をしつつ、非常ボタンやインターホンで外部と連絡を取り、救助を待つのが最善策です。

お風呂から慌てて裸のまま飛び出さない

地震発生時の浴室内で安全を確保する判断を示す日本の浴室
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

入浴中に突然地震が起きると、無防備な裸の状態であるためパニックになりやすいですが、濡れた体のまま浴室から飛び出すのは非常に危険です。

脱衣所や廊下には、割れた鏡やガラス、倒れた家具の破片が散乱している可能性があります。裸足でそれらを踏んで足の裏を深く切ってしまうと、歩行が困難になり、その後の避難行動ができなくなってしまいます。これは「逃げ遅れ」の直接的な原因になりかねません。

まずは洗面器や風呂の蓋を被って頭を守り、揺れが収まるのを待ってください。その後、バスローブや厚手の服を着て、必ず靴や厚底のスリッパを履いてから移動するようにしましょう。なお、浴槽に水が残っている場合、断水時の生活用水(トイレを流すための水など)として貴重な資源になるため、慌てて栓を抜かないようにしてください。

ガラス散乱中に室内を歩き回らない

地震後の室内床に散乱したガラスと足元の危険を伝えるイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

大きな揺れの後、室内は想像以上に荒れた状態になっています。食器棚から飛び出した皿、割れた窓ガラス、倒れた観葉植物の土や破片などが床一面に散乱しています。家族の安否を確認したい気持ちはわかりますが、不用意に歩き回ることは避けましょう。

前述の通り、足の裏の怪我は避難生活において致命的です。また、停電している夜間であればなおさら危険です。寝室の枕元には、必ず厚底のスリッパや運動靴、そして懐中電灯を用意しておきましょう。一歩目からそれを履いて行動することが大切です。暗闇の中で動く必要がある場合は、足元を十分に照らしながら、慎重に移動してください。

二次災害を招く地震発生時にやってはいけないこと

地震後の静かな住宅街と二次災害への注意を連想させる風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

揺れが収まった後も、決して油断はできません。ここからの行動の選択を一つ誤ると、大規模な火災やインフラの破損といった「二次災害」を引き起こし、自分だけでなく近隣住民やマンション全体に甚大な被害を広げてしまう可能性があります。

断水復旧後トイレの水をすぐに流さない

地震後の排水トラブルに注意が必要な家庭用トイレの様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

地震直後、まだ水道が使えたとしても、あるいは断水から復旧したとしても、安全確認ができるまでは絶対にトイレの水を流してはいけません。

地震の激しい振動や地盤の液状化により、地面の下にある排水管(下水管)が割れていたり、逆勾配になったり、マンホールが隆起していたりする可能性があります。この状態で水を流すと、汚水が行き場を失い、圧力の低い場所、つまり1階の住戸のトイレや風呂場の排水口から逆流・噴出する「トイレ・パンデミック」を引き起こす恐れがあるのです。

マンションでの被害は深刻です

特にマンションにおいては、上層階の人が「うちは水が出るから」といってトイレを使い続けると、その汚水は全て配管の損傷箇所から漏れ出し、下階の天井裏に溜まったり、1階住戸へ逆流したりします。これは住民間の深刻なトラブルや損害賠償問題に発展しかねません。

災害時は水洗トイレを使わず、便座にゴミ袋を被せて「凝固剤」で処理するのが鉄則です。トイレの仕組みや詳しい対策については、こちらの記事も参考にしてください。

トイレの水はどこから?水の流れを理科で学び災害に備えよう

ブレーカーを上げたまま避難してはいけない

避難前の住宅玄関と電気設備への配慮を連想させる室内風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

自宅を離れて避難所へ向かう際、必ずやらなければならないのが「ブレーカーを落とすこと」です。これを忘れて避難すると、電気が復旧した瞬間に火災が発生する「通電火災」のリスクが高まります。

通電火災とは、停電から電気が復旧した際に発生する火災のことです。地震で倒れた電気ストーブやアイロンが可燃物に接触した状態で再通電して発火したり、壁の中の傷ついた電気配線からスパークしたりすることで、無人の家から火の手が上がります。

過去の震災でも多発
実際、(出典:総務省消防庁『地震火災対策等に関する消防庁における取組』)によると、阪神・淡路大震災における火災原因の約6割、東日本大震災の過半数が電気関係によるものだったと報告されています。

命を守るための「今やるべきこと」として、感震ブレーカーの設置やブレーカー操作の習慣化は非常に重要です。以下の記事でも詳しく解説しています。

地震に備えて今やるべきこと:大震災の教訓とあなたの命を守る

原則として車を使って避難移動しない

地震後に徒歩で落ち着いて移動する様子を示す住宅街の道路
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「歩くのが大変だから」と車で避難しようとする気持ちはわかりますが、特別な事情(自力歩行が困難な方など)がない限り、自家用車での避難は原則禁止です。

東日本大震災でも見られましたが、皆が一斉に車で移動しようとすると、道路容量をすぐに超えて大渋滞が発生します。その結果、救急車や消防車、自衛隊などの緊急車両が現場に到着できなくなり、救えるはずの命が失われたり、火災が拡大したりしてしまいます。

また、渋滞に巻き込まれている間に津波や火災が迫ってくると、車は逃げ場のない「鉄の棺桶」になってしまいます。やむを得ず車を置いて逃げる場合は、窓を閉め、ドアロックはせず、キーを見えやすい場所に残して徒歩で避難してください。

ただし、車中泊避難など、車を「移動手段」ではなく「避難場所」として活用するケースはあります。その場合の備えについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

防災リュック置き場所が玄関にない!解決策とおすすめ収納術

帰宅困難時に無理をして歩いて帰らない

地震による交通停止時に安全な場所で待機する人々の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

外出先で被災し、電車などの交通機関が止まったとき、無理に歩いて自宅を目指す「一斉帰宅」も推奨されません。

多くの人が路上に溢れかえることで、将棋倒しのような「群衆雪崩」が起きる危険があるほか、余震による看板落下やビル火災などの二次災害に巻き込まれるリスクが高まります。内閣府や東京都も「むやみに移動を開始しない」ことを基本方針としています。職場や学校、一時滞在施設など、安全な場所に留まることが、自分自身の安全確保だけでなく、救助活動の妨げにならないための賢明な判断となります。

不確かなデマ情報をSNSで拡散しない

災害時に情報を慎重に確認するスマートフォン利用のイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

災害時は情報が錯綜し、不安な心理状態につけこむように、SNSでは「動物園からライオンが逃げた」「有害物質を含んだ雨が降る」といったデマや流言が拡散されやすくなります。

「みんなに知らせてあげなきゃ」という善意であっても、真偽不明の情報をリポストやシェアすることは絶対にやめましょう。デマの拡散は人々の不要な不安を煽り、避難行動を混乱させたり、緊急通報用回線をパンクさせたりします。情報は必ず首相官邸や気象庁、自治体の公式アカウントから得るようにし、出所が不明な情報は「拡散しない勇気」を持って、そこで止めるようにしてください。

おさらい!地震発生時にやってはいけないこと

地震への備えや行動を家族で話し合う日本の家庭の風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

最後に、今回のポイントをまとめます。地震発生時、私たちの生死を分けるのは、一瞬の判断です。

状況やってはいけないこと(NG行動)理由
発災直後外へ飛び出す落下物の直撃リスクが高い
揺れの中火を消しに行く火傷や転倒家具への挟まれ防止
避難時ブレーカーを上げたまま通電火災の発生を防ぐため
生活トイレの水を流す汚水の逆流・階下への漏水防止

これらの「やってはいけないこと」を知っているだけで、いざという時の生存確率は大きく変わります。ぜひ、この記事をきっかけに家族で話し合って、防災の知識をアップデートしてください。

防災士の経験から生まれた、信頼できる備え。
経験が語るHIHの「本当に必要な防災セット」。

この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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