犬や猫のペット防災グッズリスト!避難に最低限必要な備えを解説

犬や猫のペット防災グッズリスト!避難に最低限必要な備えを解説
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
災害大国と呼ばれる日本において、私たち人間の防災対策は日々進化していますが、あなたの大切な家族の一員である「ペット」の備えは万全でしょうか?「防災グッズ 犬 猫 ペット」と検索してたどり着いたあなたは、きっと「何をどれくらい準備すればいいの?」「避難所に連れて行けるの?」といった、漠然とした不安を感じていることと思います。環境省のガイドラインでも推奨されている「同行避難」ですが、現場では飼い主である私たちが自力で解決しなければならない課題が山積みです。水やフードの確保はもちろん、避難所での排泄問題、周囲への配慮など、考えるべきことは尽きません。でも、安心してください。100均のダイソーやセリア、身近なニトリやワークマンで手に入る代用品から、命を守るための必須リストまで、今日からすぐに実践できる具体的な対策を一緒に見ていきましょう。
- 犬や猫の命を繋ぐ水とフードの適正量とローリングストック法
- 100均やニトリ、ワークマンなどで揃う安価で優秀な代用グッズ
- 避難所でのトラブルワースト1位「トイレ問題」の解決策
- 「同行避難」と「同室避難」の決定的な違いと現実的な対策
犬や猫などペットの防災グッズで最低限必要なリスト

災害発生直後の混乱の中で、ペットの命を守り抜くために「これだけは絶対に欠かせない」という一次持ち出し品を中心としたリストを解説します。人間の支援物資は数日で届くことが一般的ですが、ペット用品に関しては、支援が届くのが遅れる、あるいは届かないというケースが過去の災害でも多発しています。「自分のペットは自分で守る」という自助の精神が何よりも大切です。
命を繋ぐ水とフードの量やセットの準備

人間と同じく、水と食料は最優先の備蓄品です。特にペットフードは、急な環境変化によるストレスで食欲が落ちたり、アレルギーや好みの問題で支給されたものが食べられなかったりすることがあります。
備蓄の目安は最低でも7日分、できれば2週間分を推奨します。
環境省のガイドラインなどでは「最低5日分」とされることもありますが、大規模災害時の物流の混乱を考えると、余裕を持っておくのが鉄則です。とはいえ、大量のフードをリュックに詰め込むのは現実的ではありませんよね。そこで推奨したいのが「ローリングストック法」です。
ローリングストック法の実践
特別な保存食を買うのではなく、普段食べているドライフードやウェットフードを「常に1袋多く買っておく」という方法です。新しいものを買ったら奥にしまい、手前の古いものから消費していく。これなら賞味期限切れの心配もなく、ペットも「いつもの味」に安心して食事をとることができます。
水の必要量計算式
水の必要量は、犬猫ともに「体重1kgあたり1日50ml〜100ml」が目安です。これに加えて、食器を洗ったり体を拭いたりするための生活用水も少し考慮しておく必要があります。
| 体重 | 1日の必要水分量 | 7日分の備蓄目安(飲料用のみ) |
|---|---|---|
| 3kg(小型犬・猫) | 約150ml〜300ml | 約1L〜2.1L |
| 5kg(中型犬・猫) | 約250ml〜500ml | 約1.75L〜3.5L |
| 10kg(中型犬) | 約500ml〜1L | 約3.5L〜7L |
| 20kg(大型犬) | 約1L〜2L | 約7L〜14L |
水はミネラル分の少ない「軟水」を選んでください。人間用のミネラルウォーターの中には「硬水」が含まれているものがあり、これは犬や猫にとって尿路結石のリスクとなるため避けるのが無難です。また、ウェットフード(パウチや缶詰)は水分含有量が70%〜80%と高いため、ドライフードと組み合わせて備蓄することで、食事と同時に水分補給ができる優れた防災食になります。
食器は折りたたみ式のシリコン製ボウルが軽量でかさばらず便利ですが、普段から使い慣れていないと警戒して食べないこともあります。時々、おやつをあげる際などに防災用の食器を使って慣らしておくと安心ですね。
トイレは手作りや代用品で賢く備える

避難所生活において、飼い主さんが最も悩み、周囲の方とトラブルになりやすいのが「排泄」の問題です。臭いや汚れは衛生環境を悪化させるため、万全の対策が必要です。
普段使っているトイレトレーをそのまま持ち出すのはサイズ的に難しいため、ペットシーツを多めに用意しましょう。トイレとしてだけでなく、汚れた体を拭いたり、寒さ対策としてケージの下に敷いたりと多用途に使えます。「ワイドサイズ」を選んでおくと、吸水量も多く、広範囲をカバーできるので応用が利きます。
猫のためのトイレ対策
特に猫ちゃんの場合、トイレ環境が変わると排泄を我慢してしまい、最悪の場合、膀胱炎や尿毒症になるリスクがあります。これを防ぐためのポイントは「匂い」です。
「使い慣れた猫砂(排泄物の匂いが少しついたもの)」をコップ一杯分ほどジップロックなどに入れて持ち出し袋に入れておきましょう。避難先でこれをシーツや簡易トイレに撒くことで、「ここは自分の場所だ」と認識し、安心して排泄できるようになります。
段ボールで作る簡易トイレの作り方
もしもの時には、支援物資の空き箱などを利用して簡易トイレを自作することができます。
- 猫が入れるサイズの段ボール箱を用意し、底をガムテープで補強する。
- 箱の中に大きなポリ袋(45Lゴミ袋など)を二重に被せる。
- 中にちぎった新聞紙やペットシーツを敷き詰める。
- 持参した「匂い付きの猫砂」を少し撒く。
新聞紙のインクには炭素が含まれており、消臭効果も期待できます。使用後は中のポリ袋の口を縛って捨てるだけなので衛生的です。
そして、排泄物を処理するための袋は、一般的なポリ袋ではなく、「BOS」などの医療用レベルの高機能防臭袋を強くおすすめします。避難所ではゴミ回収がすぐに来ないこともあり、何日もゴミを手元に置いておく必要があります。臭いを完全に封じ込めることができる袋は、飼い主さんの精神的な負担を大きく減らしてくれますよ。
身近なもので代用するアイデアについては、買わない防災!身近なもので代用するアイデアの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダイソーなど100均で揃う便利な用品

防災グッズを全てペットショップや専門店で揃えると、どうしても費用がかさんでしまいますよね。ですが、実は「ダイソー」「セリア」「キャンドゥ」といった100円ショップでも、十分に防災グッズとして使える優秀なアイテムがたくさんあります。消耗品や小物は賢く100均を活用しましょう。
| アイテム | 防災での用途・活用法 |
|---|---|
| 洗濯ネット | 猫の脱走防止・保定に必須。粗目と細目のサイズ違いで用意。 |
| 結束バンド | ケージの扉固定、補修、迷子札の取り付けなど万能。 |
| 黒色ポリ袋 | 排泄物など中身を見せたくないゴミの処理に最適。 |
| 圧縮タオル | 水で戻すとタオルになる。コンパクトで備蓄スペースを圧迫しない。 |
| LEDライト | 首輪につけるタイプや、ケージ内を照らすランタン代わりに。 |
| カラビナ | リードの一時的な係留や、キャリーへの小物吊り下げに。 |
| 銀マット | アルミシート。ケージの下に敷くことで床からの冷えを遮断。 |
特に「洗濯ネット」は、猫を飼っている方にとっては「神器」とも言える最重要アイテムです。これについては後ほどのセクションで詳しく解説しますが、100均に行ったら必ずサイズ違いで確保しておいてください。
ニトリやワークマンで代用できるグッズ

最近では、ホームファッションの「ニトリ」や、作業服の「ワークマン」の高機能な商品が、防災グッズとしても注目されています。「ペット専用」として売られていなくても、視点を変えれば非常に頑丈で使いやすい防災用品になります。
ニトリの活用例
ニトリの「ペットキャリートート」などは、3,000円前後という手頃な価格でありながら、ポケットが多く機能性が高いため、一時的な避難移動や通院には十分使えます。また、折りたたみできる布製の収納ボックスは、避難所でペットの隠れ家(シェルター)としても使えますし、吸水性の高いマイクロファイバータオルは、雨に濡れたペットを拭くのに最適です。
ワークマンの活用例
ワークマンの商品は、過酷な現場での使用を想定しているため、耐久性と防水性に優れています。
- 革手袋: 瓦礫の撤去だけでなく、パニックになって噛み付いてしまったペットを保護(保定)する際に、飼い主の手を怪我から守るのに役立ちます。
- 踏み抜き防止インソール: 1,000円以下で購入でき、普段のスニーカーに入れるだけで釘やガラス片から足裏を守れます。飼い主が歩けなくなれば、ペットを運ぶこともできません。
- 防水ウェア: 雨天時の避難で、飼い主が濡れて体温を奪われるのを防ぎます。ポケットが多いタイプなら、ペット用品を小分けにして持ち運べます。
避難に必須のキャリーと迷子札の重要性

避難所への移動や滞在において、キャリーバッグ(クレート)はペットの「家」であり「鎧」となる重要なアイテムです。
布製のソフトキャリーやスリングは軽量で持ち運びやすいですが、防災の観点からは「ハードタイプのクレート(プラスチック製)」を強く推奨します。
その理由は主に2つあります。
- 防御力: 移動中に瓦礫が落下してきたり、転倒したりした場合、ソフトキャリーでは中のペットを守りきれません。
- 積み重ね: 避難所ではスペースが限られているため、ケージを積み重ねて保管する場合があります。ハードタイプなら積み重ねても潰れる心配がありません。
普段はソフトキャリーを使っている方も、防災用としてハードクレートを一つ用意し、普段から部屋に置いて「安心できる寝床」として慣らしておくことが重要です。
迷子札とマイクロチップのダブル装着
そして、絶対に忘れてはいけないのが「迷子札」と「マイクロチップ」です。災害時のパニックで、リードが外れたり、キャリーの扉が壊れて飛び出したりして迷子になるペットが後を絶ちません。首輪には必ず、飼い主の連絡先を書いた迷子札を付けてください。
マイクロチップは、首輪が外れても体内に残る「確実な身分証明書」です。リーダーがないと読み取れないという弱点はありますが、保護センターなどでの身元確認には絶大な効果を発揮します。「迷子札」で一般の方への周知を、「マイクロチップ」で公的機関への証明を行う、このダブル装着が鉄則です。
常備薬や療法食など健康管理グッズの備蓄

持病がある子、シニアでお薬を飲んでいる子にとって、薬と療法食はまさに「命綱」です。これらは災害時に最も入手困難な物資の一つであり、避難所に来る支援物資の中に、その子に合った薬や療法食が含まれている確率はほぼゼロと言っていいでしょう。
かかりつけの獣医師に相談し、可能であれば少し多めに薬を処方してもらいましょう。薬は持ち出し袋に入れっぱなしにせず、使用期限を確認しながら、新しいものと入れ替えていくローリングストックを心がけてください。
また、情報のバックアップも重要です。
- 「お薬手帳」の現物
- 処方されている薬の名前、量、回数をメモしたノート
- ワクチン接種証明書のコピー
- 飼い主と一緒に写っているペットの写真(プリントしたもの)
これらを防水の袋に入れてセットにしておきましょう。スマホの充電が切れても、紙媒体なら誰にでも情報を見せることができます。所有権の証明にもなりますよ。
人間のための常備薬やポーチの中身については、0次の備えポーチの中身リストの記事も参考に、飼い主さん自身の備えも万全にしておいてくださいね。
避難所で役立つ犬や猫のペット防災グッズと活用術

いざ避難所に到着しても、そこからが長い避難生活の始まりです。集団生活の中でペットと快適に過ごすためのグッズと、知っておくべきルールについて解説します。
同行避難と同室避難の違いと基本ルール

ここが多くの飼い主さんが陥りやすい一番の誤解ポイントなのですが、「同行避難」とは「飼い主がペットと一緒に安全な場所まで避難行動をとること」を指し、「避難所の同じ部屋(居住スペース)で一緒に過ごせること(同室避難)」を保証するものではありません。
実際の多くの避難所では、動物アレルギーを持つ方や、動物が苦手な方への配慮、そして衛生管理の観点から、人の居住スペースとペットの飼育スペースを明確に分ける「ゾーニング」が行われます。(出典:環境省『人とペットの災害対策ガイドライン』)
つまり、ペットは別の部屋、あるいは屋外のテントや渡り廊下、駐輪場などで、ケージに入れて管理される可能性が高いのです。「ずっと一緒にいられる」と思い込んで避難所に行くと、離れ離れになった時にペットも飼い主も大きなショックを受けてしまいますし、運営側とのトラブルの原因にもなります。
事前に自治体のホームページやハザードマップを確認し、最寄りの避難所が「屋内飼育可」なのか「屋外飼育」なのか、どのような受け入れ体制をとっているか確認しておきましょう。
犬はマナーウェアや予備リードで管理

慣れない避難所生活のストレスで、普段はトイレを失敗しない子でも粗相をしてしまうことがよくあります。避難所の床や壁を汚してしまうと、ペットの受け入れ自体が拒否されてしまうことにもなりかねません。
マナーウェア(犬用おむつ)を着用させることで、マーキング防止になり、周囲への配慮も示せます。サイズが合うものを最低でも3日分程度は用意しておきましょう。女の子の場合はヒート(生理)対策としても必須です。
また、リードは命綱です。災害時は何が起こるかわかりません。リードが切れたり、ナスカンが壊れたりすることに備え、予備のリードと首輪を必ずセットで持ち出してください。避難所内では、長く伸びる「伸縮リード(フレキシブルリード)」は他の方の足を引っ掛ける危険があるため不向きです。しっかりと制御できる固定長のリードを用意しましょう。
普段大人しい犬でも、地震の恐怖や知らない人ばかりの環境でパニックになり、人を噛んでしまうことがあります。口輪(マズルガード)を一つ用意しておき、普段から装着する練習をしておくと、怪我の処置をする際や、どうしても興奮が収まらない時に役立ちます。
猫は洗濯ネットで脱走防止とパニック対策

先ほど100均グッズの項目でも触れましたが、猫の防災において「洗濯ネット」は最強の防災グッズです。
猫はパニックになると狭い隙間に逃げ込んだり、高所に登ろうとしたり、鋭い爪で飼い主を傷つけたりして制御不能になります。キャリーに入れる前に、まず猫を洗濯ネットに入れてください。
洗濯ネットの3つのメリット
- 脱走防止: 万が一キャリーの扉が開いたり壊れたりしても、ネットに入っていればすぐには逃げられません。二重のロックとなります。
- 安心感: 猫は体が何かに密着していると落ち着く習性があります。ネットが体を包み込むことで、パニックを鎮める効果があります。
- 処置が容易: ネットに入れたまま、獣医師による注射や点滴などの医療処置が可能になります。暴れる猫を診察する際、獣医師にとっても非常に助かるアイテムです。
キャリーに入れた後は、大きめのタオルや毛布(できれば普段使っていて家の匂いがついているもの)でキャリー全体を覆い、外の景色を見せないようにしましょう。視覚的な刺激を遮断することで、猫の恐怖心を和らげることができます。
車中泊や在宅避難に必要な暑さ対策

避難所に入れない、あるいは他の避難者への気兼ねから「車中泊」や、自宅が無事な場合の「在宅避難」を選択することもあるでしょう。この時、最も命に関わるのが温度管理、特に夏場の熱中症です。
停電していればエアコンは使えません。車中泊の場合、防犯上の理由などで窓を閉め切ると、エンジンを切った瞬間に温度が上昇し、数分でサウナ状態になります。かといってエンジンをかけっぱなしにするのは、燃料の枯渇や、雪害時のマフラー埋没による一酸化炭素中毒のリスクがあり大変危険です。
電池式の扇風機、ひんやりマット、凍らせたペットボトル(保冷剤代わり)、水で濡らして絞るだけのクールタオルなど、電気を使わない冷却グッズを必ず準備してください。
車中泊では、日陰を選んで駐車し、窓にはカー用品店などで売っているメッシュカバー(網戸)をつけて風通しを良くするなどの工夫が必須です。そして、絶対にペットだけを車内に残して離れないようにしてください。短時間でも命取りになります。
犬や猫のペット防災グッズを見直し命を守る

ここまで、犬や猫の防災グッズについて詳しく解説してきました。最後に改めてお伝えしたいのは、「防災用品は、日常の延長線上にある」ということです。
特別な高価なものを慌てて揃える必要はありません。普段食べているフードを「1袋多く買う」。使わなくなったタオルや古着を「捨てずに取っておく」。100均に行ったら「これ、避難所で使えるかも?」という視点で商品を見てみる。
そんな小さな意識の積み重ねが、いざという時にあなたの大切な家族を守ります。災害はいつ来るかわかりませんし、防ぐこともできません。でも、備えがあれば不安は確実に減らせます。「まだ何もしていない」という方も、まずは今日、おうちにあるお水とフードのストックを確認することから始めてみませんか?
言葉を話せない彼らの命を守れるのは、飼い主であるあなただけなのですから。
