MENU

日本の2月は災害が多い?過去の地震や豪雪事例から学ぶ防災対策

過去の2月の災害

日本の2月は災害が多い?過去の地震や豪雪事例から学ぶ防災対策

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

暦の上では立春を過ぎ、少しずつ春の足音が聞こえてくる2月。しかし、防災の現場に身を置く私からすると、2月は決して油断できない「特異な月」という印象を持っています。「2月は日数が少ないから、災害に遭う確率も低いのでは?」なんて思っていませんか?実は、日本の過去の災害記録を紐解いてみると、この時期には極めて過酷な自然環境と社会的要因が重なった重大な災害が頻発しているのです。

西高東低の冬型の気圧配置がもたらす日本海側の豪雪はもちろんですが、太平洋側の都市機能を麻痺させる突発的なドカ雪、さらには東日本大震災の余震活動や火山噴火など、私たちの命や生活基盤を脅かすリスクがこれでもかというほど潜んでいます。特に、2014年の関東甲信豪雪や2018年の福井豪雪がいつ発生し、どのようなプロセスで都市を孤立させたのか。また、3.11の記憶を呼び起こす2月13日の福島県沖地震がなぜ起きたのか。これらを「過去の話」として片付けるのではなく、明日の我が身を守る教訓として正しく知っておくことが重要です。

この記事では、過去の2月に日本で起きた災害事例を深掘りし、ホテルニュージャパン火災のような人災の教訓から、明日起こるかもしれない水道管の凍結が何度から発生するのか、そして万が一凍結してしまった時のプロ直伝の直し方まで、防災士の視点で徹底的に解説します。「知らなかった」で後悔しないために、ぜひ最後までお付き合いください。

  • 過去の2月に発生した豪雪や地震の具体的な事例と被害拡大のメカニズム
  • 都市部での大雪や立ち往生に巻き込まれた際の具体的な生存戦略
  • 冬場の地震リスクに対する正しい家具固定や寒冷期特有の備蓄知識
  • 水道管凍結の危険ラインとトラブルを未然に防ぐプロの対処法

冬の停電、どうする?2月に見直す寒さ対策防災

2月の寒い時期の対策
地図で見る2月の過去の災害
目次

過去の2月に日本で発生した気象災害の傾向

2月の日本で起こりやすい雪や寒波などの気象災害をイメージした冬の街と自然の風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

2月の日本列島は、真冬の寒さがピークを迎えつつ、季節が春へと移ろい始めるため、大気の状態が非常に不安定になります。この時期の気象災害の特徴として、日本海側では連日の降雪による積雪増加、太平洋側では普段雪の降らない地域での突発的な大雪が挙げられます。過去のデータを分析すると、都市機能が高度に集積した現代において、わずかな雪が物流や交通網を寸断し、社会全体を麻痺させる事例が目立っています。ここでは、なぜ2月にこうした雪害が集中するのか、そのメカニズムと過去の事例から学ぶべき教訓を詳細に紐解いていきます。

2月の過去の豪雪事例に見る被害の特徴

2月の豪雪で住宅や街に大量の雪が積もる様子と雪害の特徴を伝える実写風イメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

日本の冬、とりわけ2月の気象災害を語る上で避けて通れないのが「豪雪」です。過去の事例を詳しく分析すると、被害には明確な2つのパターンがあることが見えてきます。それは、「日本海側の持続的な積雪災害」と「太平洋側の都市型雪害」という、性質の異なる脅威です。

西高東低と南岸低気圧の違い

日本海側では、シベリア高気圧から吹き出す冷たい季節風が日本海を渡る際に大量の水蒸気を補給し、日本列島の脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)にぶつかることで雪雲が発生します。これが「西高東低」と呼ばれる冬型の気圧配置による雪で、サラサラとした乾いた雪が降り続くのが特徴です。

一方、2月に特に警戒が必要なのが、本州の南岸を低気圧が進む「南岸低気圧」の存在です。この低気圧が北からの寒気を引き込みながら通過すると、普段は雪に慣れていない関東や東海の平野部に、水分をたっぷりと含んだ「湿った重い雪」をもたらします。

湿った雪の破壊力にご注意を
南岸低気圧による雪は、日本海側の雪とは比較にならないほど重量があります。この湿った雪の重さが、カーポートや簡易屋根の倒壊、ビニールハウスの圧壊、そして電線への着雪による大規模停電といった物理的な被害を引き起こす主原因となります。「たかが20センチ」と侮ると、建築物に数トンもの負荷がかかることがあるのです。

2014年の大雪による都市部の孤立と教訓

2014年の大雪で都市部の道路や交通が雪により機能停止した状況を想起させる風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

都市の雪に対する脆弱(ぜいじゃく)性が最悪の形で露呈したのが、2014年(平成26年)2月中旬に関東甲信地方を襲った記録的な大雪です。この災害は、現代の防災史においても重要な転換点となりました。甲府市では観測史上最大となる114cmの積雪を記録し、東京都心でも2週続けての大雪となり、交通網が完全に麻痺しました。

この災害で特筆すべきは、「物流の寸断」と「集落の孤立」が同時多発的に発生したことです。高速道路や主要な国道が雪で通行不能となり、除雪車さえ現場に到達できない状況に陥りました。その結果、スーパーやコンビニの棚から食料や日用品が一瞬で消え去り、都市部であっても「兵糧攻め」のような状態になりました。また、山間部では道路が閉ざされ、多くの集落が数日間にわたり外界から隔絶される孤立状態となりました。

命に関わる車中泊のリスク:一酸化炭素中毒
この時、多くのドライバーが雪道での立ち往生により車内待機を余儀なくされましたが、ここで最も恐ろしい事故が多発しました。それが一酸化炭素(CO)中毒です。積雪でマフラーの排気口が塞がれた状態でエンジンをかけ続けたため、行き場を失った排気ガスが車体の隙間から車内に逆流し、就寝中のドライバーが命を落とす事例が相次ぎました。

この痛ましい教訓から、私たちは「雪道で立ち往生した際は、原則としてエンジンを切る」「どうしても暖を取る場合は、マフラー周りの除雪を頻繁に行う」こと、そして何より「大雪予報が出ている時は、無理な外出を絶対に控える」ことの重要性を学びました。

大雪時の車のトラブルや対策については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ドライバーの方はぜひ併せてご覧ください。

大雪で車が立ち往生した時の対策と生存戦略

福井豪雪はいつ発生し何をもたらしたか

福井豪雪を思わせる日本海側の街で道路脇に高く積もった雪と冬の生活風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

「昭和56年豪雪以来の猛威」と言われたのが、2018年(平成30年)2月上旬に北陸地方を襲った「平成30年豪雪(通称:福井豪雪)」です。福井市では積雪が147cmに達し、平年の約4倍もの雪が降り積もりました。この豪雪は、雪国である北陸の都市機能さえも停止させました。

この災害が私たちに突きつけた最大の課題は、「主要幹線の麻痺が地域経済を完全に止めてしまう」という現実です。北陸地方の大動脈である国道8号線では、約1,500台もの大型トラックや乗用車が最大で約66時間(3日間近く)にわたり立ち往生しました。これにより物流が完全にストップし、市民生活に深刻な影響が出ただけでなく、産業界にも大きな打撃を与えました。

また、除雪作業中の人的被害も多発しました。屋根の雪下ろし中の転落事故だけでなく、家の前の側溝に雪を捨てようとして誤って転落する事故や、家庭用の小型除雪機に巻き込まれて指や腕を失う事故など、一般市民が作業中に被害に遭うケースが目立ちました。雪に慣れているはずの地域の方々でさえ、連日の除雪疲れや想定を超える積雪量は判断力を鈍らせ、普段ならしないようなミスを誘発してしまうのです。

過去の大雪災害事例から学ぶ!歴史的被害と今後の対策を解説

水道管の凍結は何度から警戒すべきか

冬の寒さで屋外の水道管や蛇口が凍結するリスクを表した実写風の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

大規模な災害ではありませんが、2月の厳冬期に私たちの生活を脅かす最も身近で深刻なトラブルが「水道管の凍結」です。朝起きて顔を洗おうとしたら水が出ない、あるいは留守中に水道管が破裂して家中が水浸しになり、家財が全滅する…といった事態は、寒冷地だけでなく、むしろ対策が不十分な温暖な地域(関東以西)でこそ起こりやすい傾向にあります。

では、具体的に気温が何度になったら警戒すべきでしょうか?一般的には「最低気温がマイナス4度(-4℃)」を下回ると凍結事故が急増すると言われています。

-4℃に達しなくても凍る「魔の条件」
気温計の数値が-4℃まで下がらなくても、以下のような条件の場所では、風速による冷却効果(ウィンドチル)などで凍結リスクが高まります。
・北向きの日陰にある水道管や給湯器
・強い寒風が直接当たる場所にある配管
・保温材が劣化して剥がれている、またはむき出しになっている水道管

天気予報で「今季最強の寒波」や「氷点下の冷え込み」が報じられたら、寝る前に蛇口から鉛筆の芯くらいの太さで水を出し続ける(いわゆる「チョロ出し」)か、寒冷地にお住まいの方は確実に水抜栓を操作して「水抜き(水落とし)」を行うことが、物理的に凍結を防ぐ最強の予防策です。

万が一の時の水道凍結の正しい直し方

凍結した水道管をタオルとぬるま湯で安全に解凍する正しい対処方法のイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

もし、不運にも水道管が凍結して水が出なくなってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?ここで、焦って絶対にやってはいけないNG行動があります。それは、「凍った水道管や蛇口に、いきなり熱湯をかけること」です。

熱湯は破裂のトリガーになります!
凍って収縮している金属や樹脂の配管に熱湯をかけると、急激な温度変化による熱膨張に耐えきれず、配管が破裂(バースト)する恐れが非常に高いです。破裂すると、専門業者による修理費用が高額になるだけでなく、マンションなどの集合住宅では階下への漏水事故にも発展し、損害賠償問題になりかねません。

パニックにならず、以下の正しい手順で対処してください。

推奨される解凍方法具体的な手順とポイント
自然解凍を待つ気温の上昇とともに自然に溶けるのを待つのが、配管への負担がゼロで最も安全・確実です。急ぎでない場合はこれがベストです。
ぬるま湯をかける凍結していると思われる蛇口や配管にタオルを巻き、その上から「50度程度のお湯(手で触れるくらいのぬるま湯)」をゆっくりとかけます。タオルがお湯を含んでじんわりと温めてくれます。
ドライヤーを使うドライヤーの温風を凍結部分に当てて、遠くから徐々に近づけるようにしてゆっくりと温めます。特定の場所だけでなく、全体を温めるのがコツです。
使い捨てカイロを使う使い捨てカイロをタオルや布で巻き、蛇口や配管に巻き付けて固定し、時間をかけて内部から溶かします。

過去の2月に日本で多発した震災や人的災害

2月に地震や火災などの災害が起こりやすいことを伝える冬の静かな街並み
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

2月は雪の脅威だけでなく、地震や火災といった災害も歴史的に多く発生しています。特に東日本大震災に関連する大きな地震や、昭和史に残る悲劇的な大火災などは、私たちに「災害は季節を選ばず、突然日常を奪う」という冷徹な事実を突きつけています。ここでは、寒さ厳しい2月に発生したこれらの災害事例を振り返り、今私たちが備えておくべき対策を考えます。

2月の福島県沖地震と余震リスクへの備え

冬の地震や余震に備え、停電時でも落ち着いて行動する家庭の様子を表したイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

まだ記憶に新しいのが、2021年(令和3年)2月13日の深夜、午後11時8分頃に発生した「福島県沖地震」です。福島県や宮城県で最大震度6強を観測したこの激しい揺れについて、気象庁は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震と考えられる」と発表しました。(出典:気象庁『令和3年2月13日23時08分頃の福島県沖の地震について』

震災から10年という長い月日が経過してからの巨大な余震に、多くの人が驚きと恐怖を感じました。この事例は、巨大地震の影響は10年単位、あるいはそれ以上の長期間にわたって続くということを科学的に示しています。また、2月という極寒の時期に停電や断水が発生すると、暖房機器が使えずに低体温症のリスクが高まるなど、夏場の地震とは比較にならない過酷な避難生活を強いられることになります。

2月13日の地震被害と家具固定の重要性

地震対策として家具を固定し、室内被害を防ぐ重要性を伝える住宅内の様子
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

2021年の福島県沖地震では、揺れの大きさに対して建物の倒壊は比較的少なかったものの、室内の家具が転倒したり、食器棚の中身が散乱したりする被害が多くの家庭で見られました。発生時刻が深夜であったため、就寝中に転倒したタンスの下敷きになりかけたり、暗闇の中で散乱したガラス片や食器を踏んで足を負傷する人が続出しました。

この時、被害を最小限に抑えられた家庭に共通していたのは、「家具の固定」を徹底していたことです。L字金具で壁に固定したり、突っ張り棒と耐震マットを正しく組み合わせて対策をしていた家庭では、同じ震度6強の揺れでも被害が劇的に少なかったという報告があります。

今すぐできる命を守る地震対策
・寝室には背の高い家具を絶対に置かない(レイアウト変更)。
・家具の転倒防止器具を取り付ける(壁にネジ止めするL字金具が最強)。
・スリッパや靴、懐中電灯を寝室の手の届く場所に置いておく(避難時の足の保護と明かりの確保)。

家具の固定方法や、備蓄しておくべき具体的なアイテムリストについては、以下の記事で防災士の視点から詳しくまとめています。

地震の前兆と予想の嘘ホント!最新情報と防災士の備え

ホテルニュージャパン火災の原因と教訓

火災時の避難を意識し非常階段へ続く通路を確認する重要性を示す建物内の風景
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

少し時代を遡りますが、1982年(昭和57年)2月8日に東京・赤坂で発生した「ホテルニュージャパン火災」も、2月の災害史において決して忘れてはならない出来事です。この火災では、宿泊客を中心に33名もの尊い命が失われました。

その後の調査で、この火災の原因は単なる失火ではなく、スプリンクラーの未設置、防火扉の不作動、火災報知機の故障放置など、経営側が安全管理を放棄した末に起きた「人災」の側面が極めて強かったことが明らかになりました。また、空気が乾燥しやすい2月という気象条件が、火の回りを早くした要因の一つとも言えます。

私たちがこの悲劇から学ぶべき最大の教訓は、「自分の身は自分で守る意識を持つ」ことです。具体的には、ホテルや旅館に泊まる際、または初めて訪れる商業施設に入った際、「非常口(避難階段)がどこにあるかを目で見て確認する」習慣をつけることです。これを確認しておくだけで、万が一煙に巻かれた時の生存率は大きく変わります。

2月の悪天候が招いた過去の重大事故

吹雪や悪天候により視界が悪化する冬の道路や交通環境を表したイメージ
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

2月の厳しい気象条件は、交通機関にとっても最大の敵となります。例えば、1947年2月に発生し184名が犠牲となった国鉄八高線の脱線転覆事故や、過去の航空機事故など、吹雪や視界不良が引き金となった事故が歴史上いくつも記録されています。

現代の鉄道や航空機は安全技術が飛躍的に向上していますが、それでも「ホワイトアウト」と呼ばれる、天地の境目さえわからなくなる猛吹雪は脅威です。視界がゼロになる状況では、最新鋭の機械でも安全な運行は困難になります。旅行や出張の計画がある場合、無理に移動しようとせず、天気予報を見て「勇気ある撤退(計画変更)」を決断することが、事故に巻き込まれないための最大の自衛策です。

過去の2月に日本で起きた災害の対策総括

2月の災害に備えて家族で防災用品や寒さ対策を確認する前向きな生活シーン
ふくしまの防災 HIH ヒカリネット・イメージ

ここまで見てきたように、2月の日本は「豪雪」「地震」「火災」「凍結」という、性質の異なるリスクが複合的に存在する月です。最後に、それぞれの災害タイプに対する重要な対策をまとめます。これを参考に、ぜひご家庭での備えを見直してみてください。

災害タイプ主なリスクの特徴今すぐできる具体的な対策
豪雪車の立ち往生、集落孤立、物流停止車の燃料は常に満タンにする、スコップ・毛布・非常食を車載する、不要不急の外出を控える勇気を持つ
地震家具転倒、停電時の極寒、余震家具の固定(L字金具推奨)、カセットコンロ・ガスボンベの備蓄、防寒着・カイロの確保、寝室の安全地帯化
火災空気乾燥による急速な延焼暖房器具の周りに燃えやすい物を置かない、コンセントのトラッキング現象対策、宿泊時の避難口確認
凍結水道管破裂、長期断水氷点下予報時の水抜き・チョロ出し、露出配管への保温材巻き付け、解凍時に熱湯を絶対に使わない

「過去を知ることは、未来を守ること」に繋がります。2月は春を待つ希望の季節ですが、同時に自然の厳しさが牙をむく季節でもあります。防災の意識を少しだけ高めて、いざという時に冷静に行動できるよう準備をしておきましょう。この記事が、皆さんと大切なご家族を守る防災対策の一助になれば幸いです。

この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

目次