雨温図の見分け方を中学生向けに解説

雨温図の見分け方を中学生向けに解説
こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。
中学の地理で出てくる「雨温図(うおんず)」。グラフがたくさん並んで、どれがどの気候だか、見分け方がさっぱりわからない…なんて悩んでいませんか?私も学生のころ、熱帯や乾燥帯、温帯、冷帯といった気候帯のグラフの読み方で苦労した記憶があります。
北半球と南半球の違いはどこで見るの?サバナ気候と地中海性気候ってどう違うの?日本の気候区分まで出てくると、もうお手上げだ…と感じるかもしれませんね。
でも大丈夫です。雨温図の見分け方には、ちゃんとした「コツ」と「順番」があります。この記事では、中学生のみなさんにも分かりやすく、雨温図を読み解くための基本的なフローチャートや、簡単な覚え方を紹介していきます。気候を知ることは、実は台風や大雪といった地域の天気を知り、防災を考える第一歩にもなるんですよ。
- 雨温図のグラフの基本的な読み方
- 北半球と南半球の簡単な見分け方
- ケッペンの気候区分(熱帯・乾燥帯・温帯・冷帯)の判別法
- 日本の気候区分の特徴と見分け方
📌苦手な人が多い「雨温図」ですが、実はちゃんとした「コツ」と「順番」さえ覚えれば簡単に読み解けます!この動画では、中学生向けにその攻略フローチャートをわかりやすく解説します。テスト勉強や復習に役立ててください!
雨温図の見分け方!中学生向け基本


まずは、雨温図を見たときに「どこからチェックすればいいか」という基本のキからおさらいしましょう。このセクションでは、グラフの基本的な見方から、北半球と南半球の区別、そして最も特徴的な気候帯(熱帯・乾燥帯)の見分け方まで、最初のステップを丁寧に解説します。ここをマスターするだけで、世界の気候を見分けるのがグッと楽になりますよ。
気温と降水量のグラフ読み取り方

雨温図は、見ての通り「折れ線グラフ」と「棒グラフ」という、2つのグラフが合体したものです。まずは、どっちが何を意味しているのかをしっかり確認しましょう。
折れ線グラフ(気温)のチェックポイント
折れ線グラフ = 気温(℃)です。
これは、その場所の1年間の「月ごとの平均気温」の変化を示しています。グラフの線が上にあるほど「暑い(気温が高い)」、下にあるほど「寒い(気温が低い)」ということを意味しますね。
とても大事なのが、グラフの「左側」にある縦軸の目盛り(単位:℃)を読むことです。テストではここを間違えないように注意しましょう。
棒グラフ(降水量)のチェックポイント
棒グラフ = 降水量(mm)です。
これは、その場所の1年間の「月ごとの降水量」を示しています。棒が長いほど「雨が多い(湿潤・雨季)」、短い(低い)ほど「雨が少ない(乾燥・乾季)」ということを意味します。
降水量は、グラフの「右側」にある縦軸の目盛り(単位:mm)を読むのが一般的です。気温とは読む場所が違うので、ここもポイントですね。
読み取りの核心:2つを関連づけること 雨温図の読み取りで一番大事なのは、この2つをバラバラに見るのではなく、「気温が高い時期に、雨が多いのか?少ないのか?」というように、常に関連づけて見ることです。
例えば、「夏(気温の山)に雨(棒グラフ)も多い」なら日本の太平洋側、「夏(気温の山)に雨(棒グラフ)が少ない」なら地中海性気候、というように判断していくわけです。
北半球と南半球の見分け方

グラフをパッと見たら、まずは「気温の折れ線グラフ」の形だけに注目してください。これで、その場所が地球の北側(北半球)にあるのか、南側(南半球)にあるのかが、一発でわかります。
これは、地球が太陽の周りを回るときに、地軸が少し傾いているから起きる現象ですね。
北半球:グラフの真ん中に山
気温のグラフが、6月・7月・8月あたり(グラフの真ん中)をてっぺんにして「山なり」になっていたら、それは北半球です。
日本やヨーロッパ、アメリカ、中国など、私たちになじみ深い国々の多くは北半球なので、このパターンが一番見慣れているかもしれません。
南半球:グラフの両端に山
気温のグラフが、12月・1月・2月あたり(グラフの両端)が高く、真ん中(6月〜8月)が「谷底」になっていたら、それは南半球です。
オーストラリアや南アフリカ、ブラジル南部などがこれにあたります。北半球とは季節が真逆なので、グラフの形も逆さまになるんですね。
見分け方のポイントは「一番暑い月(山のてっぺん)」がいつか?
- 北半球:気温の山が6月〜8月(グラフの真ん中)
- 南半球:気温の山が12月〜2月(グラフの両端)
例外:熱帯はほぼ平坦
もし、折れ線グラフが明確な山や谷にならず、一年中ほぼ「平ら」で、しかも高い位置(だいたい25℃前後)で推移している場合は、それは赤道直下の「熱帯」である可能性が極めて高いです。一年中ずっと夏、というイメージですね。これも大事なパターンなので、しっかり覚えておきましょう。
熱帯は18℃の壁で見分ける

さて、北半球か南半球か(あるいは熱帯か)がわかったら、いよいよ気候帯の本格的な判別に入ります。
地理では「ケッペンの気候区分」という、ドイツの気候学者ケッペンさんが考えた世界共通のモノサシ(ルール)を使うのが一般的です。これは、気温と降水量の「数値」でキッチリ分類する方法なんですね。
まず注目するのは、最初の関門である「18℃の壁」です。
判定ポイント:「一番寒い月(最寒月)の平均気温が18℃以上か?」
もし答えが「YES」なら、そのグラフは「A気候(熱帯)」で決定です。一年中、どんなに寒くなっても18℃より暖かいということ。つまり、私たちの感覚でいう「冬」がまったくない気候ですね。グラフ全体がとても高い位置にあるのが特徴です。
豆知識:なぜ「18℃」なの? この18℃という数字は、熱帯の植物、特に「ヤシの木」が生育できるかどうかの限界のラインと言われています。中途半端な数字に見えますが、植物の分布に基づいた合理的な基準なんですね。
乾燥帯は棒グラフの低さで判断

熱帯(A気候)ではなかった場合、次にチェックするのは「気温」ではなく「降水量(棒グラフ)」です。
判定ポイント:「一年中、降水量が極端に少ない(棒グラフがほぼゼロ)か?」
もし答えが「YES」なら、それは「B気候(乾燥帯)」です。砂漠や、少しだけ草が生えるステップ(草原)と呼ばれる気候ですね。
気温は高いのに(あるいは高くなくても)、とにかく雨が降らないのが特徴です。グラフで見ると、気温の折れ線グラフはそれなりに変化しているのに、降水量の棒グラフが地面に張り付いたように低いので、これは視覚的にとても分かりやすいパターンかなと思います。
砂漠気候(BW)とステップ気候(BS)
乾燥帯(B気候)は、雨の少なさでさらに2つに分けられます。
- BW(砂漠気候):本当に雨がほぼゼロ。棒グラフが地面に張り付いている。
- BS(ステップ気候):砂漠よりは少しだけ雨が降る。短い雨季があり、棒グラフが少しだけ伸びる月がある。
補足:なぜ雨が降らないの? 乾燥帯の多くは、「亜熱帯高圧帯(あねったいこうあつたい)」という場所に位置しています。ここは「高気圧」の故郷のような場所で、一年中、上空から空気が押さえつけられる「下降気流」が発生しています。雨の元になる「雲」は「上昇気流」によってできるため、ここでは雲ができにくく、雨が降らないんです。
温帯と冷帯は-3℃が境界線

さて、「熱帯(A)でもないし、乾燥帯(B)でもない…」となったら、残る可能性は「温帯(C)」か「冷帯(D)」、あるいは「寒帯(E)」です。
(※E(寒帯)は、一番暑い月でも10℃未満という、一年中寒すぎる気候なので、グラフを見ればすぐにわかります)
ここで、日本も含まれる「温帯(C)」と、ロシアやカナダなどの「冷帯(D)」を見分けるのが、一番の難関かもしれません。どちらも四季があり、グラフの形が似ているからですね。
ここで使うのが2つ目の気温の壁、「-3℃の壁」です。
判定ポイント:「一番寒い月(最寒月)の平均気温が-3℃未満か?」
- YES(-3℃より寒い) → D気候(冷帯) 冬の寒さが非常に厳しく、平均気温でマイナス3℃を下回る気候です。シベリアなどがこれにあたりますね。
- NO(-3℃〜18℃の間に収まる) → C気候(温帯) 日本(北海道を除く)やヨーロッパの多くがここに含まれます。四季がはっきりしていますが、冬の寒さは冷帯ほど厳しくない、という気候です。
D(冷帯)の特徴:激しい寒暖差
冷帯(D気候)のグラフの大きな特徴は、夏と冬の気温差(年較差)がものすごく大きいことです。夏は20℃近くまで上がるのに、冬は-10℃や-20℃まで下がる…。このため、気温の折れ線グラフの「山と谷の差が激しい」形になります。
C(温帯)の特徴:四季があり、冬はマイルド
温帯(C気候)も四季はありますが、冬の落ち込みが-3℃までで止まります。この「18℃の壁」と「-3℃の壁」という2つの気温基準をマスターするだけで、気候帯の大きなグループ分けは完璧ですね。
豆知識:なぜ「-3℃」なの? これもケッペンさんが決めた基準ですが、一説には「積雪(根雪)が1ヶ月以上続くかどうか」のラインと言われています。ヨーロッパ大陸などでは、-3℃を下回ると、降った雪が春まで溶けずに残る目安とされたようです。ただし、これは日本の基準とは少し違うので、注意が必要ですね(後で説明します)。
雨温図の見分け方:中学生の応用編

お疲れ様です!「基本編」で大きな気候グループ(A〜E)が見分けられるようになりましたね。ここ「応用編」では、もう少し細かい分類に挑戦します。特にテストでよく問われる「同じグループ内での見分け方」や、「日本国内の特殊な分類」に焦点を当てていきます。ここを乗り越えれば、君も雨温図マスターです!
サバナ気候は乾季に注目

これは熱帯(A気候)の仲間で、「Aw(サバナ気候)」と呼ばれます。アフリカのライオンやキリンがいる、あの広大な草原の気候ですね。
熱帯(A気候)は、「一番寒い月でも18℃以上」というルールでしたが、そこからさらに2つに分かれます。
見分け方:「熱帯(一年中暑い)」+「雨季と乾季がハッキリしている」
グラフを見ると、気温(折れ線)はずっと高いままですが、降水量(棒グラフ)に「雨がほとんど降らない月(乾季)」がハッキリと現れます。棒グラフが数ヶ月だけガクンと低くなるのが目印ですね。
Af(熱帯雨林)との違い
熱帯のもう一方の雄が「Af(熱帯雨林気候)」です。この2つの違いは「乾季があるかないか」だけです。
熱帯(A気候)の見分け方(まとめ)
| 気候記号 | 気候名 | グラフの特徴 |
|---|---|---|
| Af | 熱帯雨林気候 | 気温:一年中高い(平坦) 降水:一年中、雨が多い(明確な乾季なし) |
| Aw | サバナ気候 | 気温:一年中高い(平坦) 降水:雨季と乾季がハッキリ分かれる(棒グラフが低い月がある) |
雨がなぜ降らない時期があるのかは、季節によって「亜熱帯高圧帯」が近づいてきたり遠ざかったりするからなんですね。このあたりは、上昇気流のでき方と天気の関係を知ると、より深く理解できるかもしれません。
地中海性気候の逆転パターン

これは温帯(C気候)の仲間で、テストで最も狙われやすい、最重要パターンのひとつ「Cs(地中海性気候)」です。名前の通り、イタリアやスペイン、ギリシャなどの地中海沿岸や、アメリカのカリフォルニアなどがこれにあたります。
見分け方:「温帯(冬が-3℃以上)」+「夏に乾燥し、冬に雨が降る」
これがなぜ重要かというと、ほとんどの気候(日本など)とは「逆」だからです。
普通、気温が高い夏は上昇気流が活発で雨が多くなります。しかし、地中海性気候は、気温が一番高い夏(6〜8月)に、降水量が一番少なく(乾季に)なります。そして、涼しくなる冬に雨が降るんです。
グラフの形:「気温の山」と「降水量の谷」が一致! この逆転パターンは、グラフの形にハッキリと表れます。 「気温の折れ線グラフの山のてっぺん」と、「降水量の棒グラフの谷の底」が、同じ月(夏)に重なるんです。この特徴的な形を見つけたら「地中海性気候だ!」と即答してOKです。
なぜ夏に雨が降らない?
すごく簡単に言うと、地中海性気候の場所は、夏の間だけ「乾燥帯(B気候)の仲間」になるからです。
夏になると、強力な「亜熱帯高圧帯」(さっき乾燥帯のところで出てきましたね)が北上してきて、その地域をスッポリ覆ってしまいます。その結果、下降気流が支配的になり、雲ができず、雨が降らない乾燥した夏になるんです。冬になると高圧帯が南下して、温帯の雨(偏西風による雨)が降るようになるんですね。
日本の気候区分もマスター

さて、ここまでは世界基準(ケッペン)の話でしたが、私たちにはもう一つ大事な「日本の気候区分」がありますよね。テストでも頻出です。
「北海道」「太平洋側」「日本海側」「瀬戸内」「中央高地」「南西諸島」の6つです。
これは、ケッペンの基準とは少し違う、日本独自のルール(特に冬の気温と降水量)で見分けていきます。なぜなら、日本は「季節風(モンスーン)」や「梅雨」、「台風」、そして中央の「山脈」の影響を強く受けるため、世界基準だけでは分類しきれない、とても個性的な気候だからです。
防災士の視点:なぜ日本の気候が大事? 日本の気候区分は、そのまま地域の「災害の特徴」と直結しています。これは防災を考える上で非常に重要です。
- 太平洋側気候(Cfa):夏に雨が多く、梅雨や台風の通り道になりやすい。→ 大雨・洪水・土砂災害・強風への備えが重要です。
- 日本海側気候(Cfa/Dfa):冬に北西の季節風が山にぶつかり、世界有数の豪雪地帯となる。→ 雪害(大雪、雪崩、屋根の雪下ろし事故、水道管凍結、交通麻痺による孤立)への備えが重要です。
気候を知ることは、自分の住む地域でどんな災害が起こりやすいかを知る第一歩なんです。例えば、台風がどうやってできるかや、雨雲や雪雲ができる仕組みを理科の視点で知っておくと、天気予報がもっと深く理解できるようになり、早めの避難行動にもつながりますよ。
注意:「-3℃」と「0℃」の壁の違い ケッペンの基準では、温帯(C)と冷帯(D)の境目は「最寒月-3℃」でした。しかし、日本の国内区分では、北海道(冷帯)と本州(温帯)の境目を「最寒月0℃」で分けることが多いです。 これは、日本が湿潤なため、-3℃もなくても0℃を下回れば「雪」や「凍結」による生活への影響が非常に大きくなるため、日本の実情に合わせてローカライズされた基準と言えますね。
日本の気候:判別ステップ
日本の6気候は、気温グラフの「両極端」と「標高」をまずチェックし、残りを「降水量パターン」で見分けるのがおすすめです。
日本国内6気候 判別フロー
- 【気温で判断(両極端)】
- Q1: 一番寒い月(1月)が 15℃以上 か? → YES:南西諸島気候(沖縄など。圧倒的に暖かい)
- Q2: (Q1がNOの場合)一番寒い月(1月)が 0℃未満 か? → YES:北海道気候(冬が氷点下)
- 【気温で判断(高地)】
- Q3: (Q1, Q2がNOの場合)夏(8月)が涼しい(20℃前後)か? → YES:中央高地気候(長野県など。標高が高いため夏が涼しいのが最大の特徴)
- 【降水量で判断(残りの3つ)】 (ここまでNOの場合、残りは「太平洋側」「日本海側」「瀬戸内」です。これらは夏の気温が似ているので、雨の降り方で見ます)
- Q4: 一年中の降水量が少ない(棒グラフが全体的に低い)か? → YES:瀬戸内気候(山に挟まれ、季節風や台風の影響を受けにくいため)
- Q5: (Q4がNOの場合)冬(12月〜2月)の降水量が夏より多いか? → YES:日本海側気候(冬の季節風による大雪がグラフに表れる)
- Q6: (Q4, Q5がNOの場合) → 太平洋側気候(夏に雨が多く(梅雨・台風)、冬は乾燥するのが特徴)
簡単な覚え方とフローチャート

お疲れ様です!たくさんのルールが出てきましたが、一度に覚えようとしなくて大丈夫です。まずは「世界の気候」を見分けるための、簡単なフローチャートをおさらいしましょう。雨温図を見たら、この順番で「はい」「いいえ」をチェックしてみてください。
【決定版】雨温図 見分け方 フローチャート(世界編)
- Q1. 一番寒い月が 18℃以上 か?(気温グラフが一年中高い) → YES:A(熱帯)へ ・(a) 雨季と乾季がハッキリ? → Aw(サバナ) ・(b) 一年中雨が多い? → Af(熱帯雨林) → NO:Q2へ
- Q2. 一番暑い月が 10℃未満 か?(気温グラフが一年中低い) → YES:E(寒帯) → NO:Q3へ
- Q3. 一年中、雨がほぼゼロか?(降水棒グラフが地面に張り付いている) → YES:B(乾燥帯) → NO:Q4へ
- Q4. 一番寒い月が -3℃未満 か?(冬がメチャクチャ寒い) → YES:D(冷帯) → NO:C(温帯)へ(最後のステップ)
- C(温帯)の仲間たち(雨の降り方で判別) ・(a) 夏に乾燥(雨が少ない)? → Cs(地中海性)【最重要パターン】 ・(b) 夏に雨が多い? → Cfa(温暖湿潤) ※日本など ・(c) 一年中、雨が平均的? → Cfb(西岸海洋性) ※ヨーロッパなど
この流れを覚えておくだけで、ほとんどの雨温図は判別できるはずです。
記憶に残す「視覚パターン」
フローチャートの論理と合わせて、グラフの「形」で覚えてしまうのも有効です。
- Cs (地中海性): 気温の「山」と降水量の「谷」が一致する【逆転パターン】
- Aw (サバナ): 高温で平坦な気温 + 明確な乾季(棒グラフの深い谷)
- Cfb (西岸海洋性): なだらかな気温の山 + 一年を通じて平均的な高さの棒グラフ
- 日本海側: 北半球の気温(中央が山) + 冬(12月~2月)の棒グラフが夏より高い
これらの特徴的な形を「画像」としてインプットしてしまうと、テストでも瞬時に判断できるかもしれませんね。
雨温図の見分け方、中学生の総復習

最後に、雨温図の見分け方について、中学生のみなさん向けにポイントを総復習します。長い時間お疲れ様でした!
世界編のおさらい
まず、「気温(折れ線)」と「降水量(棒グラフ)」が何を示しているか、左右の目盛りを確認すること。次に、気温の山が「真ん中(北半球)」か「両端(南半球)」かを見ます。
それができたら、世界の気候は「18℃(熱帯の壁)」と「-3℃(冷帯の壁)」という2つの気温の壁、そして「降水量の少なさ(乾燥帯)」で大きく分類できましたね。特に「Cs(地中海性気候)」の逆転パターンは要チェックです。
日本編のおさらい
日本国内の気候は、世界基準とは少し違う「0℃(北海道の壁)」や「15℃(南西諸島の壁)」といった気温の目安が重要でした。そして、残った地域(本州・四国・九州)は、「冬の降水量(日本海側)」、「夏の涼しさ(中央高地)」、「雨の少なさ(瀬戸内)」といった特徴で見分けていきました。
防災士として伝えたいこと 一見、ただの暗記科目に見える雨温図ですが、そのグラフの形は、そのまま「その土地の気候風土」であり、「起こりやすい自然災害」を物語っています。
「なぜ日本海側は冬に棒グラフが高くなるのか?」→「冬の季節風が山にぶつかり大雪を降らせるから」→「だから雪害への備えが不可欠なんだ」というように、すべては繋がっています。
気候を学ぶことは、ニュースで聞く海外の様子や、日本の地域の特色を深く理解することに繋がります。そして何より、自分たちが住む地域の安全を考え、防災意識を高めるための大切な基礎知識になると、私は思います。
一見複雑に見えるグラフも、見る順番(フローチャート)を決めてしまえば、パズルのように解けるようになります。この記事が、みなさんの地理学習の助けになれば幸いです。
