太陽について小学生向けに防災士が解説!

小学生が太陽について学んでいる様子

太陽について小学生向けに防災士が解説!

こんにちは。「ふくしまの防災 HIH ヒカリネット」防災士の後藤です。

「太陽について 小学生向け」で検索されたということは、お子さんの夏休みの自由研究や、「なんで?」という素朴な疑問に、大人の私たちもきちんと答えてあげたい、そんな場面かもしれませんね。

太陽って、毎日当たり前のように空にありますが、いざ「太陽はなぜ燃えているの?」とか「太陽の本当の色はなに色?」と聞かれると、ちょっと自信がないかも…という方もいるかなと思います。ほかにも、太陽の大きさや温度、寿命や年齢はどれくらいなのか、そして太陽と月の大きさがなぜ同じに見えるのか、ふしぎなことがいっぱいですよね。

また、太陽のおかげでなぜ季節があるのか、地球に住む私たちにとって、太陽は本当に欠かせない存在です。この記事では、そんな太陽のふしぎについて、防災士の視点もすこし交えながら、小学生にも分かりやすくお話ししていこうと思います。

  • 太陽が燃えている理由や温度のふしぎ
  • 太陽と地球のつながり(季節や昼夜)
  • 太陽フレアの危険性と防災の知識
  • 夏休みの自由研究にも役立つ太陽の安全な見方
目次

太陽についての基本を小学生向けに解説

太陽の基本を学ぶ小学生の観察シーン 太陽とはどんな星かを学ぶイメージ

まずは、わたしたちがいちばん知りたい太陽の「正体」についてです。太陽って、いったい何でできていて、どれくらい大きくて、どれくらい熱いんでしょうか。

太陽は、じつは「恒星(こうせい)」とよばれる星のなかまで、自分自身の力でかがやいています。わたしたちの太陽系で、自分から光っているのは太陽だけなんですね。そんな太陽の基本的なプロフィールを、小学生のみなさんにも分かりやすく紹介しますね。

太陽はなぜ燃えているの?(核融合)

太陽の中心で核融合が起きているイメージ 太陽が燃えている理由の説明図

よく「太陽が燃えている」といいますが、実は学校の理科室で習うような、物が酸素(さんそ)とくっついて燃える「燃焼(ねんしょう)」とはちょっと違います。宇宙には酸素がありませんからね。

太陽がかがやき続ける理由は、その中心部で「核融合(かくゆうごう)」という特別な反応が、ずーっと起きているからです。

太陽は、そのほとんどが「水素(すいそ)」と「ヘリウム」というガスでできています。そして、太陽はものすごく重い(地球の33万倍!)ので、その重さで中心部はぎゅーっとおさえつけられています。

その結果、太陽の中心部(中心核)は、なんと温度が1600万度、圧力もすさまじい「超高温・高密度」の状態になっています。

この場所で、太陽の材料である「水素(すいそ)」の原子どうしが、あまりの熱と圧力でぶつかって合体し、「ヘリウム」という別の原子に変わります。このとき、ものすごい光と熱のエネルギーが生まれます。

太陽は、この核融合をエネルギー源にして、もう46億年ものあいだ、わたしたちに光と熱をとどけてくれているんですね。紙や木が燃えるのとはスケールが全然ちがうんです。

太陽の大きさと地球までの距離

太陽と地球の距離を示すイメージ 太陽がどれだけ大きいかを学ぶ

太陽って、空では手でかくれるくらい小さく見えますけど、本当はどれくらい大きいと思いますか?

太陽の直径(ちょっけい)は、なんと約139万km。これは地球の約109倍もあります。もし、太陽を大きなドッジボールだとすると、地球は小さなビーズ玉くらいの大きさにしかなりません。

体積(たいせき)でくらべると、太陽の中には、地球が約130万個も入ってしまう計算になるんですよ。太陽系の惑星(わくせい)たちをぜんぶあわせても、太陽系の重さの99%以上は太陽がしめている、というから驚きです。

じゃあ、そんなに大きい太陽がなぜ小さく見えるかというと、ものすごく遠くにあるからです。太陽から地球までの距離(きょり)は、平均で約1億4960万kmもあります。

光の速さで8分19秒!

光は、1秒間に約30万km(地球を7周半!)も進むことができます。それでも、太陽から出た光が地球にとどくまでには、約8分19秒もかかります。

つまり、今わたしたちが見ている太陽の光は、8分19秒前の太陽の姿なんですね。もし、太陽が急に消えてしまったとしても、わたしたちがそれに気づくのは8分19秒後、ということになります。

太陽の温度は何度?(中心と表面)

太陽の中心と表面の温度差を示すイメージ 太陽の内部構造をわかりやすく表現

太陽の温度は、場所によってぜんぜん違います。さっきもお話ししましたが、エネルギーを生み出している中心核(ちゅうしんかく)は、約1600万度です。もう熱すぎて想像もつかないですね。

一方で、わたしたちがふだん「まぶしい」と見ている、太陽の丸い表面(光球 こうきゅう)は、約6000度といわれています。これでももちろん超高温ですが、中心にくらべるとずいぶん低いんですね。

ちなみに、太陽の表面には「黒点(こくてん)」という黒いシミのような部分が見えることがあります。ここは、まわりより少し温度が低くて、約4000度です。じつは4000度でもじゅうぶん明るいのですが、まわりの6000度の部分が明るすぎるために、くらべて「黒く」見えているんですね。

太陽のふしぎ:コロナの謎

太陽には、科学者たちも頭をなやませる大きな謎があります。それは、太陽の表面(光球)をとりまく「コロナ」といううすいガスの温度です。

表面が6000度なのに対して、そのずっと上空にあるコロナは、なぜか100万度以上もの高温になっています。

ふつう、火(熱源)からはなれればはなれるほど、温度は下がるはずですよね。でも、太陽では「表面(6000度)」より、はるかにはなれた「コロナ(100万度)」のほうが熱い、という逆転現象が起きているんです。なぜこんなことが起こるのか、そのくわしい仕組みは、まだ完全には解明されていない、太陽の大きなふしぎの一つなんですよ。

太陽の本当の色はなに色?

太陽の本当の色と地球から見える色の違いを説明するイメージ

みなさんは、太陽を絵に描くとき、何色でぬりますか? きっと「黄色」や「オレンジ色」、夕焼けなら「赤色」でぬることが多いかなと思います。

でも、もし宇宙飛行士になって、宇宙から太陽を見たら、その本当の色は「白色(はくしょう)」に近いそうです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の説明では「うすい黄色」が一番明るい色だとされていますが、虹(にじ)の七色(赤・オレンジ・黄・緑・青・藍・紫)がぜんぶまじりあった色なんですね。

じゃあ、なぜ地球からは黄色っぽく見えるんでしょうか。それは、わたしたちの地球をとりまく「大気(たいき)」のせいです。

太陽の「白い光」が地球の大気にぶつかると、光のうち「青い光」は、空気のつぶにぶつかって、あちこちにちらばってしまいます。(これを「レイリー散乱」といいます)。この、ちらばった青い光がわたしたちの目に届くから、空は青く見えるんです。

そして、「白い光」から「青い光」がぬきとられたのこりの光(赤や黄色の光が多め)が、わたしたちの目に届くので、太陽はすこし黄色っぽく見える、というわけです。

夕焼けが赤く見えるのは、もっと分かりやすいですよ。夕方になると、太陽は地平線(ちへいせん)の近くにいきますよね。そうすると、太陽の光がわたしたちの目に届くまでに、昼間よりもずっとぶ厚い(長い距離の)大気の層を通ってこなければなりません。すると、青い光だけでなく、緑や黄色の光もとちゅうでちらばってしまい、いちばんちらばりにくい「赤い光」だけが、なんとかわたしたちの目に届くのです。だから、夕焼けや朝焼けはあんなに赤く見えるんですね。

太陽の寿命と年齢は?

太陽の寿命と年齢を表すイメージ 太陽の一生の変化を学ぶ図

太陽は、今から約46億年前に、宇宙のガスやちりが集まって生まれたと考えられています。わたしたちの地球(約46億年前に誕生)とだいたい同じくらい、お兄さんか同級生のようなものですね。

そして、太陽にも「寿命(じゅみょう)」があります。永遠にかがやき続けるわけではありません。

太陽の寿命は、ぜんぶで約100億年と考えられています。もう46億年たっているので、のこりの寿命はあと約50億年くらいです。まあ、50億年と聞いてもピンとこないくらい、まだまだ大丈夫そうですね。

あと50億年たつと、太陽は中心にある燃料(水素)を使い果たして、今のすがたではいられなくなります。そうすると、太陽は「赤色巨星(せきしょくきょせい)」というすがたに変わり、今の100倍以上に大きくふくらんでしまうと考えられています。そのとき、太陽にいちばん近い水星や金星、そしてわたしたちの地球も、まるごとのみこまれてしまうかもしれない…といわれています。

その後、太陽はだんだん縮んでいき、最後は「白色矮星(はくしょくわいせい)」という、小さくて暗い星になって、静かに冷えていくと考えられています。

太陽について小学生向け(地球との関係)

太陽と地球の関係を表したイメージ 太陽の光が地球に届く様子

太陽が、ただ遠くでかがやいているだけの星じゃないことは、みなさんも知っていますよね。ここでは、太陽とわたしたちの地球が、どれくらい深くつながっているのか、そして防災士の視点からすこし注意したい太陽の活動についてお話しします。太陽は「めぐみ」をくれる存在ですが、時には「おそろしい」一面も見せるんです。

なぜ季節や昼と夜があるの?

地球の自転と公転による昼夜と季節の違いを示すイメージ

地球に「昼」と「夜」があるのは、とてもかんたんです。地球がコマのように自分で回っている「自転(じてん)」をしているからです。太陽の光が当たっているがわが昼、当たっていない反対がわ(かげ)が夜になります。これはイメージしやすいですよね。

では、「夏」や「冬」の季節があるのはなぜでしょうか。

これは、「太陽に近づいたり遠ざかったりするから」とまちがえやすいんですが、主な理由はちがいます。地球と太陽の距離は、一年を通して少しだけ変わりますが、それが季節の主な原因ではありません。

本当の理由は、地球が「地軸(ちじく)」という中心のじくを、すこし傾(かたむ)けたまま、太陽のまわりを回っている「公転(こうてん)」しているからです。地球の地軸は、約23.4度傾いています。

地軸の傾きと季節の関係

  • 夏(なつ): 日本がある北半球(きたはんきゅう)が、太陽のほうに「こんにちは」とおじぎするように傾いているときです。太陽の光がまっすぐ強く当たり(南中高度が高い)、昼の時間も長くなるので、地面があたためられて暑くなります。
  • 冬(ふゆ): 北半球が、太陽と反対のほうに「そっぽ」をむくように傾いているときです。太陽の光がななめにしか当たらず(南中高度が低い)、昼の時間が短くなるので、地面があまりあたためられず寒くなります。

日本が夏のとき、地球の反対がわ(南半球)のオーストラリアやブラジルは、太陽と反対がわに傾いているため「冬」になります。そして、日本が冬のときに、彼らは夏をむかえるんですね。これもすべて、地球が「傾いたまま」太陽のまわりを回っているおかげなんです。

太陽のおかげ「光合成」とは

太陽の光を浴びて光合成を行う植物のイメージ

地球のすべての生き物は、もとをたどれば太陽のエネルギーのおかげで生きています。そのいちばん大切なしくみが、植物や、植物プランクトンがおこなう「光合成(こうごうせい)」です。

光合成とは、植物が太陽の「光エネルギー」を使って、空気の中の「二酸化炭素(にさんかたんそ)」と、根からすいあげた「水」を材料にして、自分の栄養(デンプンなど)を作ることです。

そして、この光合成のときに、わたしたち動物が生きていくのにぜったいに必要な「酸素(さんそ)」が作り出され、空気中に出されます。

わたしたち動物は、植物が作った栄養(デンプン)や、その植物を食べた動物を食べることで、太陽のエネルギーを分けてもらっています(これを食物連鎖といいます)。わたしたちが呼吸(こきゅう)できるのも、ごはんを食べて元気に動けるのも、ぜんぶ太陽の光があるおかげなんですね。

太陽フレアは危険?(防災の知識)

太陽フレアの爆発と地球への影響を表すイメージ 防災知識解説用

太陽はいつもおだやかなだけではありません。ときどき、太陽の表面で「太陽フレア」という、ものすごく大きな「爆発(ばくはつ)」が起こることがあります。これは、太陽の表面にある「黒点」の近くで、磁力(じりょく)のエネルギーがたまって、一気に放出される現象です。

この太陽フレアは、防災士の視点からもすこし注意が必要な現象です。なぜなら、フレアが起こると、強力なX線(エックスせん)や紫外線(しがいせん)、そして「コロナ質量放出(CME)」とよばれる電気をおびたガスの大爆発が宇宙に放出されることがあるからです。

これが地球にやってくると、わたしたちの生活にさまざまな影響が出ることがあります。

太陽フレアが地球にあたえる影響(宇宙天気災害)

  • 通信障害(つうしんしょうがい): フレアのX線が、地球の「電離層(でんりそう)」という層をみだします。ここは、短波(たんぱ)という電波をはね返す「鏡」のような場所なので、ここがみだれると、飛行機や船の無線の通信ができなくなったり、ラジオが聞こえなくなったりします。(デリンジャー現象)
  • GPSの誤差: 人工衛星が影響をうけて、カーナビやスマートフォンの地図が、何メートルもくるってしまうことがあります。
  • 大規模な停電(磁気嵐): 電気をおびたガスが地球にぶつかると、地上の磁場(じば)が大きくみだれます(磁気嵐)。これにより、送電線(そうでんせん)に強すぎる電気が流れてしまい、変電所がこわれて大規模な停電が起こる可能性も指摘されています。
  • オーロラ: これはめずらしい影響ですが、電気をおびたガスが地球の空気とぶつかることで、ふだん見られない北海道や、まれに本州でもきれいなオーロラが見えることがあります。

太陽フレアの情報については、NICT(情報通信研究機構)の宇宙天気予報センターなどが24時間監視(かんし)してくれています。

太陽フレアによる通信障害や停電は、私たちの生活を支える大事なインフラ(電気・通信)に直接影響します。特に停電は、防災の備えが試される大きな問題です。太陽の活動は、約11年の周期(しゅうき)で活発になったり、おだやかになったりしますが、活動が活発な時期は、こうしたリスクも高まります。

災害は地震や台風だけではありません。こうした「宇宙からの災害」にも備えて、停電に備えたソーラーパネルやポータブル電源の準備を考えたり、非常用持ち出し袋の中身を再点検したりしておくことも、防災士としては大切かなと思います。

太陽の安全な見方(自由研究)

太陽を安全に観察する小学生の自由研究の様子

夏休みの自由研究などで、太陽の黒点(こくてん)を観察(かんそく)してみたい!と思うかもしれません。でも、ここでいちばん大切な「安全」についてのお話です。太陽の光は、わたしたちにめぐみをくれますが、同時にとても強いエネルギーを持っています。ぜったいに、目をいためてはいけません。

【ぜったいダメ!】きけんな観察のしかた

  • 自分の目でちょくせつ見る: 太陽の光は強すぎます。ほんの数秒見ただけでも、網膜(もうまく)という目の大事な部分がやけどして、最悪の場合、失明(しつめい)するおそれがあります。「日食(にっしょく)」のときも同じです。ぜったいにやめてください。
  • サングラスや色ガラスで見る: ふつうのサングラスや、色のついた下じき、黒い色ガラス、CD-ROMなどを使っても、目に見えない有害(ゆうがい)な光(赤外線や紫外線)は通ってしまいます。これらは光を弱めているだけで、安全ではありません。とてもきけんです。
  • 望遠鏡や双眼鏡をちょくせつのぞく: これは、ぜったいに、ぜったいにダメです。望遠鏡や双眼鏡は、虫めがねが紙をこがすのと同じように、太陽の光と熱を一点に集めます。もしこれで太陽をのぞいたら、目は一瞬で焼けてしまい、ぜったいに失明します。

太陽を安全に見るためには、正しい方法があります。

安全な方法1:専用の「日食グラス」を使う

太陽を見るためだけに作られた、特別な「遮光板(しゃこうばん)」(日食グラス)を使う方法です。これには安全の基準(しゃ光プレートJIS T8141など)があります。キズや穴があいていないか、使う前によく確認してください。これ以外のもので代用してはいけません。

安全な方法2:ピンホールカメラで、うつして見る

工作用紙(こうさくようし)や厚紙に、針(はり)や画びょうで小さな穴(ピンホール)をあけます。その穴を太陽にむけ、太陽を背にして、穴を通った太陽の「かげ」を、白い紙にうつして観測する方法です。穴をのぞくのではなく、紙にうつった太陽の「丸い形」を見ます。かんたんに太陽の形(日食のときは欠けた形)がわかりますよ。

安全な方法3:望遠鏡で紙にうつして見る(投影法)

これは、自由研究で黒点を観察するのにおすすめの方法です。望遠鏡を太陽にむけ、のぞく部分(接眼レンズ)をのぞかずに、そのうしろに白い紙をおきます。ピントをあわせると、紙に太陽のすがたが大きくうつしだされます。これなら、目をいためることなく、太陽の黒点(こくてん)なども安全に観察できますよ。(※望遠鏡の先に、太陽をさがすための「ファインダー」という小さな望遠鏡がついている場合、そこも光を集めて危険なので、必ずフタをしてください)

【重要】安全のための注意

太陽の観察は、非常に危険をともないます。目を傷めると、元に戻らない可能性があります。お子さんが観察を行う場合は、必ず大人の人と一緒に行い、道具の正しい使い方を事前にしっかり確認してください。安全な方法がわからない場合や、すこしでも不安がある場合は、無理に観察せず、地域の科学館やプラネタリウムの専門家にご相談ください。

太陽と月の大きさ、なぜ同じに見える?

太陽と月が同じ大きさに見える理由を説明するイメージ

空を見上げると、太陽と月は、ふしぎなことにだいたい同じくらいの大きさに見えますよね。

だからこそ、月が太陽のまん前を横切るときに、太陽が月によってぴったりとかくされる「皆既日食(かいきにっしょく)」という、とてもめずらしくて美しい現象が起こります。

でも、前のセクションで話したように、本当の大きさはまったくちがいます。太陽の直径(ちょっけい)は、月の約400倍もあるんです。

それなのに、なぜ同じ大きさに見えるのでしょうか?

それは、地球からの「距離(きょり)」が、これまたぐうぜん、太陽は月よりも約400倍遠くにあるからです。

「400倍大きい」けれど、「400倍遠い」。

この奇跡(きせき)のようなぐうぜんが、太陽と月が地球から見てほとんど同じ大きさに見える理由なんですね。もし月が今よりすこし地球に近かったら、太陽より大きく見えて皆既日食はもっと多くなったでしょうし、もし月がもっと遠かったら、太陽をかくしきれず、皆既日食は起こらなかったかもしれません。本当にふしぎなバランスで、わたしたちの地球と月と太陽は成り立っているんですね。

まとめ:太陽について(小学生向け)学ぼう

今回は、太陽についてのふしぎを、小学生向けに解説してみました。太陽は、わたしたちの地球からいちばん近い「恒星」であり、その中心では「核融合」が起き、わたしたちの地球に光と熱をとどけてくれる、いのちの親のような存在だということが分かったかなと思います。

太陽の光があるからこそ、地球には昼と夜ができ、季節がうつりかわり、植物が酸素(さんそ)を作ってくれます。

いっぽうで、太陽は「黒点(こくてん)」や「フレア」といった活発な活動(かかつどう)をくり返しており、その活動がわたしたちの生活に影響(えいきょう)をあたえることもあります。

そして、防災士の視点からは、太陽は「めぐみ」をくれると同時に、太陽フレアのように、わたしたちの現代社会の弱点(電気や通信)をおびやかす「おそろしさ」も持っていることを、ぜひ知っておいてほしいなと思います。

ふだん当たり前のように空にある太陽ですが、すこし知るだけで、見え方が変わってくるかもしれません。これからも太陽と上手に付き合っていくために、正しい知識を学んでいきましょうね。

この記事を書いた人

後藤 秀和(ごとう ひでかず)|防災士・株式会社ヒカリネット 代表
福島県で東日本大震災を経験したことをきっかけに、防災士の資格を取得。
被災経験と専門知識をもとに、本当に役立つ防災用品の企画・販売を行っています。
運営するブランド「HIH」は、個人家庭だけでなく企業・団体・学校にも多数導入され、全国の防災力向上に貢献しています。
被災経験者としてのリアルな視点と防災士としての専門性を活かし、安心・安全な備えを提案しています。

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